ウォーレン・ビーティ監督・製作・共同脚本の'81年作品『レッズ』をスカパーの洋画★シネフィル・イマジカで見ました。
ジャック・リードとルイーズの思い出を語る老人たち。「ポートランド 1915年」の字幕。美術品の即売会でルイーズ(ダイアン・キートン)は自分のヌード写真が展示されていることを夫から非難されます。名士たちのクラブで第一次世界大戦への参戦を訴える演説を受けて、戦争の目撃者として紹介された作家のジャック・リード(ウォーレン・ビーティ)は「戦争は単なる利益だ」とだけ言うと座ってしまいます。雑誌『マッセ(大衆)』の記者のルイーズはジャックにインタビューを申し込み、その後自ら進歩派を名乗ってジャックを誘い野外セックスに至ります。歯科医の夫と離婚したルイーズは、自由の気風あふれるグリニッジ・ヴィレッジに引越し、そこでジャックら左翼の過激運動家に合流します。世界の労働者との団結と平和を説くジャック。彼とルイーズは仲間とともに漁村へ移り住み、そこでユージン・オニール(ジャック・ニコルソン)の書いた前衛劇の練習をしますが、ジャックが留守をしている間にルイーズはユージンと同棲します。「クロトン・オン・ハドソン 1916年」の字幕。引越し中のルイーズを訪ねたユージンは愛の詩を送り、束縛しないのでこれからも会ってくれと言いますが、ルイーズはジャックと結婚したことを告げます。反戦演説で逮捕されたジャックは腎臓が弱っていることを知らされ、帰宅してユージンの詩を見つけてると自分も浮気していたとルイーズに言い、ルイーズは家を飛び出します。「パリ 1917年」の字幕。片方の腎臓を摘出されたジャックは、フランスの前線で取材をしているルイーズに会いに行き、自分はロシアに向かうことを告げると、ルイーズも同行することにします。ロシア国境にあふれる、戦線放棄をしたボルシェビキの兵士たち。ジャックはボルシェビキの集会で壇上に迎えられ、世界の労働者の団結と革命の勝利を宣言すると、インターナショナルの合唱が起こり、その歌声をバックに、街頭デモに参加するジャックとルイーズ、愛し合う二人、冬宮襲撃の様子が描かれます。「休憩」「ニューヨーク 1918年」の字幕。著書『世界をゆるがせた十日間』の大成功で自信を得たジャックでしたが、過激な彼らを除名した社会党の執行部に対して、新党を結成しようというフレイナ(ポール・ソフヴィーノ)と党の主導権を奪還しようというジャックの間で対立が起きます。ジャックは結局フレイナの作った米共産党に対抗して14人の仲間とともに米共産労働党を作り、自らモスクワへ行ってコミンテルンの承認を得ようとしますが、ルイーズからは権力争いから身を引いて作家に戻れと言われます。米連邦政府からの逮捕状が出る直前に彼はソ連への密出国に成功しますが、コミンテルンでは米共産党と合併することを求めまれます。ソ連からの滞在延期要請を断ってルイーズの元へ戻ろうとしたジャックでしたが、フィンランドの国境で捕まり、壊血病を患った上、フィンランドの教授との交換でソ連に戻される一方、ルイーズはジャックを追ってフィンランドへ向けて密出国します。「ペトログラード 1920年」の字幕。何度もルイーズの元に電報を打ちますが返事がもらえないジャックは、アメリカから亡命してきた左翼運動家エマ(モーリン・ステイプルトン)からルイーズから送られてきていた電報がフィンランドで握りつぶされていたこと、ルイーズがもうニューヨークにはいないことを知らされます。ジャックは自国の実情を理解してくれない官僚化したソ連に対して不信感を募らせつつも、プロパガンダを施した汽車で中東へ向かいます。エマはバクー行きの列車への切符を求めるルイーズと再会しますが、一方、ジャックは集会での演説の内容がソ連の官僚によって勝手に改変されていることに列車内で抗議しているところを、中東の政府軍に攻撃されます。ボロボロになってモスクワに帰ってきた汽車に駆け寄るルイーズはジャックとの再会を果たしますが、彼はすぐに入院を余儀無くされ、彼女が水を取りに病室を離れたわずかの間にジャックは亡くなるのでした。
ビットリオ・ストラーロの質感あふれる撮影が見事で、インターナショナルが歌い上げられるシーンには胸が熱くなりました。当時の関係者本人が彼らのことを証言する様子が度々挿入されるという構成も良かったと思います。3時間を超える映画で、デヴィッド・リーンの『ドクトル・ジバゴ』を見直したくなる、そんな気持ちにもなった映画でした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
ジャック・リードとルイーズの思い出を語る老人たち。「ポートランド 1915年」の字幕。美術品の即売会でルイーズ(ダイアン・キートン)は自分のヌード写真が展示されていることを夫から非難されます。名士たちのクラブで第一次世界大戦への参戦を訴える演説を受けて、戦争の目撃者として紹介された作家のジャック・リード(ウォーレン・ビーティ)は「戦争は単なる利益だ」とだけ言うと座ってしまいます。雑誌『マッセ(大衆)』の記者のルイーズはジャックにインタビューを申し込み、その後自ら進歩派を名乗ってジャックを誘い野外セックスに至ります。歯科医の夫と離婚したルイーズは、自由の気風あふれるグリニッジ・ヴィレッジに引越し、そこでジャックら左翼の過激運動家に合流します。世界の労働者との団結と平和を説くジャック。彼とルイーズは仲間とともに漁村へ移り住み、そこでユージン・オニール(ジャック・ニコルソン)の書いた前衛劇の練習をしますが、ジャックが留守をしている間にルイーズはユージンと同棲します。「クロトン・オン・ハドソン 1916年」の字幕。引越し中のルイーズを訪ねたユージンは愛の詩を送り、束縛しないのでこれからも会ってくれと言いますが、ルイーズはジャックと結婚したことを告げます。反戦演説で逮捕されたジャックは腎臓が弱っていることを知らされ、帰宅してユージンの詩を見つけてると自分も浮気していたとルイーズに言い、ルイーズは家を飛び出します。「パリ 1917年」の字幕。片方の腎臓を摘出されたジャックは、フランスの前線で取材をしているルイーズに会いに行き、自分はロシアに向かうことを告げると、ルイーズも同行することにします。ロシア国境にあふれる、戦線放棄をしたボルシェビキの兵士たち。ジャックはボルシェビキの集会で壇上に迎えられ、世界の労働者の団結と革命の勝利を宣言すると、インターナショナルの合唱が起こり、その歌声をバックに、街頭デモに参加するジャックとルイーズ、愛し合う二人、冬宮襲撃の様子が描かれます。「休憩」「ニューヨーク 1918年」の字幕。著書『世界をゆるがせた十日間』の大成功で自信を得たジャックでしたが、過激な彼らを除名した社会党の執行部に対して、新党を結成しようというフレイナ(ポール・ソフヴィーノ)と党の主導権を奪還しようというジャックの間で対立が起きます。ジャックは結局フレイナの作った米共産党に対抗して14人の仲間とともに米共産労働党を作り、自らモスクワへ行ってコミンテルンの承認を得ようとしますが、ルイーズからは権力争いから身を引いて作家に戻れと言われます。米連邦政府からの逮捕状が出る直前に彼はソ連への密出国に成功しますが、コミンテルンでは米共産党と合併することを求めまれます。ソ連からの滞在延期要請を断ってルイーズの元へ戻ろうとしたジャックでしたが、フィンランドの国境で捕まり、壊血病を患った上、フィンランドの教授との交換でソ連に戻される一方、ルイーズはジャックを追ってフィンランドへ向けて密出国します。「ペトログラード 1920年」の字幕。何度もルイーズの元に電報を打ちますが返事がもらえないジャックは、アメリカから亡命してきた左翼運動家エマ(モーリン・ステイプルトン)からルイーズから送られてきていた電報がフィンランドで握りつぶされていたこと、ルイーズがもうニューヨークにはいないことを知らされます。ジャックは自国の実情を理解してくれない官僚化したソ連に対して不信感を募らせつつも、プロパガンダを施した汽車で中東へ向かいます。エマはバクー行きの列車への切符を求めるルイーズと再会しますが、一方、ジャックは集会での演説の内容がソ連の官僚によって勝手に改変されていることに列車内で抗議しているところを、中東の政府軍に攻撃されます。ボロボロになってモスクワに帰ってきた汽車に駆け寄るルイーズはジャックとの再会を果たしますが、彼はすぐに入院を余儀無くされ、彼女が水を取りに病室を離れたわずかの間にジャックは亡くなるのでした。
ビットリオ・ストラーロの質感あふれる撮影が見事で、インターナショナルが歌い上げられるシーンには胸が熱くなりました。当時の関係者本人が彼らのことを証言する様子が度々挿入されるという構成も良かったと思います。3時間を超える映画で、デヴィッド・リーンの『ドクトル・ジバゴ』を見直したくなる、そんな気持ちにもなった映画でした。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)