まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

おとこ選びは計画的に♪

2009-04-17 | 欧米のドラマ
 キャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演のTVドラマ「帰郷」を観ました。マイケル・ダグラスの妻の座やオスカーをゲットする以前、まだゼタ姐さんがハリウッドで成り上がってない時代の作品。「テス」や「日陰のふたり」などのトマス・ハーディ原作。
 17世紀のイギリス。因習や迷信が根強く残る村落で暮らすユーステイシアは、その美貌と誇り高さゆえに村人たちから魔女呼ばわりされ疎外されていた。ユーステイシアに恋するデイモンは、婚約者を捨てて彼女に駆け落ちを迫るが、すげなく断られる。そんな中、パリで成功した青年クリムが村に帰郷。彼もまた美しいユーステイシアに恋をするように。閉鎖的な村にうんざりしていたユーステイシアは、クリムと結婚して憧れのパリに住むことを夢見るが...
 因習に縛られた人々の厭世的な人間ドラマ、というトマス・ハーディの小説、いっときハマったことがあるんですよねえ。ほんと暗くて救いようがなくて、読んでるうちに生きるがイヤになる危険な作品ばかり。この「帰郷」のTVドラマ版はそんなに暗くなく、裏切り!略奪!刃傷!失明!不倫!自殺!と不幸と悲劇はジェットコースターですが、それらが文芸ドラマというより日本の昼ドラっぽいテイストになってて、すごく面白かったです。
 
 ↑この頃のゼタ姐さんなら、「ヤッターマン」のドロンジョ役をオファーしたら引き受けてくれたかも?
 男をたぶらかす悪女!魔性の女!と、村の女たちから嫌われハブにされてるユーステイシアですが。確かに、その美貌と囚われない自由闊達なキャラで、老人から青年、年端もゆかぬ少年まで魅了し翻弄する彼女は、平凡な女からしたら危険でムカつく存在。でも、性悪女でも淫らな妖婦でも決してない。野望や欲望のために男を利用!なんてドロドロしいものは全然なく、ただ自由に楽しく生きたい、それを叶えてくれる男を求めてるだけ、何か文句ある?みたいなキャラ。かなり自己チューではあるのですが、悪意とか邪心とは皆無なので憎めない。ほとんどネタミソネミでユーステイシアを憎んでるの村の女たちですが...ほんとに憎むべきは、彼女にデレデレフラフラする男たちのほうなのでは。
 ユーステイシアの、おとこ操縦法&入手法が見事で笑えます。デイモンには、おあずけ&じらし作戦。村の少年には、軽~いお色気作戦で服従させたり(手を握らせてあ・げ・る♪とか。手を握らせてもらってドキドキハァハァな男の子、純情すぎる。もっと欲張った見返り求めろよ。手じゃなくてアソコを握ってください、とか)。クリムの気を惹くためには、男装して芝居に出たり、朝霧の中で白馬といる自分と遭遇させたり、ミステリアスでドラマティックな演出をするなど、なかなかの計算と行動力で感嘆。このドラマ、最近の流行りっぽく“キャサリン・ゼタ・ジョーンズの男をイチコロにする素敵なハニートラップの仕掛け方☆”なんてDVDの邦題つけたいです。
 ゼタ姐さんは、今のようなゴージャスマダムの貫禄はまだなく、すごく可愛いです。「シカゴ」とかもそうですが、彼女って地はサバサバした気風のいい人っぽいので、悪女を演じても性悪には見えないんですよね。ゼタ姐とか米倉涼子とかよりも、竹内U子とか宮崎あおいとかのほうが、よっぽど本性は狡猾で冷酷で陰湿そうで怖い、みたいな。
 デイモン役は、クライヴ・オーウェン。まだ若いからか、今ほどむくつけな濃さはなく、ちょっと可愛く見えた。クリムも、デイモンの妻に恋する下男の青年も、結構イケメンでした。
 荒涼としたヒースの風景、コスチュームも美しく、目を楽しませてくれます。
 
 

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