フランスのTVドラマ「赤と黒」を観ました。何度か映画・ドラマ化されている、文豪スタンダールの名作。
前編:王政復古により、再び腐敗した貴族や聖職者によって支配されるフランス。貧しい製材場の息子だが、頭脳明晰で野心家の美青年ジュリアン・ソレルは、町長レノールの息子の家庭教師に採用される。やがて彼は、美しいレノール夫人と恋に落ちるが...
後編:パリでラモール伯爵の秘書として働き始めるジュリアン。伯爵の娘マチルドに見下されたジュリアンは、彼女を征服しようと決意。マチルドも、周囲とは違うジュリアンに惹かれ、やがて激しい恋に...
スタンダール原作というので、もっとコムズカシイ文学的な話なのかな、と思いきや、昼メロも真っ青な劇的波乱万丈ナンデモアリな内容で、すごく面白かったです。日本の昼ドラあたりでリメイクしてもイケるのでは?
TVドラマとはいえ、チープな感じは全然なく、ヘタな映画より制作費がかかってそうなゴージャスさ。貴族の屋敷や衣装も豪華で優美。あんなドレス、いっかい着てみたいなあ。日本の時代劇と違って、スタジオに作ったセットではなく、本物のお城や館が撮影に使われていたのが、臨場感があって良かったです。
主人公ジュリアン・ソレルが、なかなか複雑なキャラで面白いです。身分が低く貧しい者を虐げ蔑む特権階級を憎悪しつつ、自分も出世したいと強い野望も抱いている。屈折してるかと思えば、めちゃくちゃ純真で一途。冷静沈着かと思えば、怖いくらい激情的になったり。いろんな感情、いろんな顔を万華鏡のように華麗に見せてくれます。
せっかく賢く美しく生まれたのに、それを巧く活かせずに破滅してしまうジュリアンが、ほんと哀れで惜しい。彼があそこまで高潔でピュアじゃなく、少しは世渡り上手な器用さと狡猾さがあれば、きっとバラ色の人生を送れたはずなのに。
ジュリアンが愛した女二人が、もうちょっと彼のことを大事に考えてあげてたら、あんな悲劇にはならなかったのでは。レナール夫人もマチルドも、自分の恋に盲目すぎて、結局はジュリアンを苦しめ傷つけるだけ。彼に夢中になりつつ、やはりどこかで身分の低い彼を、自分のいいように扱えると軽く見ているよなあ、と思える言動が端々にあったり。その傲慢さにムカつく女どもです。女二人に振り回され掻き乱され、理不尽な社会に自らの命を賭して非を唱えるジュリアンの、気高すぎる青春が悲痛です。でもジュリアンの最期って、誇りに殉じたというより、どいつもこいつも俺をコケにしやがって!とプッツン&ヤケクソ気味って感じもしたが...
ジュリアン・ソレル役は、イタリアきってのイケメン俳優キム・ロッシ・スチュワート。
いやあ、ほんま美男子です!ていうか、可愛い!イタリア男なのに、あんまし濃くない(確か、両親のどっちかはイギリス人だっけ?)けど、無味無臭に薄くもない。ガエルとかロドリゴみたいな、ほどよい濃さ?スラ~としたモデル級のスタイルに、ち、ちっちぇ~!な超小顔!時代劇コスチュームも、似合ってて素敵。繊細で内向的、でも内に激しい葛藤と情熱を秘めた青年役に、ぴったりの容貌です。
それにしても。ジュリアンみたいな美男子はホント、妬まれて憎まれるか、とことん愛されるかのどっちかだろうなあ。ほどほど、みたいな中間は許されない人生。本人が望まないのに、老若男女みんな彼と関わりたがる。それって損なのか得なのか。美男はつらいよ。そんな運命の美青年を演じるキム、笑顔さえどこか悲しく翳りがあり、まさに薄幸顔&オーラ。明るくハッピーな役は似合わないかも。とにかくジュリアン・ソレルは、イマドキなハリウッドの若手スターが演じると、???になってしまう役ではあります。日本語吹き替え版で観たため、キムのフランス語を聞けなかったのが少し残念。
レナール夫人役は、キャロル・ブーケ。彼女ほど、所帯じみた庶民の臭いがしない女優も珍しい。さすが、ソルボンヌ大卒の才媛で、シャネルNo.5のモデルだっただけある。もうだいぶオバハンなはずなのに、やっぱキレイです(たまに、韓ドラファンにはお馴染みのヤンミミに見えたりもするが)。すごく理知的でエレガントなクールビューティ。首筋の美しさを際立たせる上品な衣装も素晴らしい。それにしても。あんなイケメンが息子の家庭教師だなんて、奥様の昼下がりな理想妄想の中でしかありえない!年下の美青年ジュリアンにハマってウキウキドキドキ潤いまくるレナール夫人、彼との情事を続けるために演技したり策を練るなど、女は恋のためならいくらでも大胆に悪賢くなれることを実証してくれます。キムがブーケおばさまに甘えたりスネたりするシーンは、ほんと年下男萌え~です。
マチルド役のジュディット・ゴドレーシュも、凛として美しいです。キムがジュディットにツンケンされるシーンは、私もあんな風にイケメンにイヂワルしてみたい~とS心が騒ぎます。
脚本は「ブッシュ・ド・ノエル」などの人気女流監督ダニエル・トンプソン女史。劇中、王妃マルゴのことが何度が話題に出るのですが...そういえばパトリス・シェロー監督の「王妃マルゴ」は、トンプソン女史が脚本を書いたんだっけ。
前編:王政復古により、再び腐敗した貴族や聖職者によって支配されるフランス。貧しい製材場の息子だが、頭脳明晰で野心家の美青年ジュリアン・ソレルは、町長レノールの息子の家庭教師に採用される。やがて彼は、美しいレノール夫人と恋に落ちるが...
後編:パリでラモール伯爵の秘書として働き始めるジュリアン。伯爵の娘マチルドに見下されたジュリアンは、彼女を征服しようと決意。マチルドも、周囲とは違うジュリアンに惹かれ、やがて激しい恋に...
スタンダール原作というので、もっとコムズカシイ文学的な話なのかな、と思いきや、昼メロも真っ青な劇的波乱万丈ナンデモアリな内容で、すごく面白かったです。日本の昼ドラあたりでリメイクしてもイケるのでは?
TVドラマとはいえ、チープな感じは全然なく、ヘタな映画より制作費がかかってそうなゴージャスさ。貴族の屋敷や衣装も豪華で優美。あんなドレス、いっかい着てみたいなあ。日本の時代劇と違って、スタジオに作ったセットではなく、本物のお城や館が撮影に使われていたのが、臨場感があって良かったです。
主人公ジュリアン・ソレルが、なかなか複雑なキャラで面白いです。身分が低く貧しい者を虐げ蔑む特権階級を憎悪しつつ、自分も出世したいと強い野望も抱いている。屈折してるかと思えば、めちゃくちゃ純真で一途。冷静沈着かと思えば、怖いくらい激情的になったり。いろんな感情、いろんな顔を万華鏡のように華麗に見せてくれます。
せっかく賢く美しく生まれたのに、それを巧く活かせずに破滅してしまうジュリアンが、ほんと哀れで惜しい。彼があそこまで高潔でピュアじゃなく、少しは世渡り上手な器用さと狡猾さがあれば、きっとバラ色の人生を送れたはずなのに。
ジュリアンが愛した女二人が、もうちょっと彼のことを大事に考えてあげてたら、あんな悲劇にはならなかったのでは。レナール夫人もマチルドも、自分の恋に盲目すぎて、結局はジュリアンを苦しめ傷つけるだけ。彼に夢中になりつつ、やはりどこかで身分の低い彼を、自分のいいように扱えると軽く見ているよなあ、と思える言動が端々にあったり。その傲慢さにムカつく女どもです。女二人に振り回され掻き乱され、理不尽な社会に自らの命を賭して非を唱えるジュリアンの、気高すぎる青春が悲痛です。でもジュリアンの最期って、誇りに殉じたというより、どいつもこいつも俺をコケにしやがって!とプッツン&ヤケクソ気味って感じもしたが...
ジュリアン・ソレル役は、イタリアきってのイケメン俳優キム・ロッシ・スチュワート。
いやあ、ほんま美男子です!ていうか、可愛い!イタリア男なのに、あんまし濃くない(確か、両親のどっちかはイギリス人だっけ?)けど、無味無臭に薄くもない。ガエルとかロドリゴみたいな、ほどよい濃さ?スラ~としたモデル級のスタイルに、ち、ちっちぇ~!な超小顔!時代劇コスチュームも、似合ってて素敵。繊細で内向的、でも内に激しい葛藤と情熱を秘めた青年役に、ぴったりの容貌です。
それにしても。ジュリアンみたいな美男子はホント、妬まれて憎まれるか、とことん愛されるかのどっちかだろうなあ。ほどほど、みたいな中間は許されない人生。本人が望まないのに、老若男女みんな彼と関わりたがる。それって損なのか得なのか。美男はつらいよ。そんな運命の美青年を演じるキム、笑顔さえどこか悲しく翳りがあり、まさに薄幸顔&オーラ。明るくハッピーな役は似合わないかも。とにかくジュリアン・ソレルは、イマドキなハリウッドの若手スターが演じると、???になってしまう役ではあります。日本語吹き替え版で観たため、キムのフランス語を聞けなかったのが少し残念。
レナール夫人役は、キャロル・ブーケ。彼女ほど、所帯じみた庶民の臭いがしない女優も珍しい。さすが、ソルボンヌ大卒の才媛で、シャネルNo.5のモデルだっただけある。もうだいぶオバハンなはずなのに、やっぱキレイです(たまに、韓ドラファンにはお馴染みのヤンミミに見えたりもするが)。すごく理知的でエレガントなクールビューティ。首筋の美しさを際立たせる上品な衣装も素晴らしい。それにしても。あんなイケメンが息子の家庭教師だなんて、奥様の昼下がりな理想妄想の中でしかありえない!年下の美青年ジュリアンにハマってウキウキドキドキ潤いまくるレナール夫人、彼との情事を続けるために演技したり策を練るなど、女は恋のためならいくらでも大胆に悪賢くなれることを実証してくれます。キムがブーケおばさまに甘えたりスネたりするシーンは、ほんと年下男萌え~です。
マチルド役のジュディット・ゴドレーシュも、凛として美しいです。キムがジュディットにツンケンされるシーンは、私もあんな風にイケメンにイヂワルしてみたい~とS心が騒ぎます。
脚本は「ブッシュ・ド・ノエル」などの人気女流監督ダニエル・トンプソン女史。劇中、王妃マルゴのことが何度が話題に出るのですが...そういえばパトリス・シェロー監督の「王妃マルゴ」は、トンプソン女史が脚本を書いたんだっけ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます