ちょっと心配はしてたけど、最近のお日様の光線は半端じゃなく、とてもじゃないけれど並のモノでは歯がたたんじゃろと思ったので、新しい、しかもUVの数字がとても高いクリームを買った。
顔用と身体用をそれぞれ一本。とりあえず名の通った会社の製品を選んだ。
昨日の道中から、それをせっせせっせと塗り、汗で流れたからとまた上から塗り、海に着いてからもまた重ねて塗り、とりあえず日が落ちるまで塗っていた。
寝る前にシャワーに入り、鏡を見ると、頬骨と鼻の頭、それから眉間の部分がかなり赤くなっていた。
旦那みたいな骨格ならともかく、別に特に高いっていう部分でも無いのに……と首を傾げながら眺めていた。
よくよく見ると、その赤くなった部分に、いきなり深い線(これをヒトはシワと言ふ)がランダムに刻み込まれていた。
なんでじゃ?
そういえば、浜辺で昼寝をしていた、まだ仕置き人に仕置きをされていなかった時の旦那が、ひょいと起き上がったわたしの顔を見て、ギャハハ!と爆発的に笑うので、「なによ!」とムッとすると、「まうみの顔、ほれ、えっと、『マルサの女』とか『お葬式』とかの映画作った人、ええとええと」「伊丹十三?」「そうそう、彼の顔にそっくり!ギャハハ!」とおぬかしになった。
きっとその時からもう、伊丹十三風の深いシワが、炎症を起こして赤くなっていた所にいっぱいついていたに違いない。
けど、それにしても伊丹十三って……。
気をとり直し、とりあえず水分をたっぷり補給しようと、いつもよりたくさんローションを叩きつけてから寝た。
今朝起きてみると、シワの深みは少しマシになっていたけれど、皮膚は悲惨なことになっていた。
昨日より更に赤く腫れあがり、まるで軽度のやけどを負った皮膚のように、毛穴が各自、プハーッと熱を吐き出しているではないか!
どっひぇ~!!
とりあえずお水でピタピタと冷やし、タオルを軽く押さえるようにして水気を取り、そこに馬油をそぉ~っとまんべんに擦り込んだ。
今日はしばらく馬油とお水でいっとこう。
海がなによりも好きで、泳ぐのが好きで、電話機が黒一色だった頃なんかは「おい、そこの電話!」とか呼ばれてて、「おまえは目をつぶったらどっちが前か後ろかわからんな~」などと真顔で言われてて、それはそれで嬉しかったりして、潮干狩りから始まってクラゲにチクチク刺されるまで、海に通い続けてた子供時代。
小娘になってもやっぱり海が好きで、内緒で婚前旅行!なんてエッチなことを企んで行ったのに、行った先の海で、日焼け止めと日焼けクリームを間違えて塗ったままボートに寝っころがって半日過ごしたら、その晩から二日間、40度近い高熱が出てウンウン唸り続け、旅行最後の朝に、やっと熱が下がってフラフラと洗面所に行ったら、顔一面が見事な水ぶくれになってて、それを恐る恐る額の方からめくっていくと、あらあら不思議、パックした時みたいにぺろりと一皮剥けた……なんてこともあった。
それからずっと時が経ち、実際に半世紀以上も生きてきて、それなりに大人になっているはずなのに、いやあ、浅はかだったことったら!
UVの数字さえ高けりゃいいのではなく、それが自分の肌に合うのかどうか、そういうことを考えるべきだった。
反省っ!!
もうあんな無茶なんかできない。当たり前だけど、それがとっても哀しい。
これからの半生、海に行ってもできるだけ日陰で、いつも使い慣れているクリームをいつもより多めに塗って、あんまり長く時間を過ごさないようにしよう。
海だってきっと、「無茶すんなよ」って言ってくれるに違いない。ずっとずっと仲良しだもんね。
顔用と身体用をそれぞれ一本。とりあえず名の通った会社の製品を選んだ。
昨日の道中から、それをせっせせっせと塗り、汗で流れたからとまた上から塗り、海に着いてからもまた重ねて塗り、とりあえず日が落ちるまで塗っていた。
寝る前にシャワーに入り、鏡を見ると、頬骨と鼻の頭、それから眉間の部分がかなり赤くなっていた。
旦那みたいな骨格ならともかく、別に特に高いっていう部分でも無いのに……と首を傾げながら眺めていた。
よくよく見ると、その赤くなった部分に、いきなり深い線(これをヒトはシワと言ふ)がランダムに刻み込まれていた。
なんでじゃ?
そういえば、浜辺で昼寝をしていた、まだ仕置き人に仕置きをされていなかった時の旦那が、ひょいと起き上がったわたしの顔を見て、ギャハハ!と爆発的に笑うので、「なによ!」とムッとすると、「まうみの顔、ほれ、えっと、『マルサの女』とか『お葬式』とかの映画作った人、ええとええと」「伊丹十三?」「そうそう、彼の顔にそっくり!ギャハハ!」とおぬかしになった。
きっとその時からもう、伊丹十三風の深いシワが、炎症を起こして赤くなっていた所にいっぱいついていたに違いない。
けど、それにしても伊丹十三って……。
気をとり直し、とりあえず水分をたっぷり補給しようと、いつもよりたくさんローションを叩きつけてから寝た。
今朝起きてみると、シワの深みは少しマシになっていたけれど、皮膚は悲惨なことになっていた。
昨日より更に赤く腫れあがり、まるで軽度のやけどを負った皮膚のように、毛穴が各自、プハーッと熱を吐き出しているではないか!
どっひぇ~!!
とりあえずお水でピタピタと冷やし、タオルを軽く押さえるようにして水気を取り、そこに馬油をそぉ~っとまんべんに擦り込んだ。
今日はしばらく馬油とお水でいっとこう。
海がなによりも好きで、泳ぐのが好きで、電話機が黒一色だった頃なんかは「おい、そこの電話!」とか呼ばれてて、「おまえは目をつぶったらどっちが前か後ろかわからんな~」などと真顔で言われてて、それはそれで嬉しかったりして、潮干狩りから始まってクラゲにチクチク刺されるまで、海に通い続けてた子供時代。
小娘になってもやっぱり海が好きで、内緒で婚前旅行!なんてエッチなことを企んで行ったのに、行った先の海で、日焼け止めと日焼けクリームを間違えて塗ったままボートに寝っころがって半日過ごしたら、その晩から二日間、40度近い高熱が出てウンウン唸り続け、旅行最後の朝に、やっと熱が下がってフラフラと洗面所に行ったら、顔一面が見事な水ぶくれになってて、それを恐る恐る額の方からめくっていくと、あらあら不思議、パックした時みたいにぺろりと一皮剥けた……なんてこともあった。
それからずっと時が経ち、実際に半世紀以上も生きてきて、それなりに大人になっているはずなのに、いやあ、浅はかだったことったら!
UVの数字さえ高けりゃいいのではなく、それが自分の肌に合うのかどうか、そういうことを考えるべきだった。
反省っ!!
もうあんな無茶なんかできない。当たり前だけど、それがとっても哀しい。
これからの半生、海に行ってもできるだけ日陰で、いつも使い慣れているクリームをいつもより多めに塗って、あんまり長く時間を過ごさないようにしよう。
海だってきっと、「無茶すんなよ」って言ってくれるに違いない。ずっとずっと仲良しだもんね。