gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『灼熱の魂』その1

2018-11-21 05:33:00 | ノンジャンル
 WOWOWシネマで、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督・脚本の2010年作品『灼熱の魂』を見ました。
 荒地。兵士によってバリカンで頭を刈られる少年たち。顔にケガをした子や銃創のある子もいる。
 “双子”の字幕。ファイルの棚をチェックする公証人は「ナワル・マルワン」のファイルを取り出す。青年に「よく来てくれた。どうぞお座りください」。封筒の封を切る公証人。「“公証人ジャン・ルベルがナワル・マルワン夫人の遺言を執行する。子供2名の立ち合いで開封する。シモン・マルワンとジャンヌ・マルワンだ。” 彼女は私の従業員以上の存在だった。亡き妻と私には家族と同じだった。“資産は二人で分けること。葬儀は祈りはなし、裸でうつぶせに埋葬すること。墓石と墓石名はなし。名前は絶対に刻まないように。ジャンヌとシモンへ。子供時代はまるで喉に刺さるナイフのようで、容易には抜けなかった。ジャンヌ、ルベル氏があなたに封筒を渡す。あなたの父親宛ての封筒です。彼を見つけ封筒を渡しなさい。シモンにも封筒を渡します。これはあなたの兄宛てです。彼を見つけ封筒を渡しなさい。二人が自分の責任を果たしたら、3人へ向けての手紙を開封してもらいます。そのとき沈黙が破られ、約束が守られます。その時初めて私の墓に墓石が置かれ、名前が刻まれます”。変わった遺言ですね」ジャンヌ「父についてはご存知ね。兄がいないことも」「恐るべき内容です」シモン「母は変わり者だった」ルベル「遺言で作り話をする人はいない」。
「これもある。マルワン夫人のパスポートだ。よく考えてくれ。また後日」シモン「母はあなたの秘書で、まともに働いた。でも母としてはまともじゃなかった。普通に埋葬したい。せめて最期ぐらい」。シモン、去る。ルベル「よく考えてシモンが落ち着いたら話そう」。
 シモン「突然大家族になった。きっと犬もいるだろう。イカレてる。ジャンと普通の埋葬の手筈を整える。姉さんのことも心配だ。どこへ?」「好きにしなさい」「母さんが死んだ時、プールでそばにいなかったから自分を責めているのか? 僕は平気だ」「遺言を聞いたでしょ?」「母さんは死んだ。これで落ち着いた。やっと平和が! 心が軽くなった」「そのようね」。
 大学の数学の授業。助手として紹介されるジャンヌ。
 教授「直感でどう感じてる? 君の直感は正しい。それに数学者としての優れた素質がある。だがこの問題は助けが必要だ。向こうの親戚は?」首を振るジャンヌ。「連絡は?」首を振るジャンヌ。「要点は2つ。A:父は生きている B:君には兄がいる 避けられないものだ。抵抗してはならない。事実を知るべきだ。でないと心に平和は訪れない。心が平和でないと純粋数学はできない。踏み出さなくては」「父は内戦で死んだ。ダレシュで」「それは“未知定数”だ。未知定数から始めるな」「母はデルオムという村の出身。ダレシュ大学でフランス語を学んだ」「それで希望ができたな。サイード・アダール。サイード・アダールを訪ねろ。ダレシュで教えている信頼できる旧友だ」。
 部屋の引き出しを片っ端から調べ、若い頃の母の写真を見つけるジャンヌ。
 シモンが帰宅すると、机の上にその写真が置いてある。
 冬のプール。シモン。
 泳いでいる女性。頭を水面から出すと、夏のプールになっている。チェアに座ったまま意識を失っている母に「ママ、大丈夫?」・
 病院。シモンがやってくる。「ママに何かあったの? ジャンヌは?」
 母の既往症を訊く医者と答えるジャンヌとシモン。
 “ナワル”の字幕。岩場を逃げるナワルとワハブ。待ち伏せていた男「妹から離れろ」別の男「どこへ行く気だ? 難民の息子め」ナワル「二コラ、お願いだから止めて!」男、ワハブを射殺。ワハブの遺体を膝まずいて見るナワル。ナワルの兄「俺が撃つ。俺の義務だ。よくも一族の名を汚したな」。ナワルの頭に照準を合わせる。老女「おやめ! さっさと家に戻って!」。
 男たちを家から閉め出し、ナワルの祖母「何てことをしたの? 一族の名を汚した。年老いた母にあんたを殺せと言うの?」ナワル、泣きながら「お腹に子が。おばあちゃん」「ナワル、お前のせいでこの世から光が消えた! 恥知らず! いっそ殺してしまいたい。どうすりゃいいのさ?」祖母の膝に頭を乗せて泣くナワル。
 呆然と座っているナワルの祖母。(中略)
 横たわるナワル。祖母、食事を運び、「丈夫な子を産みたいなら食べて。この村にはいられない。手はずはすべて整えるから、子を産んだら村を出て、街へお行き。シャルベル叔父さんのところへ。街で大学に通うのよ。読み書きや知識を学び、こんな生活から脱しなさい。約束するなら手を貸す」「約束する。おばあちゃん」。
 爆撃を受ける村。大きなお腹をさするナワル。(明日へ続きます……)


 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S. 今から約30年前、東京都江東区で最寄りの駅が東陽町だった「早友」東陽町教室の教室長、および木場駅が最寄りの駅だった「清新塾」のやはり教室長だった伊藤達夫先生、また、当時かわいかった生徒の皆さん、これを見たら是非下記までお知らせください。黒山先生、福長先生と私が、首を長くして待っています。(また伊藤先生の情報をお持ちの方も是非お知らせください。連絡先は「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。よろしくお願いいたします。