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ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』その1

2011-09-19 06:37:00 | ノンジャンル
 中田秀夫監督の'08年作品『L change the WorLd』をWOWOWで見ました。そこに名前を書かれると23日後に死ぬという「デスノート」とウィルス兵器をめぐる、松山ケンイチ主演の映画でしたが、物語の陳腐さはまだいいとしても、画面の構成力のなさは見ていて恥ずかしくなるほどでした。

 さて、朝日新聞の特集記事『読んで感じる 時代の声』で紹介されていた、ティナ・シーリグの'09年作品『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』を読みました。スタンフォード大学の工学部に属するSTVP(スタンフォード・テクノロジー・ベンチャーズ・プログラム)の責任者を10年にわたって務めている著者が、大学で自らが実施した演習とその結果、また著者がよく知っているベンチャーにおいての成功者について語った本です。
 著者はスタンフォード大学で起業家精神とイノベーションを教える講座を担当し、学生が過激なブレイン・ストーミング(今までの思考の枠を取り除く訓練)を行い、短期間でプロトタイブを作るよう、指導してきました。
 例えば、クラスを14チームに分け、各チームには元手として5ドルの入った封筒を渡し、水曜日の午後から日曜日の夕方までの間のうちの2時間を使って、この5ドルをできるだけ増やし、その結果を月曜日の午後、3分で発表するという課題を出します。この課題で大金を稼いだチームは、元手の5ドルはあってないようなものと考えて一切手をつけませんでした。あるチームは、土曜日の夜になると長蛇の列ができる人気のレストランに2人1組になって予約を入れ、予約の時間が近づくと、長時間待ちたくない人にこの席を売るというアイディアを出し、1組につき最高20ドルを稼ぎ、また別のチームは、遠くない場所に自分で簡単に空気を入れられるガソリンスタンドがあるにもかかわらず、自転車のタイヤの空気圧を無料で調べ、必要なら空気を入れ、その代わりに寄付をお願いするというサービスを成功させ、そして一番稼いだチームは、クラスの学生を採用したいと考えている会社に月曜日の3分間のプレゼンテーションの時間を買ってもらい、会社のコマーシャルを製作して上映し、650ドルを稼ぎ出しました。
 そして、次は価値が金銭的報酬では測られないような課題とし、封筒に10個のクリップを入れ、「これから5日間、封筒を開けてから4時間の間に、このクリップを使って、できるだけ多くの『価値』を生み出してください」と指示。著者が一番面白いと思ったチームは、このクリップをポスター・ボードと交換し、「スタンフォードの学生売ります―1人買えば、2人はオマケ」と書かれた紙をそれに貼って、近くのショッピング・センターに置いたところ、最初は重い荷物を持ってほしいという買い物客からのごく普通の依頼だったのが、やがて洋品店からリサイクル品の引き取りを頼まれ、最後には、仕事で行き詰まっている女性からの依頼で、ブレイン・ストーミングに付き合い、そのお礼として使っていないパソコン用のモニターを3台もらったというものでした。(明日へ続きます‥‥)