今夜は七夕、星合の夜です。
織姫と彦星のように、あまたの恋人たちが、たまさかの逢瀬に歓喜の涙で濡れ合うことでしょうか。
年に一度でいいから、逢いたい...という人よりも、年に一度だけ会ってすめばいいのに...な人しかいない私って、本当に寂しい悲しい人間です。What should I wish upon a twinkle little star...?
「Z」
カンヌ映画祭パルムドール&アカデミー外国語映画賞をW受賞した作品。
軍事政権下にある架空の国で起きた、要人の暗殺事件。その真相を不気味に包み隠す、恐るべき巨大権力の暗闇...
複雑に激しく入り乱れる極右、左翼...硬派で骨太な、政治色コテコテの映画ですが、エンターテイメント色も濃く、緊迫したサスペンス&ミステリータッチで、最後まで飽きることなく観られました。
暴力的なデモや闘争の血なまぐささや、真相を闇に葬り去ろうとする当局の陰謀・圧力が、熱気と迫力ある映像で描かれていて、怖いです。人一人の命なんて、巨大な権力の前では、虫けら同然。権力に逆らう者は、害虫として駆除される。
平和ボケの現代日本に生まれ育った私なので、こんなの映画の中だけ!と他人事に思ってしまいがちですが、それは危険でしょうか。むかし付き合ってた左翼思想の男に、東京のいたるところに監視カメラが設置されているのも、盗聴法も、国が我々を管理支配しようとしているのだ!その危険性に気づくのだ!と、説教されたことがあります。
キャストも素晴らしかったです。
暗殺される左翼政治家に、イヴ・モンタン。シブくて重厚だけど、どこか洒脱で小粋なおじさまの魅力が素敵。
この映画でカンヌ男優賞を受賞した、検事役ジャン・ルイ・トランティニャンが、トレビアン!当時、彼は30代後半。「男と女」や「暗殺の森」前後の最盛期。クール&シャープ、知的でカッチョE!なぜか、メン・イン・ブラックみたいなサングラスをつけたままで、せっかくの男前を隠してるんだけど、でも薄く透けて見える目が、返ってその鋭さを際立たせていました。映画の始め頃は、あまり登場シーンや台詞がないんだけど、その存在感はビリビリ電気的。事件の真相を追究する姿の、冷徹な有能さが魅力的です。
新聞記者役のジャック・ペランが、カッコカワいい。オーランド・ブルームを知的にした感じ?この映画の製作者でもあるペラン、可愛く優しい外見とは対照的に、とても硬派な男なんですね。似ていても、ヘナチョコOBとは違います。
検事や記者の奮闘で、巨悪が追い詰められ、一掃されてメデタシメデタシ、かと思ったら、ラストにサラリと、とんでもないドンデン返しがあって驚愕&戦慄!勧善懲悪なんてない。彼らの闘いは所詮、蟷螂の斧に過ぎなかったのだ、という絶望感&無力感...
同じコスタ・ガブラス監督の「ミッシング」や「ミュージックボックス」も、スリリングで怖い映画だったなあ。
ちなみに“Z”とは、古代ギリシア語で、“彼は生きている”という意味だとか。
織姫と彦星のように、あまたの恋人たちが、たまさかの逢瀬に歓喜の涙で濡れ合うことでしょうか。
年に一度でいいから、逢いたい...という人よりも、年に一度だけ会ってすめばいいのに...な人しかいない私って、本当に寂しい悲しい人間です。What should I wish upon a twinkle little star...?
「Z」
カンヌ映画祭パルムドール&アカデミー外国語映画賞をW受賞した作品。
軍事政権下にある架空の国で起きた、要人の暗殺事件。その真相を不気味に包み隠す、恐るべき巨大権力の暗闇...
複雑に激しく入り乱れる極右、左翼...硬派で骨太な、政治色コテコテの映画ですが、エンターテイメント色も濃く、緊迫したサスペンス&ミステリータッチで、最後まで飽きることなく観られました。
暴力的なデモや闘争の血なまぐささや、真相を闇に葬り去ろうとする当局の陰謀・圧力が、熱気と迫力ある映像で描かれていて、怖いです。人一人の命なんて、巨大な権力の前では、虫けら同然。権力に逆らう者は、害虫として駆除される。
平和ボケの現代日本に生まれ育った私なので、こんなの映画の中だけ!と他人事に思ってしまいがちですが、それは危険でしょうか。むかし付き合ってた左翼思想の男に、東京のいたるところに監視カメラが設置されているのも、盗聴法も、国が我々を管理支配しようとしているのだ!その危険性に気づくのだ!と、説教されたことがあります。
キャストも素晴らしかったです。
暗殺される左翼政治家に、イヴ・モンタン。シブくて重厚だけど、どこか洒脱で小粋なおじさまの魅力が素敵。
この映画でカンヌ男優賞を受賞した、検事役ジャン・ルイ・トランティニャンが、トレビアン!当時、彼は30代後半。「男と女」や「暗殺の森」前後の最盛期。クール&シャープ、知的でカッチョE!なぜか、メン・イン・ブラックみたいなサングラスをつけたままで、せっかくの男前を隠してるんだけど、でも薄く透けて見える目が、返ってその鋭さを際立たせていました。映画の始め頃は、あまり登場シーンや台詞がないんだけど、その存在感はビリビリ電気的。事件の真相を追究する姿の、冷徹な有能さが魅力的です。
新聞記者役のジャック・ペランが、カッコカワいい。オーランド・ブルームを知的にした感じ?この映画の製作者でもあるペラン、可愛く優しい外見とは対照的に、とても硬派な男なんですね。似ていても、ヘナチョコOBとは違います。
検事や記者の奮闘で、巨悪が追い詰められ、一掃されてメデタシメデタシ、かと思ったら、ラストにサラリと、とんでもないドンデン返しがあって驚愕&戦慄!勧善懲悪なんてない。彼らの闘いは所詮、蟷螂の斧に過ぎなかったのだ、という絶望感&無力感...
同じコスタ・ガブラス監督の「ミッシング」や「ミュージックボックス」も、スリリングで怖い映画だったなあ。
ちなみに“Z”とは、古代ギリシア語で、“彼は生きている”という意味だとか。
モンタンとトランティニャンは、劇中顔を合わせないのが、ちょっと残念なんですよねえ。でも二人とも魅力的。ぜひ、ご覧になっていただきたいなあ。Cartoucheさんのご感想、拝聴したいです。