今日の山田詠美作品は'00年作品「A2Z」と書いて、「A to Z」と読みます。冒頭の文「たった二十六文字で、関係のすべてを描ける言語がある。」というのはアルファベットのことです。ということで、この小説はアルファベットに因んだ遊びを二つしています。一つは章がa章からz章までの26章からなっていること。もう一つは、それぞれの章に、その章の題名で始める単語を一つゴシック体で混ぜていること。例えば、a章だったら、「目の前で交通事故accidentを目撃してしまった」というような文が必ず混じっているということです。
それから、この小説には黒人を含む外国人は一切出てきません。登場人物はすべて日本人です。これは山田詠美さんの作品では初めてのことです。
内容は編集者の夫婦がそれぞれに愛人を持ち、新人作家の世渡りのうまい青年の奪い合いをしますが、最後はハッピーエンドといった感じの話です。夫があまり感じのいい男に描かれていないような気がしましたが、夫婦の間での男女関係の確執と新人作家の奪い合いを考えれば、妻を主人公とするこの小説では、仕方が無かったのかもしれません。というのも、詠美さんの小説にはあまり感じの悪い人物というのは登場しなかったような気がしましたので。私の読み違いかもしれません。
出版業界の内状が分かって、面白く読めました。文章も簡潔で読みやすく、たまに独白が長くなる詠美さんの悪い癖も出て無いように思いました。まだ読んでいない方、オススメです。
それから、この小説には黒人を含む外国人は一切出てきません。登場人物はすべて日本人です。これは山田詠美さんの作品では初めてのことです。
内容は編集者の夫婦がそれぞれに愛人を持ち、新人作家の世渡りのうまい青年の奪い合いをしますが、最後はハッピーエンドといった感じの話です。夫があまり感じのいい男に描かれていないような気がしましたが、夫婦の間での男女関係の確執と新人作家の奪い合いを考えれば、妻を主人公とするこの小説では、仕方が無かったのかもしれません。というのも、詠美さんの小説にはあまり感じの悪い人物というのは登場しなかったような気がしましたので。私の読み違いかもしれません。
出版業界の内状が分かって、面白く読めました。文章も簡潔で読みやすく、たまに独白が長くなる詠美さんの悪い癖も出て無いように思いました。まだ読んでいない方、オススメです。