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斎藤美奈子さんのコラム・その27&山口二郎さんのコラム・その12

2018-11-28 05:06:00 | ノンジャンル
 昨日の朝日新聞と東京新聞の朝刊で、ベルナルド・ベルトリッチ監督の死が報じられていました。(ちなみに東京新聞の方がずっと大きく取り上げていました。)享年77歳、病魔との戦いの末での死だったそうです。彼の監督作品で私が一番好きなのは『暗殺の森』で、ジャン=ルイ・トランティニャンが森の中で、ドミニク・サンダを暗殺する場面は、未だに鮮烈に記憶に刻まれています。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている山口二郎さんのコラム。
 まず11月7日に掲載された「『捏造』の行方」と題された斎藤さんのコラム。全文を一部変えさせて転載させていただくと、
「今週(九日)、注目の判決が出る。
 元朝日新聞記者・植村隆氏が、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と、氏の原稿を掲載した出版三社(「週刊新潮」を発行する新潮社、月刊「WiLL」を発行するワック、「週刊ダイヤモンド」を発行するダイヤモンド社)を相手どって起こした名誉毀損(きそん)裁判だ。
 2014年、朝日新聞が過去の慰安婦報道を検証する記事を載せた際、他のメディアが常軌を逸した朝日バッシング報道に走った事件を覚えておられるだろうか。あの前後に「捏造記者として最大の攻撃対象にされたのが植村氏だった。
 焦点は1991年8月11日の植村氏による記事(元慰安婦・金学順さんの証言をもとに(中略))で、金さんが「挺身(ていしん)隊」の名で戦場に連行された、などと伝えるものだった。櫻井氏はこの記事を「捏造」と決め付けた上で、各誌にコラムを書いたのである。
 15年2月、植村氏は櫻井氏らを札幌地裁に提訴。裁判は今年7月に結審し、その過程で櫻井氏のコラムにこそ「捏造」があったこと、櫻井氏も自らの非を認めたことなどが伝えられている。
 植村氏の名誉はもちろん、ことはメディアの責任や歴史認識の根本問題にかかわる。9日の判決を報道各社はちゃんと伝えるのだろうか。伝えてよね。重大な事案なんだからね。」

 また、11月14日に掲載された「大臣の資質」と題された斎藤さんのコラム。
「桜田義孝五輪相と片山さつき地方創生担当相の話題が沸騰中である。
 桜田氏の場合はペーパーも正確に読めないシドロモドロの答弁が、片山氏は口利き疑惑に加えて書籍看板やカレンダーが注目の的になってるが、もともと彼らは問題含みの国会議員だった。
 桜田氏は河野談話の見直しを求める集会に出席したり、『慰安婦は職業としての売春婦』と発言したり、何かと粗忽な言動が目立っていた。
 片山氏については、生活保護見直し論者としての顔が思い出される。この件は著書にもなっている。『正直者にやる気をなくさせる!? 福祉依存のインモラル』(2012年)という本だ。
 書名もすごいが、中身もすごい。この本で彼女は民主党政権時代に生活保護受給者が増えたことを問題にし、被保護者が『権利ばかりを主張して義務を果たさない理由』のひとつは憲法25条だと述べている。
 『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』
 この条文の『健康で文化的』の部分が働けるのに働かない怠け者の生活を保障する結果になった、だから家族の絆を基本とする憲法に改正すべきだと。
 国民の生存権まで否定する政治家って何? 根本的に資質を問われるべきはそこよね。」

 そして11月11日の東京新聞に載った、山口二郎さんの「アメリカ民主主義の底力」と題されたコラム。
「アメリカの中間選挙では、女性や多様な文化的背景を持った議員が大幅に増えた。特に印象的だったのは、最年少の下院議員となったオカシオコルテス氏である。彼女はつい一年前まではウエートレスをしていたが、トランプ大統領の女性蔑視の姿勢や貧困格差の拡大に憤りを感じ、議員を目指して当選した。
 アメリカでは政党の予備選挙という仕組みがある。一般市民も党員の登録をすれば予備選挙に参加できる。市民の熱心な運動が広がれば知名度の高い現職ではなく、市民の仲間を党の公認候補に押し上げることも可能である。(中略)
 アメリカを見ていると、民主主義とは『見る』ものではなく、『する』ものだと痛感させられる。自ら立候補して議員になることは普通の人には難しい。しかし、高い志をもって世の中のために働きたいという優れた政治家志望者を応援することはだれにもできる。トランプ大統領が民主主義を破壊しているという危機感をもてば、普通の人々が立ち上がる。それこそアメリカ民主主義の底力である。
 日本でも統一地方選挙と参議院選挙が近づいている。野党側は人材払底のようである。広く市民のエネルギーを引き出すことが求められている。」

 どの文章も私たちの活動に力を与え、励ましてくれるものばかりでした。今後のお二人の文章にも期待です!

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

P.S. 今から約30年前、東京都江東区で最寄りの駅が東陽町だった「早友」東陽町教室の教室長、および木場駅が最寄りの駅だった「清新塾」のやはり教室長だった伊藤達夫先生、また、当時かわいかった生徒の皆さん、これを見たら是非下記までお知らせください。黒山先生、福長先生と私が、首を長くして待っています。(また伊藤先生の情報をお持ちの方も是非お知らせください。連絡先は「m-goto@ceres.dti.ne.jp」です。よろしくお願いいたします。