まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

コンプレックスも武器になる 今日、曇りのち晴れ♪

2006-06-07 | フランス、ベルギー映画
 その人を一目見ただけで、声を聞いただけで、その日一日が憂鬱なものになってしまう・・・
 他人からしたら、何でもない些細なことだろうに。そんなことでイチイチ怒ったり落ち込んだりしてたら、生きていけないよ!と言われたら、そうだろうと頷ける。でも・・・いちど嫌悪を植え付けられたら、なかなか払拭できない。シャツに着いた、消えない小さなシミ。グラスの水に落ちた、一滴の黒い墨、みたいな。
 あの人がいなくなったら、空気が美味しくなるだろうなあ、なんて身勝手なことを思う自分も嫌いです。周囲の人たち全てを好きでいられたら、どんなに世の中が楽だろう。
 あの人への嫌悪感は日増しに募るばかりですが、私に嫌われてるからといって、あの人にとっては痛くも痒くもない、何のデメリットもないことが、せめてもの救いです。

 「みんな誰かの愛しい人」 
 「ムッシュ・カステラの恋」など、佳作を連発しているアニエス・ジャウィ&ジャン・ピエール・バクリのコンビが、また素敵な映画を作ってくれました。
 肥満娘の、容姿&父親コンプレックス物語。
 確かに太ってるけど、ぽっちゃりして可愛いと思うけどなあ。顔も、どっちかと言えば美人だし、肌も白くてきれいだし。伊藤美咲や矢田アキ子より、YAWARAさんや南海キャンディーズのしずちゃんのほうがチャーミング。ニコールやジョニー妻より、ケイト・ウィンスレットのほうが美人。そう思うのは、私だけ?
 容姿コンプレックスよりも、ファザコンぶりのほうが面白い。力のある有名人をパパにもつ娘の屈折が、笑えます。
 私に優しくするのは、みんなパパが目的なのよ!と常に疑ってかかるところや、若くて美人で、しかも優しい継母に神経を逆撫でされるところとか、そんなヒガミ&ヒネクレ心の機微が、ほんとナニゲにサラリと描かれていて、何度もクスっ。
 確かに、あのパパは、ちょっと鈍感&無神経だけど(そこが笑える!)、でも中年オヤヂって、あんなもんじゃないかなあ。むしろ、不器用ながらも優しいし、娘の知らないところで気遣ってたり、良いパパじゃん!あれで愛されてないと思うなんて、ちょっとワガママで欲張りかも。私の親父のほうが、よっぽど冷たくて無関心だよ。でも私は、親父の関心を惹きたいと思ったことはないなあ。それに、妙に思春期の娘の気持ちが解かったり解かろうとしたり、ベタベタした愛情表現をしてくるほうが、気持ち悪いと思うけど。
 良いことばかりじゃない、けど悪いことばかりでもない。そんな人間模様を、皮肉と優しさで描く、ジャウィ女史&バクリ氏の映画が好きです。
 さりげなくもシニカルで含蓄のある台詞が、本当に素晴らしい!落ち込んでる人を見たら私も、あのパパみたいに『青酸カリなら戸棚にあるよ』なんてブラックなジョーク、言ってみたい!
 
 
 
 
 

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