ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

血尿と欲情とスイカと

2010年07月06日 | ひとりごと
昨日の朝の起き掛けに、前の晩にビーツを食べたわけでも無いのに赤いおしっこが出た。びっくりした。
花火を待つ長い時間、ほとんどずっと座っていたし、しかもジーンズをはいていたし、帰りがけに下腹がしくしくと痛んだりしていたので、そういうことが重なって出たのかなあ、と思った。
でも、排尿後の感じがよろしくない。少し痛みを伴うもどかしさが、股の辺りに貼り付いている。
そんな感じで始まった昨日は一日、おしっこのたびに不快な感じを味わっていた。

旦那に相談すると、あちこちのツボを刺激したりマッサージをしてくれた。
昨日はできるだけゆっくりして、夜も早めにベッドに入り、身体の調子を整えようと思ったけれど、エアコン問題で計画はうまく進まなかった。
旦那いわく、「まうみは寝ようとする努力が足りない」のだそうな。ふう~ん。あんたがあんな騒音の中で眠れるのは、ひとえに努力の賜物だったわけだ。
騒音って、努力次第でなんとかなるもんなんだろうか……。

なので今日は、昨日に引き続き、締めつけない服を着てゆっくりとすることにした。
排尿の不快感は少しずつ薄れていき、尿の色も普通になった。けれどもまだ量が少ない。汗になって出ているのかもしれないけれど、それにしても少ない。

仕事帰りに、旦那に頼まれた砂糖とコーヒーフィルターとミルクを買いに、通り道にあるホールフーズに寄った。
店に入ってすぐの所に、切り売りの果物の売り場があった。
そこの、透明のプラスティックに入ったキューブ状のスイカを見た途端、まるで血に飢えたドラキュラみたいに、身体中の細胞が欲しい欲しい!と手を伸ばした。
容器に入ったほんの少しのスイカと、その近くに四つ切りにして売られているそれとが、ほとんど同じ値段だ。量は四つ切りの方が何倍も多い。
少し迷った。どちらも手に取って考えたりもした。ホールフーズはそれでなくても他の店よりは値段が高い。こういう物を買うには最もよろしくない店だ。
でも、この欲望の激しさはただ事ではない。わたしはもともと、いろんなことに対して淡白な方で、好きな物(人)は好きだけど、そして欲しい物(人)は欲しいけれど、それがなんらかの事情や理由で手に入らない、あるいは手に入れない方がいいとわかればそれで、さっさとあきらめることができる。まあ、もっと詳しく言うと、あきらめるのに時間と努力が必要な時もたまにはあるが、最終的にはあきらめられる。
というか、あきらめた方が良さそうなことが、今までにたくさんあり過ぎて、はじめからあきらめる時の心準備をする癖があったりする。
その対象になるのが物なら、わたしの気持ちだけの問題で済むけれど、ボーイフレンドだったりするとそれぞれ心があるのだから、彼らには本当に悪いことをした、などと思う。
そんなことに至るまで深く考え込んでしまった。スイカが思い出させてくれた、激しい欲望を表に出すことも、相手に望むこともできずにいたわたし。
あ、でも、この男と暮らそうと決めてしまったら最後、どんな困難や問題が襲いかかってきても、相手に散々断られても、決してあきらめないけどね。

いや、今はそんなことじゃなくて、四つ切りのスイカを買うか、プラスティック容器に入ったスイカを買うか、それを決めなくてはならない。
プラスティックのでは、この欲情を満たせない。四つ切りを買おう!
カゴの半分以上を占めるスイカと、牛乳、グレープフルーツジュース、砂糖、卵が入った重いカゴを、レジまでよいしょよいしょと運んだ。
店のフードコートにあるプラスティックのフォークを一本もらい、車の中でスイカの尖った所を食べた。ため息が出るほど冷たくて甘かった。
家に着いて、もうご飯だというのに、そんなことなどおかまいなしに、半分をガツガツと食べてしまった。
あ~美味しかった!とお腹をタプタプさせながら、あっ……と思った。
スイカには疲労回復と利尿作用がある。そうか、そういうことか。

わたしは時々急に、コーヒーやお酒を全く飲みたく無くなる時期がある。好きなのだけど、身体が飲んで欲しく無いと言ってくる。
そうなると、旦那がどんなに目の前で美味しそうに飲んでいても、まるで平気で無視できる。
本当は体質的に飲まない方がいいのに、ものすごく好きな物(コーヒーとビール)なのでどうしてもやめられない旦那からすると、そんなふうにきっぱりとやめられるわたしがうらやましくて仕方がない。
「どうしてそんなことができるのか?」と何回も聞かれるけれど、「身体が欲しく無いと言っている」、と答えるしかない。
「まうみはかなり原始的なところで生きているのかもしれない」などと言われる。そうかもしれない。

今日のスイカへの欲情は、はっきり言って、この原始的なところから発せられた欲情だったのかもしれない。
それにしても……昔のボーイフレンドの顔まで思い出すなんてね……。




コメント (8)
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エアコン・リモコン・テクマクマヤコン

2010年07月06日 | ひとりごと
車の外気温計が109℉だよ~と表示した。42℃……立派なもんだ。地球は病的に深刻に熱くなっている。
今週末まで100℉台が続く予報が出ている。

昨夜はとうとうクーラーをぶん殴ってしまった。先日旦那と取り付けた例のクーラーだ。
店主がウソをついたのか、たまたまわたし達の運が悪かったのか、はたまた、これがアメリカでいう静かなクーラーなのか……。
冷やそうと頑張ってくれているのはわかるけど、だからといって、モーターの振動がそのまま内部の金属コイルや板をビリビリ振動させて、それをまた見事なまでに、まるで内部のあちこちに嫌がらせの隠しスピーカーでもつけてあるのかと疑いたくなるほどに、ブーンブーンという騒音を出されてはたまったもんじゃない。
身体の皮膚だけ冷やしてもらったところで、一秒ごとにムカムカが増すのだから、まるで涼しいという気がしない。

暗がりの中、クーラーに近づいて行き、プラスティックのあちこちをギュウッと押さえてみる。まったくなんの変化無し。
そのプラスティックのカバーを外し、中の細かいすのこ状の金属カバーをギュウッと圧してみる。たまに少しブーンがウーンになる場所がある。
ウーンぐらいなら眠れそうな気もするが、手を離したらすぐにブーンに戻る。このブーンの鳴り響く中眠れるのは旦那だけだ。
わたしは眠りたいのだから、エアコンの前に立ったまま、ずっと押さえているわけにもいかない。
圧すのをやめるとブーンに戻ったり、もっと強烈なブォーンになったりする。カーッとしてエアコンの横っ面をバチンとぶん殴る。なにやってんだぁ~わたし!
旦那から渡されたリモコンを握りしめ、もう止めよう、もう限界だと思いながら、それでもスイッチを消せないまま目を閉じる。
お願いだから、もう少し静かにしてよ。お願いだから。

ああ~まったく、今年のこの暑さはなんなんだろう。ひと夏に90℉台になるのはほんの数日、だから熱帯夜もその程度というのがこの地域の夏のはずなのに。
あと丸々2ヶ月、もしこんなのがちょくちょくやって来ては長居するのなら、同じ会社の同じ製品が、アメリカ製だと3倍も高くなるとわかっていても(ちなみに、こないだ旦那が買ってきたのは中国製なのだった)、もしかしたら返品交換してもらって、3倍も支払うだけの静けさを得られるのかどうか、試してみる必要があるのかもしれない。
でもなあ……なんてったってアメリカ製だもんなあ……。
鋼鉄製の、男ふたりでも大変な重さの製品を、店に返品しに行って、交換してもらった同じように重いのを家にえっさほいさと持ち帰り、箱からよいしょ~っと取り出して、汗をたらたら流しもって限りなくいい加減で不親切でだけど分厚い取り付け説明書(英語とフランス語とスペイン語で書かれている)に腹を立てながら再び窓に取り付ける……夏が終わっちまうよ。

一階の、前の家主さんからのお下がりエアコンまで、今年はブォ~ンブォ~ンとうるさくなった。
去年は確か、これをつけながらレッスンもできたはずなのに……今年は練習さえもやり辛いほどにうるさくなった。
こんな暑い中で働きたくねぇ~んだよ!
エアコンよ、君はそう言いたいのか?そうなのか?

アメリカに来て、真剣に蹴飛ばしたのが掃除機、そして叩いたのがエアコン。
製品に罪は無いのはわかっているけれど、それを作った人達も悪く無いのだけれど、どうしてこんなにもうるさい物が世の中に製品として売り出されるのか。安物だからか?そんなコストでは到底静かになんかできないのか?でも、日本にはあるよ。それぐらいのコストで手に入るよ。
いくら機械といえど、わたしだって蹴飛ばしたり叩いたりしたくなんかない。ほんとだよ、エアコン。
コメント (4)
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