今日の山田詠美作品は'01年の作品「姫君」です。「MUNU」「検温」「フィエスタ」「姫君」「シャンプー」の5編の短編と著者本人によるあとがき、文庫版あとがき、そして若くして芥川賞を受賞して話題になった金原ひとみさんが解説を書いています。
私が特に面白かったのは「MENU」と「シャンプー」でした。
「MENU」は、「母が首を吊ったのを見つけた時、ぼくが、まだ五歳だったのは幸せなことだ。」というショッキングな一文から始まり、この先どうなるのだろう、と思うのですが、その後彼は両親と兄と妹という家族構成の矢野家に引き取られ、幸せな日々を過ごして行きます。聖一兄はいち早く大人の世界へ行ってしまい、残された僕と妹の聖子の親愛なる日々が続いて行きます。僕の大学の友だちだった麻子は聖一兄と結ばれますが、これはできちゃった結婚で、麻子を力づくで自分のものにしたことのある私は良心の呵責に少し苛まれますが、聖子との楽しい日々は続くのでした。
「シャンプー」は、離婚した父とともに暮らす娘の暮らしを描いたもので、ひょうひょうとした父のキャラクターが楽しめました。
詠美さんはあとがきで、生と死にこだわって、これからも書いて行きたいと述べていますが、そうしたテーマを抜きにして楽しめる作品になっていると思います。
まだ読んでいない方、オススメです。
私が特に面白かったのは「MENU」と「シャンプー」でした。
「MENU」は、「母が首を吊ったのを見つけた時、ぼくが、まだ五歳だったのは幸せなことだ。」というショッキングな一文から始まり、この先どうなるのだろう、と思うのですが、その後彼は両親と兄と妹という家族構成の矢野家に引き取られ、幸せな日々を過ごして行きます。聖一兄はいち早く大人の世界へ行ってしまい、残された僕と妹の聖子の親愛なる日々が続いて行きます。僕の大学の友だちだった麻子は聖一兄と結ばれますが、これはできちゃった結婚で、麻子を力づくで自分のものにしたことのある私は良心の呵責に少し苛まれますが、聖子との楽しい日々は続くのでした。
「シャンプー」は、離婚した父とともに暮らす娘の暮らしを描いたもので、ひょうひょうとした父のキャラクターが楽しめました。
詠美さんはあとがきで、生と死にこだわって、これからも書いて行きたいと述べていますが、そうしたテーマを抜きにして楽しめる作品になっていると思います。
まだ読んでいない方、オススメです。