大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

裁判所は同日、保釈許可の事由について、「拘束の満期日に宣告すると仮定しても、43日しか残っていない。その期間中に裁判を終わらせることができず、

2019-03-07 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

李元大統領「証拠隠滅する人に見えるか」としながらも

事実上の“自宅拘禁”受け入れた

登録:2019-03-07 06:09 修正:2019-03-07 07:17

裁判所「4月8日に拘束期間満了、それまでに控訴審が終わらない」 
「拘束期間の満了で釈放されれば接見制限など条件もつけられない」 
住居地制限・外部人との接見禁止など、条件付きで保釈認める 
李元大統領、条件付き保釈受け入れ「公私を区分し、誤解の素地ないように行動する」 
「私を証拠隠滅の恐れのある人だと認めるのではないか」不快感示す場面も 

 
ダースの実質的な所有者として収賄・横領などの容疑で、1審で懲役15年を言い渡されたが、拘束期間の満了で収監中に保釈された李明博元大統領が6日午後、ソウル松坡区のソウル東部拘置所から出てきている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 賄賂・横領などの容疑で1審で懲役15年の重刑を言い渡された李明博(イ・ミョンバク)元大統領が6日、保釈された。李元大統領は昨年3月22日に拘束収監されてから349日ぶりにソウル論ヒョン洞(ノンヒョンドン)の自宅に戻った。

 ソウル高裁刑事1部(チョン・ジュニョン裁判長)は同日、李元大統領が請求した保釈を許可したが、事実上の“自宅拘禁”という厳しい条件を付けた。裁判所は、李元大統領が滞在できる場所を自宅に制限し、外出を禁止した。また、配偶者や直系血族とその配偶者、弁護人以外の外部人との接見および通信を制限した。病気を理由とした裁量保釈は認められなかった。病院の診療が必要な場合は、裁判所に住居や外出制限の一時的な解除を申請し、許可を受けなければならない。1週間に1回「保釈条件遵守に関する報告書」を裁判所に提出し、裁判所は条件がきちんと守られているかどうかを点検する会議を行う。保釈の条件を違反すれば、保釈は取り消しになり、直ちに拘禁され、保釈保証金(10億ウォン)も国庫に帰属される。裁判所は「未決拘禁を減らすための保釈制度が不公正に運営されるという批判世論があり、かなり厳格な条件をつけた」と説明した。

 今回の保釈決定は、裁判所の人事などにより新たに構成された李元大統領の控訴審裁判部が、未決拘禁を減らすという原則に加え、様々な“実務的な判断”を下した結果と見られる。李元大統領が1審とは異なり、検察が提出した証拠の大半を否定して、次々と証人尋問を要請した結果、李元大統領の拘束満了期間(4月8日)まで十分な審理が難しいという点を考慮したのだ。

 裁判所は同日、保釈許可の事由について、「拘束の満期日に宣告すると仮定しても、43日しか残っていない。その期間中に裁判を終わらせることができず、拘束期間満了で釈放されれば、むしろ被告人は完全に自由な在宅起訴状態で裁判を受けることになる。住居制限や接見制限など条件も付けられなくなる」と説明した。1カ月早く釈放するものの、厳しい条件付きで裁判を続ける方がより望ましいという判断を下したものと見られる。

ダースの実質的な所有者として収賄・横領などの容疑で、1審で懲役15年を言い渡されたが、拘束期間の満了で収監中に保釈された李明博元大統領が6日午後、ソウル松坡区のソウル東部拘置所を出て車に乗り込もうとしている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社
逮捕から349日ぶりに保釈が認められた李明博元大統領が6日午後、ソウル松坡区の東部拘置所を後にしながら、支持者らと挨拶を交わしている//ハンギョレ新聞社

 裁判所から「提示された条件に従うか」という質問を受けた李元大統領は、「(私は)徹底的に公私を区分する人だから、(証人との接触など)そのような問題は心配しなくても良いと思う」と答え、条件付き保釈を受け入れた。保釈決定直後、李元大統領側のカン・フン弁護士は記者団に「李元大統領が保釈条件を受け入れるかどうかに関する話し合いで、『裁判所が私を証拠隠滅の恐れがある人だと認めるのではないか』とし、やや不快な反応を示した」と伝えた。「いずれにしてもすぐ釈放されるのに、どうして屈辱的な条件を受け入れるのか」という参謀もいたという。しかし、結論的に「無罪推定の原則に則って、被告人の防御権の保障を求めて申請した保釈であるため、過酷な保釈条件にもかかわらず、甘んじて受け入れようと説得した」というのがカン弁護士の説明だ。

 李元大統領の保釈決定を受け、傍聴席で裁判を見守っていたイ・ジェオ自由韓国党常任顧問とコン・ソンジン元ハンナラ党議員など側近や支持者たちは嬉しさを隠せなかった。裁判後、支持者たちは李元大統領と手を取り合い「お疲れさまでした」「お体には気を付けてください」などと声をかけた。李元大統領はかすかに笑みを浮かべ、「これからがもっと厳しいでしょう。ありがとうございます」と答えた。イ・ジェオ常任顧問は李元大統領を乗せた護送車が東部拘置所に向かう姿を見て、「10億ウォンではなく、100億ウォンを納めても、とりあえず出てこなきゃならない。とにかく出てこなきゃ」とつぶやいた。李元大統領は裁判後、自分が1年近く収監されていた東部拘置所に立ち寄ってから、午後4時頃自宅に戻った。

 裁判所は今後、召喚に応じていない証人のリストを高裁のホームページに掲載し、それでも応じなければ、拘引令状を発行する方針だ。裁判所は同日、「以前の裁判部が証人に召喚状を送ったが、閉門不在などを理由に証人尋問が見送られてきた。裁判所はソウル高裁のホームページにて証人訊問対象者の名前と尋問期日を告知する。それでも裁判に出席しなければ、職権で証人拘引のための拘束令状を発行する」と述べた。“拘束裁判”に準ずるスピードで迅速に裁判を進める意志を明らかにしたものと見られる。

コ・ハンソル、チャン・イェジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国国内では、少なくとも寧辺(ヨンビョン)の核に関する合意はなされるだろうし、“プラスアルファ”があるかが関心事だというが・・・

2019-03-07 | 米朝対話

[コラム]南も北もトランプをよく分かっていなかった

登録:2019-03-06 23:31 修正:2019-03-07 07:02

すべての情報が霧の中のように曖昧な事案は、見たいものだけそう見えて結局それを信じることになる。ハノイ首脳会談を控えて、韓国政府の外交安保チームにそうした雰囲気が強かったのではないか点検する必要がある。

 
ドナルド・トランプ米大統領が4日(現地時間)、米国大学フットボールFCS全国チャンピオンシップをとったノースダコタ州立大のフットボールチームをホワイトハウスの昼食会に招請したが、メニューがマクドナルドのハンバーガーとチキンサンドイッチだった。トランプ大統領は、ホワイトハウスの料理人のディナーを準備させたが、米国企業が作ったファーストフードに変えたと話した。ワシントン/AP聯合ニュース

 「私が会った皆がハノイでの朝米首脳会談の展望を暗く見ていて驚いた。ある情報専門家は『北朝鮮の核活動は減っていない。変わったのは今後は実験をしないことだけだ。“すべての”核施設を凍結することが核心だ』と話した。韓国国内では、少なくとも寧辺(ヨンビョン)の核に関する合意はなされるだろうし、“プラスアルファ”があるかが関心事だというが、ワシントンの雰囲気はあまりに違って当惑した」

 2回目の朝米首脳会談の前にワシントンを訪問し、米国務省と中央情報局(CIA)、議会関係者にくまなく会ったある人の話だ。その人は「寧辺の核に関し米国関係者たちは『今は核物質があまりない。寧辺の核廃棄には格別の意味はない』と言っていた。ソウルとは認識の差が大きい感じだった」と付け加えた。

 朝米首脳外交が始まった過程を振り返れば、ワシントンのこうした雰囲気は珍しいものではない。昨年3月、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長がドナルド・トランプ大統領に金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の「会いたい」という提案を伝えた時から、非核化交渉は「トップダウン方式」にならざるをえなかった。当時ホワイトハウスの参謀は驚いて反対したが、トランプは金正恩と会うことをその場で決めた。議会だけでなく行政府内部の反対ムードを突破し、朝米交渉をここまで引っ張ってきたのはトランプ大統領だった。米国の交渉チームは信じられなくても、トランプ大統領は一度信じてみる価値があると北朝鮮は考えただろう。

 その信頼がどれほど純真なものだったのか、ハノイ会談は見せてくれた。北朝鮮は、金正恩委員長が平壌駅でハノイ行きの列車に乗った事実を異例にもすぐに住民たちに知らせた。朝米首脳会談の前日には、金委員長が実務交渉チームの報告を受ける写真を朝鮮中央通信が配布した。首脳会談成功の確信がないならば、できないことだった。この信頼の土台は、朝米実務交渉の進展であっただろう。

 ハノイ宣言が水泡に帰した後、トランプは「(実務チームが作成した)合意文が準備されていたが、署名は適切でなかった」と明らかにした。また、ワシントンのコーエン聴聞会が会談の決裂に影響を及ぼし、寧辺でない別の地域の大規模核施設を持ち出すと金正恩が驚いたという。韓米防衛費分担金交渉の結果についても事実ではない話を遠慮なくするトランプの傾向を見れば、彼が金正恩との会談をありのままに説明したと見るのは難しい。

 しかし、朝米の実務チームが寧辺核を中心に交渉を進める間、トランプは北朝鮮の“すべての”核活動を凍結し検証を受けろという“グランドバーゲン”(一括妥結)オプションを別に準備していたことは確かだと見られる。ニューヨーク・タイムズは「(会談前から)ホワイトハウスのジョン・ボルトン国家安保補佐官とマイク・ポンペオ国務長官が率いる参謀陣の数人は、トランプ大統領の“グランドバーゲン”計画が成功する可能性はゼロに近いと見ていた」と報道した。実務交渉の結果とは全く別の提案を会談場で突然出すことは、外交的に見れば“反則”だ。国際関係で最も重要な“信頼”を害する。トランプは、それを気兼ねなく行なった。ロイターは「ハノイ会談の取材に35人の記者を投じたが、最初から最後まで霧の中をさ迷った」と舌打ちしていたが、実際に会談場で準備されたものとは全く違う話を聞いた金正恩のあきれ加減とは比較にもならないだろう。金正恩を「信じられない」と言うが、本当に「信頼できず即興的な」のはトランプの方ではないか。

 北朝鮮だけではない。韓国政府もやはり米国政府内部の無謀な“グランドバーゲン”のムードを事前に感知できなかったと見える。ソ・フン国家情報院長は5日、国会情報委員会で「段階的接近を要求する北朝鮮と、一括妥結をいう米国が、双方とも相手方の戦略に対する情報が不足していた」という趣旨で話したとしても、情報が不足したのは韓国政府も同じだった。交渉の基調や方式の問題点を指摘することと、状況を正確に認識することとは別の問題だ。北朝鮮問題のように、すべての情報が霧の中で曖昧な事案は、見たいものだけそう見えて結局それを信じることになる。ハノイ首脳会談を控えて、韓国政府の外交安保チームにそうした雰囲気が強かったのではないか点検する必要がある。

 映画『最終兵器 弓』の最後の場面で、主人公は曲射弓を撃ち「風は計算するものではなく克服するもの」と言う。そうだ。現在の困難は克服しなければならない課題であって、政策基調を変える要因ではない。“対話と交渉”以外に別の代案はない。しかし、風を克服しようとしても、風向と風速は正確に知らなければならない。首脳会談決裂以後、米国と北朝鮮の事情を冷静に探ってみる時だ。

パク・チャンス論説委員室長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする