大橋満様
お元気ですか?
私は風邪でダウンです.
此処の所嵐が吹き暴れ,北海沿岸,または島に様々な災害を起こして
いるようです.
そんな中で,ドイツはそれでも平和なのでしょう.
11月11日11時11分,秒読みが終わった所でへロー,オーラフ,とカーニバルのシーズンが始まり,2月6日まで市議会所は道化な市民の無礼講に支配されるようです.
ライン河沿岸の町に多く,ケルン,デュッセルドルフ,マインツなど派手なお祭り騒ぎをしているようです.北のハノーバーなどは,そういった町のような伝統が無いのですが,でもお祭り騒ぎは一緒に楽しもうという事でしょう,人数は少ないながら,カーニバリストと言われる人たちが市庁舎へ押し入り,まじめな市政を追っ払い,愉快で馬鹿騒ぎの市民の市政を強制したようです.
"Man kann auch alles uebertreiben!"
"Mer kann och alles oewerdriewen"
上が標準ドイツ語,下がデユッセルドルフの方言で今年のカーニバルのモットーを表しています.何もかも大げさにする事は無い,みたいな意味でしょう.各都市でモットーが違うようです.
そしてドイツ国鉄が戦後最大規模のストに入ろうとしています.
国鉄では一般職員との交渉は終わっていますが,今年は機関車の運転手が独自の組合を結成し,交渉権を得ること,そして30%の賃上げを要求しています.
これが聞き入れられない場合,特に独自の交渉権が得られない場合は,“スト突入”,だそうです.
この組合と国鉄当局との交渉のねじれはかなり長く続いており,たびたびストを強行し,又第三者が話し合いに入ったりして解決を試みましたが,不成功に追っています.
テレビなどで,ストの為駅で困っている人たちの意見をレポートしていますが,組合員に同情的な人が殆どです.
それは機関車の運転手の平均賃金が
独身29歳の男性の場合で1521ユーロ,(20万円?)
上級運転手で1775~2450ユーロ
これには日曜祭日,夜間の手当てが入っているのだそうです.
責任の重い仕事にかかわらずこの低賃金.聞いて私自身唖然としてしまいました.
しかし国鉄側も,“国営から株式会社へ”移行を目の前にして,従来の赤字経営を黒字に変えようと必死の時ですから,なかなか妥協案が認められないようです.
新組織に入る以前に,組合に独自の交渉権を認めてしまうとこれまた跡に問題を残してしまうでしょうから,又運転手にとっては,ぜひとも会社組織移行前に獲得しておきたい権利のようです.
今までは単発のストでしたが,交渉が妥結に向かわない場合は貨物,客車すべてを含んだストに突入するといっているようです.
そして,いろいろと情報時代ですから報道が有り,微妙に組合支持の声がかすみ始めています.
特にこれからクリスマス休暇に入ろうとしている時期だけに,個人のエゴも入ってくる事でしょう.
一年前の医者の独自の組合結成,スト突入と良く似ています.
それまでは医者も看護婦も“公共団体の組合の一員”でしたが,それでは自分たちの状況が改善できない,と医者が立ち上がったのです.
無理もありません.
医学部で6年,それから2年は見習い期間で酷使,やっと一人前の給料が取れるようになったらそれがなまじの工場労働者並みの金額.
負わされる責任と夜間勤務.
医者だけは例外で,32時間続けて働く事を許されていましたので,そしてそれがほぼ3日に1回はある状態ですから体も持ちません.
それでも,それを数年我慢すれば,開業医になるとか,何処そこの院長になるとか見通しがあったのが,医療全体の改革で,詰まってしまいました.今までのようには行かなくなってしまったのですから,この悪条件の改良と賃上げを求めて組合を結成したのです.
その時も,“今まで何十年もその状態に甘んじて,良い子ちゃんだったのが何を急に?”との声がでていました.今回の国鉄のストにも上がっています.
30年以上,寝ぼけてて何をいまさら.
しかしまあ,たとえ給料が要求どおり30%上がっても,2000ユーロが2600ユーロとなるだけではないですか.これは看護婦の平均給料ではないでしょうか.同様に責任あるポストの飛行機のパイロットの給料の何分の一ぐらいでしょうか?
何とか要求が通れば良いのにと同情しています.
ではまた
日本でもスーパーや百貨店はクリスマスの模様ですものね。心より商売というのが日本でしょうか。労働者の自覚が進んでいますね。