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岡野宏文×豊崎由美『読まずに小説書けますか 作家になるための必読ガイド』

2011-06-14 02:51:00 | ノンジャンル
 岡野宏文×豊崎由美の'10年作品『読まずに小説書けますか 作家になるための必読ガイド』を読みました。
 「良く読むものが良く書く」というのが文芸の基本である、なぜならテクニックは出尽くしているし、素晴らしい小説は既に山のようにあると考える著者が、例えばハリポタみたいなファンタジーやそれ以上に面白い小説を書きたいと思っている人がいるとしたら、ハリポタの作者以上に小説全般を読んでるぐらいじゃなきゃお話にならない、したがって、そういう人に役に立つブックガイドを作りたい、そして良質のものを厳選して精読できるための情報を提供できるといいと思って企画された対談本がこの本です。紹介されている本のなかで実際に読んでみたいと思ったのは、マーヴィン・ピークの『ゴーメンガースト』三部作、ハラルト・シュチュンプケ『鼻行類』やレオ・レオーニ『平行植物』、大塚英志『物語の体操』、リンダ・シガー『ハリウッド・リライティング・バイブル』、村上春樹『若い読者のための短編小説案内』、小島信夫『馬』、宮沢章夫『時間のかかる読書』、森見登美彦『新釈 走れメロス 他四篇』、佐藤哲也『沢蟹まけると意思の力』、中島らも『ぷるぷる・ぴぃぷる』、ウォルター・デ・ラ・メアの短編『謎』、ジョナサン・キャロル『我らが影の声』、泉鏡花『海異記」と『化鳥』、シャーロット・パーキンズ・ギルマン『黄色い壁紙』、ちくま文庫の小川未明の巻、川崎ゆきお『猟奇王』、エリック・マコーマック『パラダイス・モーテル』と『隠し部屋を査察して』、チャールズ・ラム『夢の子供達』、コニー・ウィリス『航路』、京極夏彦『魍魎の匣』、ガルシア=マルケス『百年の孤独』などなどでした。
 テーマ別(ファンタジー、巧みなプロット、コミック・ノベル、うまい比喩、語り上手、心のダークサイド、キャラクター小説、泣かせる小説、恐怖小説、恋愛小説、ピカレスクロマン、本歌取り、サプライズ・エンディング)に対談がなされ、巻末に一日一冊以上を読むという小説家・桜庭一樹さんも含めての対談と、公募文学新人賞一覧が掲載されています。本を読みたいけど、何から手をつけていいか分からないといった方にもオススメの本です。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto