まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

アメリカ帝国崩壊の狼煙!

2008-10-26 | 北米映画 00~07
 「バンテージ・ポイント」
 スペインのサラマンカ広場で開催中の平和サミットで、壇上に立ったアメリカ大統領が狙撃され、爆破テロも発生。巻き込まれた目撃者たちそれぞれの視点で、事件の成り行きと真相は追われることに...
 ひとつの事実への違った視線(バンテージ・ポイント)、という設定と構成がユニークでした。一人の目撃エピソードが、いいところで終わって巻き戻って次の人へ、という展開が、なかなか気をもたせる作りになってます。斬新な時間軸映画?ちょっと人気ドラマ「24」っぽいのかな?複数の視線がラストに向かって結合するのも、なかなか巧妙でした。映画が一時間半弱しかないので、無駄に長くて緩慢な大作と違い、ダラけることなく観られます。
 それにしても。アメリカって怖い国だよなあ、と思わされた。スペイン人は、とんだトバッチリ。大統領の護衛シークレットサービスったら、犯人と思しき男を追っかけながら、逃げ惑う群集の中で平気でバンバン銃を撃つし、カーチェイスも一般ドライバーの生命なんかどーでもいいみたいな大暴走。早く報復しろー!と大統領をせっつく近臣とか、他国を力でねじ伏せるのは当然、逆らう奴らはみんな死ね!と考えてるようなアメリカさまの恐ろしい傲慢さが、ナニゲに炙りだされています。反米的な場面やコメントは意図的に削除するマスコミの報道も、アンフェアで怖い。反米テロや経済恐慌で世界中にパニックや苦難をもたらしてる最近のアメリカって、まさに厄の枢軸国って感じですよねえ。
 これって、ちょっと細かいことで気になる点が、いくつもある映画なんですよねえ。すごい厳重なはずな大統領警護なのに、あっけなくテロリストに隙を与えたり。たった一人のスナイパーに、バタバタ殺されていくシークレットサービス、弱すぎる...
 シークレットサービスとスペイン警察から、クレームこなかったのかしらん?警察内部にテロリスト、なんて実際ありえる話なのでしょうか?
 あと、あんなテロがあったのに、近くのカフェや商店街では、みんなフツーにお茶のんだり買い物してたりしてたのが、何か違和感。あんなカーチェイスしてるのに、スペインの警察が全く出動してこないのも???だった。たかが二段階右折しなかっただけで、鬼のようにやってくる日本のパトカーとは、大違いですね
 あと、大統領の影武者に驚笑。北の将軍さまも、やっぱ替え玉そっくりさんなのかしらん?
 
 キャストが豪華、というよりシブいです。
 ベテランのシークレットサービス役がデニス・クエイド、報道ディレクター役がシガニー・ウィーバー、大統領役がウィリアム・ハート(最近、売れっ子ですね)と、80年代に大活躍した元人気スターが、すっかり年老いてるけど元気な姿を見せてます。それにしても。デニス・クエイドとかハリソン・フォード、ケヴィン・コスナー、大好きだったアメリカンタフガイの老化って、ほんと無残で悲しい。カサカサのお爺さんって感じだもんね。
 その点、まだ30・40代の男盛りの男優は、活きも潤いも違う。一緒の画面に出すのって、残酷です。
 デニス・クエイドの同僚役に、ドラマ「LOST」で人気のマシュー・フォックス。体育会系のワイルドな男前ですね。スペイン人刑事の役に、エドゥアルド・ノリエガ。おおっやっぱノリって美男子!若い頃の特濃さが、いい感じにコクのある濃さになってきてて、男ぶりアゲアゲ!アクションも頑張ってました。ノリちゃんには今後も、じゃんじゃか英語圏映画に出てほしいものです。10年後に第二のハビエル・バルデムになるのは、ガエルかノリのどっちかかな?
 アメリカ人観光客役で、黒い鶴瓶ことフォレスト・ウィッテカーも出演。すんごく良い人なんだけど、スペイン人の幼い少女に当たり前みたいに英語を喋るところは、典型的なアメリカ人だなあと苦笑。
 
 ノリは、アラゴルン主演の「アラトリステ」にも出てます
 

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