金城一紀さんがオリジナル脚本を書いた'05年の映画で、その後ご本人がノベライズした小説も出されました。私は小説の方を先に読んだので、どうしてもそれとの比較で見てしまいがちでしたが、突出した面白さは感じませんでした。
娘を暴行され病院送りにされた父親が、その仇をとるために、暴行した高校ボクシングチャンピオンに素手で戦いを挑むため、不良高校のグループの助けを借り、肉体改造を在日韓国人の高校生・朴舜臣(パクスンシン)のトレーニングによって成し遂げ、多くの者が見つめる中で、敵討ちを成し遂げる、というあらすじなのですが(小説の方の詳しいあらすじは、「Favorite Novels」の「金城一紀」のところに掲載してあります。)一番重要な役であるスンシンを演じた岡田准一君はいい雰囲気をだしていると思いました。ただ、いただけなかったのは、南方をリーダーとした不良グループのコミカルな乗りで、冒頭の仇を討たれる側の人間の描き方も変に低い小さな声でしゃべらせたりしてリアリティがなく、残念でした。
ラストシーンが両手を広げて青空の中に父親が飛んで行くように走る後ろ姿であったように、青春映画の線を狙っていたのでしょうが、あくまでもシニカルでクールでないとならないスンシンが、家で犬に餌をやってみたり、敵討ちが終わった後、父親と抱き合ってグルグル回ったり、父親を高く差し上げたり、とせっかくトレーニングの場で確立したキャラをメチャメチャにしているのには、がっかりでした。
このストーリーは脚本の完成度が高いため、脚本になるべく忠実に作れば、かなり面白い作品になると思います。その点、残念ですが、私はこの「フライ、ダディ、フライ」には満足できませんでした。近い内にリメイク作品が作られることを願っています。
娘を暴行され病院送りにされた父親が、その仇をとるために、暴行した高校ボクシングチャンピオンに素手で戦いを挑むため、不良高校のグループの助けを借り、肉体改造を在日韓国人の高校生・朴舜臣(パクスンシン)のトレーニングによって成し遂げ、多くの者が見つめる中で、敵討ちを成し遂げる、というあらすじなのですが(小説の方の詳しいあらすじは、「Favorite Novels」の「金城一紀」のところに掲載してあります。)一番重要な役であるスンシンを演じた岡田准一君はいい雰囲気をだしていると思いました。ただ、いただけなかったのは、南方をリーダーとした不良グループのコミカルな乗りで、冒頭の仇を討たれる側の人間の描き方も変に低い小さな声でしゃべらせたりしてリアリティがなく、残念でした。
ラストシーンが両手を広げて青空の中に父親が飛んで行くように走る後ろ姿であったように、青春映画の線を狙っていたのでしょうが、あくまでもシニカルでクールでないとならないスンシンが、家で犬に餌をやってみたり、敵討ちが終わった後、父親と抱き合ってグルグル回ったり、父親を高く差し上げたり、とせっかくトレーニングの場で確立したキャラをメチャメチャにしているのには、がっかりでした。
このストーリーは脚本の完成度が高いため、脚本になるべく忠実に作れば、かなり面白い作品になると思います。その点、残念ですが、私はこの「フライ、ダディ、フライ」には満足できませんでした。近い内にリメイク作品が作られることを願っています。