2025年3月11日(火)
たたかってこそ社会は変えられる
志位議長が熱く訴え
大阪ミーティング 若者・真ん中世代大集合
![]() (写真)志位和夫議長の話を聞く大阪ミーティング参加者=9日、大阪市住吉区 |
たたかってこそ社会は変えられる―。日本共産党大阪府委員会は9日、志位和夫議長を迎えて「わたしとあなた 願いをシェアする大阪ミーティングwith志位さん」を大阪市内で開きました。志位氏と交流しようと府内の若者、真ん中世代が大集合し、750人を超える参加者で会場のイベントホールはいっぱいに。「語り合おうwith志位さんQ&A」のコーナーでは、要求対話を通じて寄せられた疑問や思いに志位氏が一つひとつ丁寧に答えました。後半は、志位氏が各テーブルを回り、参加者と懇談。あっという間の2時間半となり、会場で6人が入党を決意しました。
冒頭、リレートークが取り組まれ、4月から社会人の学生、保育士、農業を営む兄妹、子育て中の母親がそれぞれの悩みや願いを切実に訴え。清水ただし参院大阪選挙区予定候補もマイクを握り、ユーモアたっぷりのあいさつで会場を沸かせました。
Q&Aのコーナーでキーワードとなったのは“たたかい”です。志位氏は、幅広いテーマの質問に答える中で、日本や世界で沸き起こるたたかいの発展や歴史を縦横に語りながら、新しい政治を切り開く道筋を示しました。
「共産党の政策はいいけど、実際に賃上げも、時短も実現できるのでしょうか」
志位氏がここで語ったのは、労働者の団結したたたかいです。全労連が賃上げと時短を一体に掲げストライキを構えて春闘をたたかっていることや、国立病院の労働者でつくる全日本国立医療労働組合(全医労)が2月28日に労働条件改善を求めて全国120支部で1時間ストを行ったことに、「熱いエールを送ります」と表明した志位氏。「正規と非正規、公務員と民間、若い世代と高齢者に分断を持ち込み、自己責任を押しつける議論を打ち破り、連帯したたたかいの力で、賃上げも、時短も勝ち取っていきましょう」「ストライキを当たり前の日本にしていきましょう」と呼び掛けました。
「今の国会で本当に大事なことは何でしょうか。共産党の奮闘ぶりも聞かせてください」
ここで語られたのは国会内外でのたたかいです。志位氏は、自公過半数割れの中で「国民運動の新たな高揚が起きている」と強調。高額療養費の限度額引き上げを「凍結」に追い込んだことをはじめ、大学の学費値上げ反対や選択的夫婦別姓の実現を求める運動や、米の価格高騰の中で農民の運動も大きく発展しており、「国会内外の連帯したたたかいで、一つひとつ要求を実現していきましょう」と呼び掛けました。
国会内では、日本共産党が自民党政治の「アメリカ言いなり」「財界中心」の「二つのゆがみ」に正面から切り込んでいると力説。軍事費突出の異常な予算案、消費税による税金のゆがみなどを論戦の中で明らかにしてきたことを詳しく語りました。
「他国の学費と比べても日本の異常さが注目されています。どう感じますか」
志位氏は「大きな希望は学生の中で歴史的ともいえる反対運動が広がっていることです」と強調。2月13日に国会内で行われた緊急集会には、250人を超える学生が集まり、学費値上げストップの声をあげたと紹介し、このたたかいに連帯し若者の未来を開こうと訴えました。
さらに、昨年の欧州訪問の体験を語り、フランスでは教育費の完全無償化が実現し、1881年の立法で教育費の受益者負担主義を否定して公費負担主義を確立し、「高等教育によって利益を得るのは社会であり、学費を社会が負担するのは当たり前」という考え方が明確なコンセンサス(合意)となっていると紹介。「フランス革命以来の人民のたたかいによってつくられたこの精神こそまっとうです」として、「受益者負担主義で異常な高学費にしてしまった日本の自民党政府に爪のあかを煎じて飲ませたい」と述べました。
「ニュースでドイツ左翼党の躍進を知りました。欧州との交流で感じていることを話してください」
志位氏は、欧州では、人民の長期にわたる粘り強いたたかいによって、「社会的ルール」がつくられてきたことを紹介。ベルギーではストライキ闘争を通じての最低賃金引き上げを勝ち取り、フランスでは1930年代に「バカンス」(年次有給休暇)を獲得し、その後、週35時間労働制を勝ち取った労働者の闘争の歴史を語り、「日本でもたたかいによって働く者の権利を守る『社会的ルール』をつくりましょう」と呼び掛けました。
さらに、2月の総選挙で、得票率が4・9%から8・8%に、議席も39から64に躍進したドイツ左翼党(リンケ)について報告。若い世代が中心となり、「家賃高騰・物価対策、ファシズムとたたかう」政策をかかげ、64万戸への訪問で有権者と直接対話し、SNSを強化し、短期間で数万人の党員を迎え入れた活動について紹介しました。
その上で、欧州左翼の活動を見て感じるのは、「資本主義の矛盾がある限り社会進歩の運動は不滅だということです」と強調。「日本共産党は創立から103年になりますが、どんな困難な時期でも社会進歩の法則への確信を失ったことはありません。それを失わない限り未来は必ず開けてきます。欧州の党に負けないよう、参院選勝利に向け頑張りましょう」と呼び掛けました。
Q&Aで志位氏は、事前に寄せられた7問に加え、会場で寄せられた8問に回答。トランプ政権、「東アジア平和提言」、「共産主義と自由」、大阪万博、ジェンダー平等、競争教育、組織と自由、選挙勝利の秘策など広範なテーマについて熱く答えました。
最後に志位氏は参加者に向けて、「人間のたたかいこそ社会を変える力であり、歴史をつくる力です。力を合わせ、たたかって世の中を変えていきましょう」というメッセージを送りました。その上で、戦前、戦後の党の指導者だった宮本顕治氏(元党議長)が、戦前の暗黒政治による不当な迫害に対しともにたたかい抜いた小林多喜二の生き方を「もっとも気高い人間性の発揮」と評したことを紹介。「不当なことに対して頭を下げない、真正面からたたかって社会を変えていく―この精神は現代に受け継ぐべきものです。いまは戦前とは違いますが、見過ごしてはならない『あってはならない』は、たくさんあります。日本共産党に入り、仲間と力を合わせ、この現実を変えていきましょう」と熱く呼び掛けると、会場は大きな拍手に包まれました。