月刊誌「クレア」の'88年12月号から'91年11月号まで掲載された、山田詠美さんと中沢新一氏の対談集です。中沢氏と言うと、我々の世代には、ポスト・モダンを浅田彰氏らと背負った文化人類学者といったイメージが強いのですが、この対談を読んだあとでも明確なイメージが涌きませんでした。
ただ、この対談でも一発目に話題にしていますが、オウム真理教がまだ犯罪集団と分かる前の段階で彼らのことを擁護していた数少ない文化人ということで、オウムの犯罪が発覚した後は、立場がなくなったという話をどこかで聞いた記憶があります。
対談の内容は時事ネタが多く、「ユーミンは、卑弥呼である」という対談でユーミンの怒りを買ったとか、「村上龍は、『おやじギャル』のペット」ほかいくつかの対談で、村上龍をこきおろして、後で仲直りしたとか、これも一時話題になった「幸福の科学」を取り上げたり、もちろん芸能ネタもあって「松田聖子は『嫌われもん』か」といった対談があったり、文学ネタでは「荻野アンナと『トンチママ』」なんてのもあったり、それ以外でも、ただ面白いだけでなく、勉強になることも結構ありました。
そして私にとって最大の収穫は下村湖人の「次郎物語」を再読しようと思わせてくれたことです。この本を読むと「平常心と慈悲の心」の大切さが分かり、生きて行く上で非常に役に立つと詠美さんはおっしゃっていました。彼女はこのころレトロな小説に凝っていて、有島武郎とか、倉田百三とか、半年前に部屋を整理するため、私が捨ててしまった本の名前が続々と出て来て、捨てないで押し入れの隅でもいいから置いておけば良かった、と今頃になって思っている次第です。
「ファンダメンタルなふたり」、10年以上前の本ですが、面白いですよ。オススメです。
ただ、この対談でも一発目に話題にしていますが、オウム真理教がまだ犯罪集団と分かる前の段階で彼らのことを擁護していた数少ない文化人ということで、オウムの犯罪が発覚した後は、立場がなくなったという話をどこかで聞いた記憶があります。
対談の内容は時事ネタが多く、「ユーミンは、卑弥呼である」という対談でユーミンの怒りを買ったとか、「村上龍は、『おやじギャル』のペット」ほかいくつかの対談で、村上龍をこきおろして、後で仲直りしたとか、これも一時話題になった「幸福の科学」を取り上げたり、もちろん芸能ネタもあって「松田聖子は『嫌われもん』か」といった対談があったり、文学ネタでは「荻野アンナと『トンチママ』」なんてのもあったり、それ以外でも、ただ面白いだけでなく、勉強になることも結構ありました。
そして私にとって最大の収穫は下村湖人の「次郎物語」を再読しようと思わせてくれたことです。この本を読むと「平常心と慈悲の心」の大切さが分かり、生きて行く上で非常に役に立つと詠美さんはおっしゃっていました。彼女はこのころレトロな小説に凝っていて、有島武郎とか、倉田百三とか、半年前に部屋を整理するため、私が捨ててしまった本の名前が続々と出て来て、捨てないで押し入れの隅でもいいから置いておけば良かった、と今頃になって思っている次第です。
「ファンダメンタルなふたり」、10年以上前の本ですが、面白いですよ。オススメです。