まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

幸せの青いオウム

2007-10-17 | フランス、ベルギー映画
 今秋の連ドラは、まれにみる不作凶作で、とりあえず初回だけでも、という気持ちにさえならない。ドラマ好きにとっては、憂い事態です。福山もコータローも理っちも、もっとマトモなドラマに出てくれよ~!いくら愛しているとはいえ、キツすぎて観られないよ今回は。
 唯一観る予定なのは、明日から始まるNHKの時代劇「風の果て」。福士誠治がオハコ?の若侍役。でも、3話までしか出ないらしい
 今週末の土ワイは、お待ちかね!小泉コータローの警備員シリーズ♪毎回くっだらない話&展開なんだけど、2時間ならガマンできるし、コータローが超かっこかわいいシリーズなので、見逃せません!

 「輝ける女たち」
 豪華キャストが集結した、フレンチな人情ドラマ。
 ニースにあるキャバレー“青いオウム”のオーナー・ガブリエルが急死。彼が息子同然に可愛がっていた元人気マジシャン・ニッキーは、それぞれ母親が違う自分の息子ニノと娘マリアンヌに、ガブリエルが青いオウムを託したことを知り、ショックを受ける。そこへ、ニノの母アリス、マリアンヌの母シモーヌ、そしてクラブ歌手レアも加わり、ニッキーは否応なく人生を見つめ直すことに...
 キャバレーを舞台に、離れ離れだった家族が少しずつ距離を縮めていく過程を、優しくシニカルに、そしてコミカルにしみじみと描いていて、楽しく心温まる人生賛歌に仕上がっています。
 家族関係や昔の恋愛関係が、ちょっと複雑なのですが、そこが物語を面白くしています。みんなが主役的な群像劇で、各登場人物のキャラ&背負っている事情や悩みも、個性的で面白い。みんな思いっきり泣いたり怒ったりするんだけど、ベタベタウジウジしていないというか、かなりサバサバとドライなところは、いかにもフランス人って感じです。
 邦題通り、女たちがみんな輝いています。
   
 ↑左から、アリス、シモーヌ、レア
 秘密と嘘さえ魅力にできてこそ、いい女の証なんだなあと、嘘つきで隠し事ばかりしてる女たちを見て感嘆。そんな女たちに可愛く翻弄されるのも、いい男の条件なんだなあ、とオロオロする男たちを見ていて思いました。
 家族の秘密が、小粋なスパイスとなって愛と絆を再生させる内容は、ちょっと「ブッシュ・ド・ノエル」に似た感じです。それもそのはず。脚本は、同じクリストファー・トンプソン。個性的で魅力的なキャラ、皮肉で優しい台詞、一見何でもない日常と人間関係の中で、人生の悲喜こもごもを温かく描くトンプソンの脚本、大好きです。
 豪華なキャストが、フランス映画ファンには嬉しい。
 アリス役のカトリーヌ・ドヌーヴ。まさに、女王さま!なオーラ。ちょっと可愛いだけでゴーマンかましている日本の某チンピラ小娘とは、すべてにおいて格が違います。美しさも圧倒的。その美貌と、皮肉ばっかり口にする性格で、ヤな女と誤解されがちだけど、今までいっぱい傷つけられ悲しい思いをしたんだろうなあ、と察することができる哀愁があり、でもそれで同情を惹くようなことはしない強さがカッコいい女性を、ドヌーヴがクールに好演しています。皮肉やイヤミも、ネチネチしてないというか、さっぱりと的を射ているので、クスっと笑えます。
 シモーヌ役のミュウミュウ。つい最近「バルスーズ」を観たばかりなので、オバチャンになったなあ!感もひとしお。でも、可愛いく年を重ねています。どこか少女っぽい性格のシモーヌに、ぴったり。ちょっとトボけた演技も笑えます。ニッキーに、胴体を切断されたまま放置されるのが(マジックですが)、大笑いです。
 レア役のエマニュエル・ベアールは、相変わらずコケティッシュ。ムーディに歌声も聞かせてくれます。
 はじめはキツくてギスギスしてたのに、だんだん柔和になってゆくマリアンヌを、ジェラルディン・ペラスが巧演。彼女が歌うベット・ミドラーの「ローズ」フランス語版が良かった。青いオウムのディレクター役ヴァレリー・ルーメルシエも、ユーモアたっぷりで目立ってます。
 男優も、いい味だしてます。
 ニッキー役のジェラール・ランヴァンは、ちょいワル親父風でトレビアン!初老に近いのに、現役バリバリな男の艶があって素敵。日本にはいない系のセクシーおやじ俳優です。それにしても。気の強い女にかぎって、ニッキーみたいなダメ男に惹かれるんだろうなあ。おっさんになっても少年みたいな放っておけなさが、ニッキーの魅力です。
 ニノ役のミヒャエル・コーエンが、繊細で知的なイケメン。しかも、ゲイの役。年下の彼氏(可愛い!)を愛しがる様子が、大人の優しさに満ちていて胸キュン。彼氏との全裸ラブシーンもあり。それにしても。フランスって、世界一ゲイが世間に公認されてる国ですよねえ。
  
 ↑左 美女美男母子アリス&ニノ 右 ニッキー&ニノの彼氏
 ラ・ブームのパパことクロード・ブラッスール扮するガブリエル、女装!幽霊(ニッキーの妄想?)!と死後も強烈な存在感です。
 青いオウムの、歌に踊りにマジックにと華やかなステージレビューも、目に楽しい。あんな愉快なキャバレーで飲んでみたいなあ。
 観た後、家族に優しくしたくなる映画です。使われてる音楽も洒落てるので、サウンドトラックが欲しくなりました。
 これ、日本でTVドラマ化したら、こんな感じ?
 
 ニノ・・・玉木宏
 マリアンヌ・・・中谷美紀
 レア・・・松雪泰子
 ニノの彼氏・・・瑛太
     ・
 ニッキー・・・渡瀬恒彦
     ・
 ガブリエル・・・笑福亭仁鶴
 青いオウムのディレクター・・・上沼恵美子
     ・
 シモーヌ・・・十朱幸代
     ・
 アリス・・・岩下志麻

 ニノとマリアンヌが、弟と姉になっちゃうけど。見所は、千秋先輩と峰くんのラブシーン&志麻姐vs幸代姐、元極妻の激突
 
 
 

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Boys, be aggressive! | トップ | 愛という名の毒 »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今のドヌーヴも大好き (うたかた夫人)
2007-10-20 00:00:48
はじめまして
私ドヌーヴの大ファンです。

かつて「昼顔」でのインパクトが強烈で、
先日二夜連続で「輝ける女たち」に通ってしまいました。なんてったって女優たちの唄が最高!

日本版キャスティングがおっかしくて・・・
いい線いってますが、
ニッキー役はどうかしら?ちょっと。

記事楽しませていただいたお礼にコメントさせていただきました。
返信する
待ってました! (fizz♪)
2007-10-20 22:09:21
たけ子さん、こんにちは~
うわ~ ご覧になったのですね!
私もドヌーヴは気になります。
それにベアールも好きなフランス女優のひとりです♪
もうレンタルになったのでしょうか?
待っていたんですよ。楽しみです。どんなかな?
それまでたけ子さんのレビューは読まずに我慢です。
返信する
和製ニッキーは誰だ (松たけ子)
2007-10-21 00:53:25
うたかた夫人さん、はじめまして!ようこそ!初ご来訪、メルシーボクウです♪
私もドヌーヴ大好きです。今の映画界、女優が小粒化しちゃってるけど、ドヌーヴは数少ない本物の大女優ですよね。若い娘なんかに負けられっか!な現役バリバリな活躍も、驚異的で尊敬!最近では「私の好きな季節」の彼女が一番好きかも。
青いオウム、ほんと女優たちの歌が魅惑的でしたよね。私ももう一回観たいかも。
日本リメイク、あらら!つねぴーダメですか~!誰がいいかなあ。小林薫?根津ジンパチ?宇崎竜童?まさか舘ヒロシ?!石田純一だけは、カンベンして~
激ショボなブログですが、ぜひまた遊びに来て下さい~ドヌーヴの「ロバと王女」近々観る予定です♪おすすめのフランス映画とかあれば、教えて下さいませ~!

fizz♪さん、こんばんは!
レンタルになってますよお~!ぜひチェキラー☆すごく楽しく心温まるオトナの映画でした。
ドヌーヴもベアールも、チャーミングでした。ワタシ的には、ミュウミュウが一番良かったかも。
fizz♪さんのご感想、首キリンで待ってま~す♪その時は、ぜひfizz♪さん版日本リメイクもシルヴプレ~!
返信する
ニッキー (うたかた夫人)
2007-10-22 19:42:23
またまた顔だしちゃって。
ふと、閃きました。
ニッキー役は、中条きよし。
にがみばしったところで・・・
ダメかな~。
返信する
三味線屋の勇次 (松たけ子)
2007-10-23 20:25:54
うたかた夫人さん、再来訪めるしい!ジャンジャカお越しやす~♪
ぷぷっ中条きよし!いいですねえ。彼がニッキーなら、ガブリエル、アリス、シモーヌも元仕事人ですね!そして、ニノとマリアンヌが裏稼業を引き継ぐってオチですね♪
返信する

コメントを投稿