恩田陸さんの新刊「チョコレートコスモス」を読みました。
伝説的な演出家が、新ホールの柿落としに女性の二人芝居をすることになり、女優のオーディションを行います。第一次オーディションは登場人物が三人いるのにそれを二人で演じるというもの。第二次オーディションは「欲望という名の電車」のブランチのひとり芝居に対して、彼女の影を演じるというもの。第一次オーディションでは大御所の女優、売り出し中のアイドル、キャリアを積んできつつある若い女優、演技を始めて半年という大学1年生が選ばれます。
物語はこの大学1年の女性を中心に語られます。彼女は街角で目をつけた人になりきる訓練をしているところを、この芝居の脚本家に目撃され、彼女が属する大学の劇団講演での彼女の異様な演技でも脚本家の度胆を抜きます。そしてプロの俳優たちを相手にオーディション、という話なのですが、彼女がオーディションでする奇抜な演技に感心する反面、彼女のライバルたちの演技が色あせてみえてしまうのですね。著者はライバルたちの演技も見事だと書くのですが、読んでる方にすれば、当たり前の演技をしているだけに思えて、とても見事だとは思えません。
また、ラストで「自分がない」ということで、この大学生は伝説的な演出家に批評されるのですが、ここも今ひとつ説得力に欠けるような気がしました。
私としては恩田陸さんの前作「夜のピクニック」の方が良かったように思いましたが、皆さんはどうでしょうか?
伝説的な演出家が、新ホールの柿落としに女性の二人芝居をすることになり、女優のオーディションを行います。第一次オーディションは登場人物が三人いるのにそれを二人で演じるというもの。第二次オーディションは「欲望という名の電車」のブランチのひとり芝居に対して、彼女の影を演じるというもの。第一次オーディションでは大御所の女優、売り出し中のアイドル、キャリアを積んできつつある若い女優、演技を始めて半年という大学1年生が選ばれます。
物語はこの大学1年の女性を中心に語られます。彼女は街角で目をつけた人になりきる訓練をしているところを、この芝居の脚本家に目撃され、彼女が属する大学の劇団講演での彼女の異様な演技でも脚本家の度胆を抜きます。そしてプロの俳優たちを相手にオーディション、という話なのですが、彼女がオーディションでする奇抜な演技に感心する反面、彼女のライバルたちの演技が色あせてみえてしまうのですね。著者はライバルたちの演技も見事だと書くのですが、読んでる方にすれば、当たり前の演技をしているだけに思えて、とても見事だとは思えません。
また、ラストで「自分がない」ということで、この大学生は伝説的な演出家に批評されるのですが、ここも今ひとつ説得力に欠けるような気がしました。
私としては恩田陸さんの前作「夜のピクニック」の方が良かったように思いましたが、皆さんはどうでしょうか?