A子のお誘いはまるで、「あんたらもこっちに来て十周年の年なんやから、今年ぐらい地元の花火で済まさんと、特別にメイシーズの花火でも観に行ったらええやん」と、わたし達の背中を押す神さんの手のようでした。
旦那は急きょ、どこに出かけるのが一番無難で、それなりに良く観えて、行き帰りの混雑をできるだけ避けることができるかを必死で調べました。
わたしは腹ごしらえ用に、黒米ともちきびと玄米を少々混ぜたご飯に、梅干しと椎茸昆布を入れたおにぎりをせっせせっせと握りました。
お水とおにぎりとおやつをリュックに詰め込み、電車でうちまでやって来てくれたA子と旦那、それから息子Tとわたしの4人で、再び電車に乗ってホーボーケンまで行きました。
ホーボーケンは我々がいつも利用するマンハッタン直通線とはまた別の線のマンハッタンのひとつ手前の駅で、ここからはバスと電車とフェリーが乗れます。
その駅前の広場の前に立ち、わたしは「あっ!」と声を上げました。
そこはまさしく、同時多発テロが起こった日に、マンハッタンからフェリーで着いたわたし達が、なんの説明も無しに、黙々と、けれども有無を言わせない態度と異常なほどの丁寧さでもって、頭の先から足の先まで、着の身着のままで洗われた場所だったのでした。
無言を貫く政府機関の人達、FBIの捜査官、医者と看護士、そして異様に大きな3基のテントとサーチライト。あの光景は一生忘れないでしょう。
ガタガタと全身を細かく震わせながら冷房の効いた電車に乗った、あの日のずぶ濡れの自分を思い出しながら呆然としていると、
「ホーボーケンってさ、なんかラーメン屋さんみたいな名前だね」とA子。そういやそうだ!うまいぞA子!
駅から出てすぐの所に大きな公園があります。そこは対岸のマンハッタンのビル街を楽しむ人達でにぎわう所です。
今回我々は、この公園から見学してみようじゃないか、ということにしたのです。
まだまだ明るくて、人もそんなに多くはいません。そりゃそうだ。まだ6時にもなっていないのだもの。
気合いの入ったわたし達は、今夜は3時間半待ちを覚悟で、ここにやって来たのでした。
それでも見物のボートが続々と集まってきました。
あ!あれに見えるはメイシーズのロゴ入りボート!きっとあの船から花火を上げるのでしょう!う~ん、早くもドキドキわくわく!
いきなり空に国旗がひらひらと……、
な~んだ、引っ張ってもらっておりました。独立記念日だもんね~。米国万歳!
思っていたよりも北のジョージ・ワシントン・ブリッジの方に、船はどんどん進んで行きます。おぉ~い、そんなに遠くに行かないで~!
ようやく日が落ちてきました。花火を上げる場所近くでは、放水のショーが始まりました。青と白と赤の色がついています。写真は難しい……。
きれいな放射状の夕焼け雲。この屋根の下で、花火が始まる直前まで、カラオケ出張ショーのおじさんが、フランク・シナトラのレパートリーを歌っておりました。フランクはホーボーケン出身なのだそうです。声が少~し似ていました。
沿岸警備隊に注意される、無許可でやってきた個人ボートの持ち主さん達。
花火を上げる現場にも夕焼け。
人もかなり集まってきました。我々はとても早くから来ていたので、高台の、障害物の無い芝生の上の、しかも端っこに陣取ることができたので余裕です。
でも、この場所探しの時に、旦那と我々日本人組の小さな衝突がありました。
まだ花火が始まるまでに3時間以上もあるので公園の敷地は空きだらけ。なので、できるだけいい場所を確保しておこうとA子とわたしは真剣に探しているのに、旦那は「まずはバーにでも行って、腹ごしらえをしよう!」と、場所のことなんかまるで眼中に無しの様子。おまけに、「混んでるとこに入っていくのは失礼」などと言って嫌がります。そやけど、ええ場所やから混むねん!と心の中で文句タラタラのわたし。
早めに現場に着く、ということに対する目的の違い、というものをまざまざと見た瞬間なのでありました。
こんなに広いんやから、45分ぐらい他のことしても、どこからかは見えるやん。by 旦那
せっかく早く来て、ええとこいっぱい空いてるから、そこに陣取って死守したい。by A子&まうみ&多分T
みんなで一緒に行きたいという旦那を説得して、まずは男ふたりが、後で女ふたりが席を外す、ということにして、足をブランブランさせながら座っているけれど、立っている人の頭よりふたつ上から観られる公園内の高台の端っこを確保。
エンパイア・ステートビルディングも独立記念日を祝って国旗色。
南側のビル街も夕暮れの中に。
花火が始まりました!Tが撮ってくれた写真です。花火の色に染まる川面がきれい!なかなかの腕前です!(←親バカ丸出し)
いっぱいいっぱい上げて、楽しませてくれた船。ありがとう~!
公園の一角にある噴水で盛り上がる韓国人の若者達。
それを、まったくもう、君達は若いなあ……と見守る旦那。今日の彼のテーマは『火』!なかなかシブいです。
花火はきっちり30分で終了。それはそれはきれいな花火でした。スマイルの花火も可愛くて大ウケ!
ただ、花火は10時に終わったというのに、帰りの電車が普段通りの11時8分まで無くて……アメリカンだわ~こんな特別な日も。
絞りたての生レモネードを買って、公園のベンチに戻り、ゆっくりと飲みながら待ちました。
人がどんどん集まってきてからは、風もピタリと止み、人の熱気で蒸し暑さ倍増。こちらの駅は普通の駅も地下鉄の駅も冷房が無いのでたまりません。
電車の冷えた車内の空気が気持ち良かったことったら!
電車はもちろん満杯。盛り上がった若者達が、突然国家や国を讃える歌をメドレーで歌い出し、それに便乗して他の乗客も歌い出し、車内は大合唱。
みんなで笑ったり歌ったり拍手したり、独立を祝うわたし達の歌声を夜の線路に響かせながら、電車は走って行きました。
おめでとうアメリカ!これからもまた、くじけずに、まずはどんなことでも楽しもうとする精神をモットーに頑張ろう!
旦那は急きょ、どこに出かけるのが一番無難で、それなりに良く観えて、行き帰りの混雑をできるだけ避けることができるかを必死で調べました。
わたしは腹ごしらえ用に、黒米ともちきびと玄米を少々混ぜたご飯に、梅干しと椎茸昆布を入れたおにぎりをせっせせっせと握りました。
お水とおにぎりとおやつをリュックに詰め込み、電車でうちまでやって来てくれたA子と旦那、それから息子Tとわたしの4人で、再び電車に乗ってホーボーケンまで行きました。
ホーボーケンは我々がいつも利用するマンハッタン直通線とはまた別の線のマンハッタンのひとつ手前の駅で、ここからはバスと電車とフェリーが乗れます。
その駅前の広場の前に立ち、わたしは「あっ!」と声を上げました。
そこはまさしく、同時多発テロが起こった日に、マンハッタンからフェリーで着いたわたし達が、なんの説明も無しに、黙々と、けれども有無を言わせない態度と異常なほどの丁寧さでもって、頭の先から足の先まで、着の身着のままで洗われた場所だったのでした。
無言を貫く政府機関の人達、FBIの捜査官、医者と看護士、そして異様に大きな3基のテントとサーチライト。あの光景は一生忘れないでしょう。
ガタガタと全身を細かく震わせながら冷房の効いた電車に乗った、あの日のずぶ濡れの自分を思い出しながら呆然としていると、
「ホーボーケンってさ、なんかラーメン屋さんみたいな名前だね」とA子。そういやそうだ!うまいぞA子!
駅から出てすぐの所に大きな公園があります。そこは対岸のマンハッタンのビル街を楽しむ人達でにぎわう所です。
今回我々は、この公園から見学してみようじゃないか、ということにしたのです。
まだまだ明るくて、人もそんなに多くはいません。そりゃそうだ。まだ6時にもなっていないのだもの。
気合いの入ったわたし達は、今夜は3時間半待ちを覚悟で、ここにやって来たのでした。
それでも見物のボートが続々と集まってきました。
あ!あれに見えるはメイシーズのロゴ入りボート!きっとあの船から花火を上げるのでしょう!う~ん、早くもドキドキわくわく!
いきなり空に国旗がひらひらと……、
な~んだ、引っ張ってもらっておりました。独立記念日だもんね~。米国万歳!
思っていたよりも北のジョージ・ワシントン・ブリッジの方に、船はどんどん進んで行きます。おぉ~い、そんなに遠くに行かないで~!
ようやく日が落ちてきました。花火を上げる場所近くでは、放水のショーが始まりました。青と白と赤の色がついています。写真は難しい……。
きれいな放射状の夕焼け雲。この屋根の下で、花火が始まる直前まで、カラオケ出張ショーのおじさんが、フランク・シナトラのレパートリーを歌っておりました。フランクはホーボーケン出身なのだそうです。声が少~し似ていました。
沿岸警備隊に注意される、無許可でやってきた個人ボートの持ち主さん達。
花火を上げる現場にも夕焼け。
人もかなり集まってきました。我々はとても早くから来ていたので、高台の、障害物の無い芝生の上の、しかも端っこに陣取ることができたので余裕です。
でも、この場所探しの時に、旦那と我々日本人組の小さな衝突がありました。
まだ花火が始まるまでに3時間以上もあるので公園の敷地は空きだらけ。なので、できるだけいい場所を確保しておこうとA子とわたしは真剣に探しているのに、旦那は「まずはバーにでも行って、腹ごしらえをしよう!」と、場所のことなんかまるで眼中に無しの様子。おまけに、「混んでるとこに入っていくのは失礼」などと言って嫌がります。そやけど、ええ場所やから混むねん!と心の中で文句タラタラのわたし。
早めに現場に着く、ということに対する目的の違い、というものをまざまざと見た瞬間なのでありました。
こんなに広いんやから、45分ぐらい他のことしても、どこからかは見えるやん。by 旦那
せっかく早く来て、ええとこいっぱい空いてるから、そこに陣取って死守したい。by A子&まうみ&多分T
みんなで一緒に行きたいという旦那を説得して、まずは男ふたりが、後で女ふたりが席を外す、ということにして、足をブランブランさせながら座っているけれど、立っている人の頭よりふたつ上から観られる公園内の高台の端っこを確保。
エンパイア・ステートビルディングも独立記念日を祝って国旗色。
南側のビル街も夕暮れの中に。
花火が始まりました!Tが撮ってくれた写真です。花火の色に染まる川面がきれい!なかなかの腕前です!(←親バカ丸出し)
いっぱいいっぱい上げて、楽しませてくれた船。ありがとう~!
公園の一角にある噴水で盛り上がる韓国人の若者達。
それを、まったくもう、君達は若いなあ……と見守る旦那。今日の彼のテーマは『火』!なかなかシブいです。
花火はきっちり30分で終了。それはそれはきれいな花火でした。スマイルの花火も可愛くて大ウケ!
ただ、花火は10時に終わったというのに、帰りの電車が普段通りの11時8分まで無くて……アメリカンだわ~こんな特別な日も。
絞りたての生レモネードを買って、公園のベンチに戻り、ゆっくりと飲みながら待ちました。
人がどんどん集まってきてからは、風もピタリと止み、人の熱気で蒸し暑さ倍増。こちらの駅は普通の駅も地下鉄の駅も冷房が無いのでたまりません。
電車の冷えた車内の空気が気持ち良かったことったら!
電車はもちろん満杯。盛り上がった若者達が、突然国家や国を讃える歌をメドレーで歌い出し、それに便乗して他の乗客も歌い出し、車内は大合唱。
みんなで笑ったり歌ったり拍手したり、独立を祝うわたし達の歌声を夜の線路に響かせながら、電車は走って行きました。
おめでとうアメリカ!これからもまた、くじけずに、まずはどんなことでも楽しもうとする精神をモットーに頑張ろう!