2024年12月28日(土)
きょうにも軟弱地盤着手
辺野古新基地工事 海底に敷き砂
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、政府は28日にも、軟弱地盤が広がる大浦湾側の地盤改良工事に着手します。林芳正官房長官が27日の記者会見で明らかにしました。同新基地建設に伴う軟弱地盤の改良工事は初で、海底への敷き砂開始をもって「着手」としています。
敷き砂は、汚濁防止や地盤の排水を目的に海底に砂を敷く作業とされています。作業完了後、金属製のパイプを海底に打ち込み、内部の砂を固めた「砂くい」を作ります。
地盤改良は、砂くいなど約7万1000本のくいを打ち込まなければならず、軟弱地盤は最深で水面下90メートルに達します。前例のない工事で、完成の見通しはありません。会見で林氏は、普天間基地の「全面返還の実現に向けた大きな前進」だと述べましたが、工事の無謀さは明らかです。
政府は昨年12月28日、玉城デニー知事の権限を奪い、軟弱地盤改良に伴う設計変更申請を「代執行」強行で承認。今年1月、海上ヤードの建設で大浦湾側の工事に着手し、8月にはA護岸の造成を始めました。
しかし、海上ヤード建設は長期間の中断があり、A護岸の鋼管打設作業では必要な約1000本のうち11月末時点で29本しか打設が終わっていないなど、進捗(しんちょく)が遅れています。