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高橋洋監督『ソドムの市』

2009-12-02 16:30:00 | ノンジャンル
 高橋洋監督・脚本の'04年作品「ソドムの市」をDVDで見ました。
 「18世紀 俎渡海(そどむ)市兵衛の居城」の字幕。城主の結婚式が行われますが、花嫁は口から血を吐き死んでしまいます。花嫁の二人の腰元(うち1人が小嶺麗奈)が疑われ、井戸の底に首まで雪で埋められ、死の寸前に呪いをかけて死にますが、その直後二人は無実だったことが分かります。そして城主は突然目が見えなくなり、地中から出てきた剣を持って家臣らを皆殺しにします。「300年後」「俎渡海市郎10才」の字幕。市郎は缶蹴りをしていて過って友人を殺してしまい、その葬式で母までもまた缶で殺してしまい、殺した友人の妹(小嶺麗奈)に睨まれます。既に4人も人を殺してしまい、将来結婚できなくなるのではと心配する市郎に、市郎の妹は自分が結婚してあげると言います。「20年後」の字幕。市郎の結婚式。妹は兄以外の客の飲み物に毒を混ぜ、客を全員殺そうとしますが、謎の男が現れ市郎に剣を渡すと市郎は突然目が見えなくなり、妹も含めて周囲の人々を切り殺しまくります。市郎は棺桶をひきずって荒野を歩き、飢えている人を見つけてはカツ丼をおごり仲間にしていきながら、人を殺しまくります。極悪人ソドムの市の誕生を告げる字幕。自分の患者を実験材料にして狂気の研究を行い刑務所に入っていた神経外科医の松村を市らは拉致すると、松村が夢中でドイツ語を紙に書きつけ始めたので、市はドイツ語教授の渋谷をも拉致し、翻訳させます。そこに書かれていたのは途轍もない犯罪計画で、市らはそれに従って新幹線を脱線させ、自分たちで印刷した偽札を大量に出回らせて大恐慌を起こすと、人々は殺し合いを始めます。刑事のテレーズ(小嶺麗奈)は市らのアジトに乗り込み、彼らに逃げられますが、ニードルガンの設計図を手に入れます。それは神経に針を打ち込んで、その人を意のままに操るためのものでした。テレーズは罠にはまって市らのアジトに捕らえられますが脱出し、警察で市から3月10日にとんでもないことが起こるという警告を受けます。東京大空襲のあったその日、市らは復活させたB29を飛ばし、そのスピーカーから神経針を受けた人々に破壊命令を下します。大勢の人々がテレーズらに襲いかかりますが、彼女らはそうした人々を皆殺しにし、市のアジトに向かいます。市の妹を見たテレーズが思わず歌を歌いはじめると、市の妹も生き返って歌いだし、市の目が見えるようになります。その瞬間にテレーズが銃を乱射すると、それまで銃では死ななかった市は倒れますが、また地中から剣が無数に生えてきて、市らは生き返り、テレーズの応援に現れた大勢の人々と壮絶な斬り合いが始まります。それを上から市の花嫁が父とともに見守り「合掌」の字幕が現れ、映画は終わります。
 冒頭の雪のシーンは清順かなと思いましたが、テレビシリーズ「悪魔くん」の効果音が使われたと思うと、マカロニ・ウエスタンを経て後はひたすら「ドクトル・マブゼ」でした。スクリーン・プロセスの多用、糸でつるした模型など、60年代のテレビ番組と戦前のSFがうまく融合した感じでした。正義の味方のはずの女刑事も人を殺しまくるところは爆笑ものでした。ラングの「ドクトル・マブゼ」が好きな方は必見です。