ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

雨降りの合間に

2010年07月13日 | ひとりごと
うちの後ろ側の庭は、大げさな例えではなく、正真正銘のジャングルです。
そこにじゃあじゃあと雨が降ると、ほんとにジャングルの真ん中に家を建てて暮らしているような気がしたりします。
まさに『大草原の小さな家』のジャングル版。『野生の動物が、安心して住んでいられる土地が好き』な大草原一家のとうさんと同じく、うちの旦那もやはり、このジャングル風庭がかなり気に入っています。
まあ、わたしも子供の頃、木のツルにしがみついて『ターザン遊び』をしていたぐらいなので、嫌いな方ではありませんが……。

雨がひとしきり降った後、急に日が射してきた庭には、いつもより増して、どこからか、いろんな鳥がやって来ます。
濡れた羽根を繕っている鳥さん。頭のてっぺんが焦げ茶色の渋い色調。


背中に白い点々が可愛い、これも名無しの鳥さん。


と……あそこの奥に見えるボニョボニョとした陰はなんじゃ?慌ててズームズーム!あぁ~っ!メタボオヤジ出現!


ひょえ~!!わたしの愛するハーブをムシャムシャ、美味しそ~に食べているじゃあ~りませんか!
「おらぁ~!あんたに食べてもらお思て育ててるんちゃうわいっ!
わたしとオヤジの距離はすごく離れているのだけど、きっとわたしのメラメラと燃える怒りがレンズからレーザー光線のごとく彼に届いたのでしょう。
あ、やべっ!見っかった!殺気を感じたのでしょうか、オヤジ、こっちを直視しております。


確かめに行くと、パセリの葉っぱだけが全部跡形も無く消えていました。お~の~れ~、グランドホーグ!いくら庭の主だといえど、無断で食うなぁ~!
まあでも、「あんたの育ててるパセリ、めちゃうまそうやん。ちょっと食べさしてぇ~な」などと言われても、「ハイハイどうぞ」とは言いませんけどね。
コメント (18)
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世界には、知らないことが多過ぎる

2010年07月13日 | 世界とわたし
今日の昼過ぎから降り始めた雨は、強くなったり弱くなったり、けれどもずっと降り続いています。
湿気が高く、とてもじめじめとしていて、そんな中、エアコンが壊れた中、ピラテスのクラスを受けてきました。
いつもの3倍は汗をかいて、なんとなく得した気分です。

最近、ネット新聞で、こんな記事を見つけました。
キューバにおける、医療教育の取り組みと実績のリポートです。
アメリカに暮らしていると、キューバはなんとなく印象が良く無い国に思えてしまって、オバマ政権になってからは、それも徐々に改善されてきているようですが、細かい部分までは伝えられていないのでとてもグレーな世界のままなのです。
だから、余計にこの記事がわたしの心に引っかかりました。そして読み進めるうちに、なんとわたしには知らないことが多いことよ……と唖然としたり感心したり、いろんな感情が押し寄せてきました。

ここに遊びに来てくださるみなさんの中には、そんなこととっくに知ってるよ、と思われる方もいらっしゃると思いますが……。
素晴らしい取り組みが、キューバという国で為されていることをどうしてもお伝えしたかったので。



『キューバの小中学校の朝礼では、生徒に声を合わせて「セレーモス・チェ!」と言わせるのだそうだ。
その意味は「チェ・ゲバラのように社会に貢献し、勇敢で偉大な人になる!」ということだが、医者であったゲバラは貧しい人々に医療を施すことによって社会を根底から明るくした。
その意志はその後、カストロ氏によって引き継がれ、キューバの精神にまでなった。

折からの激しい豪雨となった29日の午後、キューバの高度医療を支えるもう一人の『ESCUELA LATINOAMERICANADE MEDICINA』(ラテンアメリカ医科大学)の学長・フアン・カリーソ・エステベス氏にも話しを伺うことが出来た。

同医科大学は1998年、「ラテンアメリカ5カ国の生活/医療の向上」を狙うカストロ議長の提案により開校し、現在では周辺諸国から多くの学生を集めながら、キューバが世界101カ国、30万人にも及ぶ国外医療派遣を行なうための基盤ともなる学校にまで成長を遂げ、世界から注目される医療の専門大学となっている。


★以下は、その医科大学のユアン学長に聞いた驚くべき学校の医療教育への取り組みと実績である。

◎現在のところ、生徒の実数は約10000人。現キャンパスには3300人の学生達がいる。課程は6年制で、3年になると他の大学や病院に行っての教育実習制度になっている。

◎1998年の開校後12年が経った現在、卒業生の数は7300人(内、アメリカ人は33人)。ほとんどが貧しい家庭の出身で卒業すると皆、カリブ海の小さな島や母国の無医村や僻地に赴任する。

◎大地震で問題となったハイチには、学校からは一番乗りで医師を送り込み、今もなお150人の医師が派遣されている。「医者は困っている人を助けるのが仕事なのだ」と言う事を常に生徒には叩き込んでいる。

◎教育内容には全部で57もの専門学科があるが、メインはやはり医療全般をカバーする「ゼネラル」学科。3年生になる以前でも、夏休み(7月24日~8月31日)になると、全員が各国の僻地/無医村地域を訪問し医療ボランティアを行なっている。

◎6年間の学費は、食事、衣服、履物、宿舎のシーツに至るまで総てを国が負担。入学者は各国からの推薦の形で来校し、最初は6ヶ月間のトレーニング。その後に入学試験を行い約8割が合格。落ちたら帰国。6年間の課程を無事修了して卒業に至る生徒は全体のおよそ75~77%。卒業出来ない者は留年して次に賭ける。

◎教師は17000人のキューバ人だが、カストロ氏のコンセプトは「キューバだけではなく、学校の運営は周辺諸国と共に協調してやっていく」ことが目標。

◎医療のニーズは総てのカテゴリー(科目)だが、肝心なことは「医療のシステム化」と「予防医療」が特に大切と考え、これに取り組んでいる。


★キューバの街中にはほとんど救急車の姿が見えない。その理由を聞いてみたところ……、

◎キューバ国内の医師は総体で64000人。国民の156人に一人の医師の割合で「家庭医の制度」を作って「予防医療」に当たっているので、ほとんど救急車の必要性が起らない。(歯医者さんは900人に一人の割合)

◎NGO活動は、これまで30万人(医者と看護師)の医師団が101カ国に国外支援に出向き、今現在は26000人が70カ国に分散して支援活動(2年交代)を行っている。また、タンザニアやイエメンなど4カ国の大学では、キューバの医師の派遣によって医学部を作っている。

◎キューバの医療に向ける国家予算は何と全予算の30~35%(関連予算)で、内16%が実質的医療予算である。政策の中心が医療であり、医療が政策の基盤となっている。


★以上のように、医療が国策と外交手腕の中心となっているキューバの徹底した医科大学の運営ぶりに、ただただ驚くばかりだった』


という記事でした。
もちろん、その国の在り方、主義などの違いによって、実現の可能、不可能があるとは思いますが、この世にこういう医科大が存在するということ自体が、わたしには驚きなのでした。
特に、このアメリカに暮らしていると……うらやまし過ぎます……
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