WOWOWシネマで、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督・脚本の2000年作品『渦』を見ました。
暗い中で水しぶき。
包丁を研ぐ大男。
血まみれの醜い魚が話す。「もうあまり時間がない。それまでに話しておきたいことがある。素晴らしく美しい物語を」。
中絶手術をされるビビ。
魚の声「愛するために憎しみを裏返した」。胎児を箱に入れて燃やす医者。病院から車に乗るビビ。魚「これはありふれた“出発”から始まる物語。1人の若い娘が真実を求めて長い旅に出た」。渋滞にまきこまれる車。渋滞の先頭では、道に落ちた魚をトラックに積み直している。
店に入るビビ。同僚「ビビ、またよ。ごっそり盗まれた」。
監視カメラを見るビビ。女「警備を雇うのね。手配は私が」。
ビビ「クレール、来てくれたの? 中絶屋は防弾チョッキを着ているのね」クレール「相手は子持ちだったんでしょう? 私は今までに3回中絶したわ。罪悪感を持つなんてばかばかしい。ありのままを受け入れるのよ。ビョルン・マグネセンを知ってる?」「いいえ」「私の故国の偉大な作家よ。“人間のあらゆる行動は死への反抗である”って彼は言ってるわ」。
シャワーを浴びるビビ。魚「シャワーを浴びるとビビは肉体を意識する。同時にシャワーは時間や世界の感覚を喪失される」。
ビビの肩をマッサージしてあげるクレール。
眠る二人。
暗い水しぶき。
吐くビビ。クレール「体が妊娠中だと勘違いしてるのよ」。
ビビに歌を歌ってあげるクレール。ビビ「素敵な歌ね」。
魚「やさしくない。あの歌は残酷で恐ろしい」。大男によって魚の頭が胴体と断ち切られる。
ビビの兄「ママと会った?」ビビ「ええ」「ジャカルタの件は?」「順調よ。疑うんなら電話をしてみたら?」。電話をするビビの兄「次の発送は?」「シャンパーニュの妹さんとは2ヶ月話していません」。電話を切る兄。ビビ「税関の問題があったのよ」ビビの兄「税関ごときで損失を出してもらったら困る。20.万ドルの話はなしだ。店をたため。俺の会社は投資会社なんだ」。
ビビ「ジャカルタになるべく早く行きたいので、ソランジュに飛行機の手配をさせて」同僚「雑誌の取材が近々あるらしいわ。“若き実業家の未来”特集を組むとか」。
ガソリンスタンド。「どの位入れればいいんだ?」「身を捨てるのに必要なだけ」「自殺したいってことだな」。
クラブで一人で酒を飲むビビ。
魚「さすらいの天使が深い海の底へ俺を誘う。脳の中のいたずら天使たちは底なしの青いワインの海に沈む。俺は頭を切り開き、時間を取り出そう。俺は溺れたい。だけど今日、海は俺を嫌ってる」。
ビビは夜、車でひき逃げをする。
魚はまた頭を断ち切られる。「殺す者は殺される」。
魚をさばく料理人たち。
そのうちの1人はバスに乗り、帰宅しようとするが、車にはねられる。なんとか立ち上がり自宅に戻るが、椅子にどっかと座り込む。コートには血痕。
ビビ、車を駐車場へ。
ビビ、帰宅する。フェイドアウト。
ソファで帰宅した服装のままで目覚めたビビは、吐く。
駐車場で自分の車を点検し、へこみと傷があるのを確認するビビ。
街頭で死んだ魚を足元に発見し、驚くビビ。
来店したビビ「今日は休むわ。気分が悪いの」「人が待ってるわ」「『ラヴニール』誌のシロワと申します」。
取材。「大女優の娘という重荷を感じたことはありませんか?」「ええ」「スタートから他の人より優位に立っていた訳ですが」「そんなことはありません」「あなたは25歳でスマトラ・チェーンのオーナーですが、経営は順調ですか?」「ええ」「ボストン大学の研究によると、事業は男性の子孫繁栄の本能、つまり男のオナニーだとか」「すべて性別で判断することは間違っていると思います」。
雑誌用の写真撮影。メイク係「母親そっくりのきれいな肌をされてますね」カメラマン「お母さんを表に出して。あなたは透明になった気持ちになって」。
(中略)魚「女神の娘に生まれて、彼女は虚言症になった。彼女は虚像であり、実像との間には深い溝があった」。
駐車場でタイヤに貼り付いた魚を発見するビビは、それを拾うとゴミ箱に捨てる。
手を洗い、シャワーを浴びるビビは浴槽に倒れ込み、裸のままベッドに入る。
夜。車にはねられた男は1点をじっと見つめている。
ビビは電話をし、クレールに来てもらう。クレール「ビビアン、私、今朝お告げがあったの。論文の鍵を見つけたの」。
車に乗っても延々と論文の話をするクレール。ビビ「なんか魚臭いわね」。
洗車をしてもらうビビ。
運転席に乗ろうとして「やっぱり運転できないわ。まだ臭う」「あなたの車の臭いじゃないの? リラックスして」。
サウナ。クレール「忘れるんじゃなくて深刻化しないの。私は3度もやったんだから」。ビビ泣く。
1人になり運転席でも泣くビビ。
1人で帰宅して「一人はイヤ」とヤクを吸うビビ。
クラブで踊るビビ。(明日へ続きます……)
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
暗い中で水しぶき。
包丁を研ぐ大男。
血まみれの醜い魚が話す。「もうあまり時間がない。それまでに話しておきたいことがある。素晴らしく美しい物語を」。
中絶手術をされるビビ。
魚の声「愛するために憎しみを裏返した」。胎児を箱に入れて燃やす医者。病院から車に乗るビビ。魚「これはありふれた“出発”から始まる物語。1人の若い娘が真実を求めて長い旅に出た」。渋滞にまきこまれる車。渋滞の先頭では、道に落ちた魚をトラックに積み直している。
店に入るビビ。同僚「ビビ、またよ。ごっそり盗まれた」。
監視カメラを見るビビ。女「警備を雇うのね。手配は私が」。
ビビ「クレール、来てくれたの? 中絶屋は防弾チョッキを着ているのね」クレール「相手は子持ちだったんでしょう? 私は今までに3回中絶したわ。罪悪感を持つなんてばかばかしい。ありのままを受け入れるのよ。ビョルン・マグネセンを知ってる?」「いいえ」「私の故国の偉大な作家よ。“人間のあらゆる行動は死への反抗である”って彼は言ってるわ」。
シャワーを浴びるビビ。魚「シャワーを浴びるとビビは肉体を意識する。同時にシャワーは時間や世界の感覚を喪失される」。
ビビの肩をマッサージしてあげるクレール。
眠る二人。
暗い水しぶき。
吐くビビ。クレール「体が妊娠中だと勘違いしてるのよ」。
ビビに歌を歌ってあげるクレール。ビビ「素敵な歌ね」。
魚「やさしくない。あの歌は残酷で恐ろしい」。大男によって魚の頭が胴体と断ち切られる。
ビビの兄「ママと会った?」ビビ「ええ」「ジャカルタの件は?」「順調よ。疑うんなら電話をしてみたら?」。電話をするビビの兄「次の発送は?」「シャンパーニュの妹さんとは2ヶ月話していません」。電話を切る兄。ビビ「税関の問題があったのよ」ビビの兄「税関ごときで損失を出してもらったら困る。20.万ドルの話はなしだ。店をたため。俺の会社は投資会社なんだ」。
ビビ「ジャカルタになるべく早く行きたいので、ソランジュに飛行機の手配をさせて」同僚「雑誌の取材が近々あるらしいわ。“若き実業家の未来”特集を組むとか」。
ガソリンスタンド。「どの位入れればいいんだ?」「身を捨てるのに必要なだけ」「自殺したいってことだな」。
クラブで一人で酒を飲むビビ。
魚「さすらいの天使が深い海の底へ俺を誘う。脳の中のいたずら天使たちは底なしの青いワインの海に沈む。俺は頭を切り開き、時間を取り出そう。俺は溺れたい。だけど今日、海は俺を嫌ってる」。
ビビは夜、車でひき逃げをする。
魚はまた頭を断ち切られる。「殺す者は殺される」。
魚をさばく料理人たち。
そのうちの1人はバスに乗り、帰宅しようとするが、車にはねられる。なんとか立ち上がり自宅に戻るが、椅子にどっかと座り込む。コートには血痕。
ビビ、車を駐車場へ。
ビビ、帰宅する。フェイドアウト。
ソファで帰宅した服装のままで目覚めたビビは、吐く。
駐車場で自分の車を点検し、へこみと傷があるのを確認するビビ。
街頭で死んだ魚を足元に発見し、驚くビビ。
来店したビビ「今日は休むわ。気分が悪いの」「人が待ってるわ」「『ラヴニール』誌のシロワと申します」。
取材。「大女優の娘という重荷を感じたことはありませんか?」「ええ」「スタートから他の人より優位に立っていた訳ですが」「そんなことはありません」「あなたは25歳でスマトラ・チェーンのオーナーですが、経営は順調ですか?」「ええ」「ボストン大学の研究によると、事業は男性の子孫繁栄の本能、つまり男のオナニーだとか」「すべて性別で判断することは間違っていると思います」。
雑誌用の写真撮影。メイク係「母親そっくりのきれいな肌をされてますね」カメラマン「お母さんを表に出して。あなたは透明になった気持ちになって」。
(中略)魚「女神の娘に生まれて、彼女は虚言症になった。彼女は虚像であり、実像との間には深い溝があった」。
駐車場でタイヤに貼り付いた魚を発見するビビは、それを拾うとゴミ箱に捨てる。
手を洗い、シャワーを浴びるビビは浴槽に倒れ込み、裸のままベッドに入る。
夜。車にはねられた男は1点をじっと見つめている。
ビビは電話をし、クレールに来てもらう。クレール「ビビアン、私、今朝お告げがあったの。論文の鍵を見つけたの」。
車に乗っても延々と論文の話をするクレール。ビビ「なんか魚臭いわね」。
洗車をしてもらうビビ。
運転席に乗ろうとして「やっぱり運転できないわ。まだ臭う」「あなたの車の臭いじゃないの? リラックスして」。
サウナ。クレール「忘れるんじゃなくて深刻化しないの。私は3度もやったんだから」。ビビ泣く。
1人になり運転席でも泣くビビ。
1人で帰宅して「一人はイヤ」とヤクを吸うビビ。
クラブで踊るビビ。(明日へ続きます……)
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)