反米団体のデモ激化、トランプ氏の行く先々で「失せろ」
文政権発足後初めてバスのバリケード設置
保守系団体も大規模集会、韓米の国旗を振り「歓迎」
米国のトランプ大統領が韓国に到着した7日、ソウル市内では反米団体と親米保守系団体によるデモが激化した。7日午後3時10分、トランプ大統領の乗った車両が、ソウル市中心部の世宗路を韓国大統領府(青瓦台)方面へと進んだ。光化門広場の南側では、太極旗(韓国国旗)と星条旗を掲げた数千人の市民が車列に向かって「USA」「ウェルカム」と叫んだ。だが、わずか数十メートル離れた光化門広場では、やじと共に「失せろ」などの荒々しい言葉も飛び交った。約220の反米団体からなる「NOトランプ共同行動(以下、共同行動)」などは、米軍基地のある平沢やソウル市中心部など、トランプ大統領の行く先々で来韓反対デモを繰り広げた。親米の保守系団体もソウル市内で大規模な歓迎集会を開いた。警察は、この日ソウルだけで1万5600人の隊員を投入してトランプ大統領の警護に当たった。警察は7日午後、反米デモが激化すると、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後初めて光化門広場の南側にバスでバリケードを築いた。
■反米団体、トランプ氏追い掛け来韓抗議デモ
トランプ大統領の韓国での初訪問地となった京畿道平沢市の米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ」正門前では、この日午前7時から反米団体のメンバー15人が集まった。メンバーらは「戦争とトランプに反対(NO WAR, NO TRUMP)」「トランプは辞めろ」などと書かれたプラカードを掲げた。
また、「共同行動」のメンバー約150人はこの日午前11時、青瓦台近くで「NO WAR, NO TRUMP」など来韓に反対するプラカードを掲げて記者会見を開いた。「共同行動」のイ・サンジン氏(全国民主労働組合総同盟〈民主労総〉副委員長)は「まるで皇帝の戴冠式のように赤いカーペットを敷き、反対の声を抑えつけている」と訴えた。
トランプ大統領の青瓦台訪問が迫ると、反米デモはいっそう激化した。民衆連合党(民衆党)の党員など「共同行動」のメンバー約250人は、オレンジ色の民衆党党旗と「NOトランプ」「NO WAR」とオレンジ色で書いたビニールの旗を振り「トランプに反対」「国賓招待とは何事だ」などと叫んだ。民衆党は、かつて違憲判決を受けて解散させられた統合進歩党の元党員らが中心となって結成した政党だ。党員らは午後1時すぎ、光化門広場の南側にある李舜臣(イ・スンシン)将軍の銅像周辺に陣取った。デモ隊は「もうすぐトランプがここを通る」と言って世宗路に進入しようとした。警察は拡声器で「届け出のない違法集会は解散しなさい」と求めたが、デモ隊は警察に罵声を浴びせて反発した。警察は午後2時ごろ、デモ隊が道路に乱入できないよう警察のバス23台でバリケードを築いた。