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ルネ・クレマン監督『禁じられた遊び』

2022-02-04 08:01:00 | ノンジャンル
 昨日の午後、「あつぎのえいがかんkiki」にて、ルネ・クレマン監督・共同脚本の1952年作品『禁じられた遊び』を再見しました。
 サイト「映画ウォッチ」から「ネタバレあらすじ」に一部加筆修正させていただくと、
「舞台は1940年のフランス。ドイツ軍に占領されたパリからは大勢の市民が逃げ出していました。その中に両親に連れられた幼い少女ポーレット(ブリジッド・フォッセー)もいました。しかしドイツ軍の戦闘機に爆撃され、両親と愛犬は死亡してしまいます。その上愛犬は川に捨てられてしまい、追いかけたポーレットは道に迷ってしまいました。市街地の混乱をよそに仕事に励んでいた農家のドレ一家でしたが、長男ジョルジュが迷い込んだ馬に蹴られ怪我を負います。その拍子に逃げた牛を追ったドレ家の末っ子ミシェル。彼はポーレットと出会い、彼女を家に連れて帰りました。一家は両親を失った幼いポーレットに同情し、色々と世話を焼いてくれます。その夜、ポーレットは死んだものは穴の中に埋めるのだとミシェルから聞かされます。
 翌日、ポーレットは愛犬を埋めるために土に穴を掘ろうとします。そこへ偶然司祭が通りかかり、祈りの言葉を教えてもらいました。ポーレットはその場を離れ、半ば廃屋になった水車小屋で再び穴を掘り始めます。やって来たミシェルに手伝ってもらい、ポーレットは祈りを唱えながら愛犬を土に埋めました。愛犬が寂しくないよう墓場の仲間が欲しいと言い出すポーレット。ミシェルはたくさんの動物の墓を作ろうと提案します。ミシェルは墓に十字架を立て、立派な墓地にするとポーレットに約束します。
 家に帰ったミシェルは早速十字架を作り始めますが、上手くいきません。馬に蹴られたジョルジュの病状は急激に悪化し、血を吐いて死亡してしまいました。ジョルジュのための霊柩車に見事な十字架が飾られているのを見つけたミシェルはそれを盗んでしまいます。葬儀中、十字架が無いと気づいた父に問い詰められたミシェルは、仲の悪い隣家グアール家の仕業だと嘘をつきました。ポーレットは教会の美しい十字架を気に入ります。埋葬の際も、二人は墓場の十字架ばかりを気にしていました。
 次第に墓作りに夢中になっていく二人。ミシェルはポーレットのために教会の十字架を盗もうとしますが失敗し、司祭から叱責を受けます。それを聞いたポーレットは、教会の墓場から十字架を取ればいいと無邪気に提案しました。夜を待って、二人は手押し車にジョルジュのものも含めた十字架を積み込み、水車小屋へと運びました。後日墓参りに出かけたドレ家。そこでジョルジュの十字架が無いことに激怒した父は、グアール家の十字架をめちゃくちゃに壊してしまいます。遅れてやって来たグアール家は憤慨し、父親同士の殴り合いに発展します。仲裁に飛んで来た司祭は、十字架を取った犯人はグアール家ではなくミシェルだと叫びます。ミシェルは水車小屋に逃げ込み、十字架や花に彩られた墓地を見て満足げに微笑むのでした。
 朝、ドレ家に警察がやって来ます。父は納屋に隠れていたミシェルを見つけ、十字架のありかを詰問します。口を割らないミシェルに父は激しい折檻を加えます。しかし、警察の用件は十字架ではなく、ポーレットを引き取ることでした。行きたくないと泣くポーレット。ミシェルは十字架の場所を白状する代わりにポーレットを家に置いて欲しいと父に頼みます。場所を聞き出した父は約束を破り、ポーレットを連れていく同意書に署名してしまいます。父の裏切りに怒ったミシェルは水車小屋に駆け込み、十字架を引き抜いて川に投げ捨てます。しかし、その間にポーレットは警察に連れていかれてしまいました。孤児として保護されたポーレットは、大勢の人が行き交う駅の待合所で少しの間待たされます。そこへ響いた「ミシェル」という声。声の方向に走ったポーレットでしたが、そこには見知らぬ人々がいるだけでした。心細さに震えるポーレットは「ママ、ママ」と呼び求めます。ポーレットの声が雑踏の中に消えていき、この映画も終わりを迎えます。」 
 戦争の悲劇、大人の世界の理不尽を描いた映画でしたが、主演の少女を演じたブリジッド・フォッセーが素晴らしく、ラスト近くで少年ミッシェルが十字架を川に投げ込むショット、ラストで主人公のポーレットが「ミッシェル!」という叫びに反応し、「ママ、ママ」と言いながら、駅の雑踏の中に進んでいくショットは正確に記憶していました。またこの映画には犬、ふくろう、猫が出ていることに新たに気づきました。フォッセーは大人になってトリュフォーの映画にも出ている役者さんです。
 テレビでの放映時は解説を淀川長治さんが務め、ラストシーンに言及されていたと記憶しています。輝くばかりの白黒映画。音楽により叙情に流れる場面も多いのですが、観て損はないと思います。

→サイト「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto