世直しご一緒に 市民の願いを受けて市政を動かす 市の顧問弁護士と市長の責任
石田川幹線公共下水道工事で重大な問題が発生しました。
JR東海道線の下を横断する府道の前田地下道の下を通る「公共下水道石田川幹線工事」です。工事ルートに大きな鉄のH鋼が二箇所11本も見つかり掘削マシンが止まって、工期が一年遅れ、追加予算二億円を計上。続いて別の箇所で水が湧いてさらに工期が遅れる事故が相次ぎました。
事の経緯から市長の責任、及び請け負った企業、日水コン、JRやJRコンサルタント(以下、JRC)、佐藤工業の責任は明らかでした。しかし市長は自分の責任も取らず、企業の責任を免罪したうえ、下水道使用料の値上げまで行い、責任を市民に押しつけました。
久嶋市長の最大の失政であり、契約書・弁護士報告などに対する共産党の具体的追及で実態が明らかとなり、市長辞職勧告決議へと発展していきました。
私は二〇一〇年第一回定例会で質問に立ち、まず、工事計画前のずさんな調査と、掘削マシンが止まるという事故の責任は関係業者と市長にあるのに、なぜ市民に負担を押しつけるのかと追及しました。また、業者に法的責任は問えないとした市の顧問弁護士と市長の対応をただしました。
掘削予定個所の調査費も使っているのに大きなH鋼を見つけられず・・・とはどういうことか!
石田川公共下水道工事のトラブルの責任について、市長は、当初から裁判も辞さないと言っておられましたが、「水野弁護士の見解」の提出とともに、業者に対して法的責任の追及ができないとして、真相の解明も、責任の追及も、裁判も取りやめられました。市長は、もうこれで今回のトラブルのすべての問題が終わったと考えておられるのかどうか、その認識をたずねます。
行政が公共事業で事故を起こしたりトラブルを起こした場合に、市長が責任を持って処理しなければならないことは、三つあると考えます。
その一つは、なぜ事故が起こったのか、原因の究明と責任を明らかにし、損害があれば業者に請求をするということ。
二つ目は、すぐ対策を立て、問題を解決すること。
三つ目は、二度と同じ誤りを繰り返さない対策を立て、それを実行することであります。 この三点が今回の問題で、きちっと処理できたと思っておられるのかどうか、お聞きします。
次に、市長自身の仕事上どこが間違いだったのか、どの部分の責任問題が市長に問われているのかということです。
水野武夫弁護士の報告書は、真相を探求しながら解決策を考えるというものではなく、市長の責任逃れ、業者は違法ではなく、法的責任を問えないとした見解をつくるために用意されたものに過ぎないと私は思います。
具体的には、第一にH鋼は地下埋設物ではない、その他の支障物件でもない、二つ目には、多数の前例がないから特殊なもので決まった調査費ではそこまで出来ない、三つ目に、水野報告は、天井の補修痕(今回の事件の中心問題)に何も触れていない。四つ目に、水野報告は、佐藤工業には地下物質のランクをつけるだけで、それが何かと特定する義務を負っていない。五つ目には、以前の前田地下道工事をしたときの設計図を調査せずに、以前の工事にH鋼は不必要なものだった。
これらの水野報告はまじめな調査をして、真実を基に市民のために、今後行政としてどうすべきかを提起する態度は全く認められないのであります。
行政が事故を起こした場合の三つの責任を明らかにしようとはせず、事件の責任は誰にもなく何のかかわり合いもないという、自治体の弁護士としてあまりにもずさんな結論の報告書であります。市長は、水野報告は、十分なものであると評価しておられるのですか?
私は、市民の立場から考えると、もし市長が今のままで、もう済んでしまったと弁護士と共謀して進められるとするならば、重大な過ちがあると思います。
その第一は、弁護士報告書で真相を隠し、幕引きを行っているということ、
二つ目には、関係業者と市長の仕事上の誤りと責任をあいまいにしたこと、
三つ目には、今後の改善点、教訓を正しく導き出せないようにしたこと、
四つ目には、何よりもその責任と損害金額の支払いをすべて市民に押しつけたことであります。
つまり、最初に申し上げた自治体としてやらなければならない責任を全部闇に葬り、教訓も引き出せない最悪の処理を行ったということになるのであります。そう思われないでしょうか、お聞きをします。
市の顧問弁護士は議会の同意事項ではありませんが、自治体の顧問弁護士として、市長の弁護をするのではなく、市民の弁護士でなくてはなりません。水野氏は失格であります。
次に、一月二二日付、地方自治法第二四二条の規定による住民監査請求にかかる監査結果については、専門技術士の立ち会いのもとに現地調査もされた結果であると書かれ、報告書が出ております。
その内容は、第一に、JRCは前田地下道下のシールド工事の実施設計業務を特命で委託された専門業者として、仮設杭の調査・確認をした上で実施設計をすべきであったと書かれております。また、 収集した資料を詳細に分析し、現地の状況を注意深く観察すれば、仮設杭の確認は可能であったと考えられるとしております。
二つ目に、慎重な事前調査を実施しておれば、仮設杭が存置されている可能性について予見することは可能であると思われるとなっております。
さらに、監査報告の4には、JRCの事前調査が不十分であったことが考えられるが、一方、発注者である向日市の配慮不足とも言えると指摘されておりますが、監査委員から、向日市にも責任があったと直接指摘を受けて、どのように考えておられるのでしょうか。
そして、次に、監査委員がつけられている「監査意見」は、市長は追加発注した工事費について、JRCなどと協議するなど十分に検討し、市民の理解が得られるよう努められたいと言っておられます。監査委員の意見には従う必要はないというふうに考えておられるのか、お聞きしたいと思うものです。
監査委員は、市長に非常に穏やかに言っておられるわけですけれども、今回の事故の原因を考えれば、JR西日本とJRCの調査不足に最大の問題があり、企業の責任を追及するのが市長の仕事ではないかと言っておられるのです。もしそのことができないのなら、市民は、今度は市長をリコールしなければならなくなります。ぜひご見解を求めたいと思います。
今回のような事件が起こったとき、まず市長は、みずからの責任を感じて、法と条例に基づくみずからの処分をすべきではありませんか。すべての責任を市民に押しつけ、使用料の値上げで処理しようというのでは、こんな無責任な市長は、もうやめていただきたいという声が市民の中にございます。市長の考えをお聞きいたします。
市長の答弁は、事故が起こった後の対応は適切であったとか水野弁護士の報告は立派な報告と思うとか、今後の工事について監査委員の意見は生かしていくというばかりで、全体として、この問題は不可抗力で誰の責任でもないという言い逃れに終始。私は、再質問に立ち、水野弁護士の報告とは全く違う結論となっている監査委員の意見を厳粛に受け止めるべきことを指摘し、検討結果を文書にして市民に謝罪することを求めました。
それでもあいまいな市長に対し、再々登壇して、「市民の中からも、あなたこそリコールだという声が出ている」と認識の甘さを指摘。今後の行政全般の教訓にもなるような、きちっとした対応を要求しました。
■□教訓無視して事故再発 さらに三五〇〇万円の追加!
ところが、再度、問題が起こったのです。今度は、前田地下道近くで、水漏れが止まらないという事態で、三五〇〇万円の追加補正予算が提案されました。これも事前に十分な調査さえしていれば起こりえない事故でした。再び、公共下水道石田川幹線工事のトラブルの責任追及に立ちました。
市長は、業者との契約書について不備があり、今後改善する必要があるという認識を示しておられましたけれども、どこをどのように変えれば今回のようなトラブルにならなかったと思っておられるのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
市長は、二〇一〇年、第一回定例会における私の石田川公共下水道に関する質問に対して、すべての工事が終わってから、今回のトラブルに対するおわびを含めて見解を述べる旨の答弁がありました。
なぜ繰り返し申し上げるのかといいますと、再び三五〇〇万円の補正予算を組むようになったこの過程においても、本体工事のトラブルの教訓が生かされていないからであります。
今、ストップしている前田分水枡工事の地下水の流出問題とその後の工事は、本体工事のトラブルの教訓を市長が正しくくみ取り、今後に生かすことができるかどうかを占う初めての工事であるにもかかわらず、本体工事と同じ誤りを繰り返していると言わなければなりません。大林道路との契約書を提出願いたいと思います。そうして、本体工事契約の不備から、どこを改善されたのか、ぜひ比べて見てみたいと思うのであります。
これに関して、具体的に質問をさせていただきます。
第一は、本体工事の反省から、工事現場近くの土質調査の結果を、高度な専門知識を持った方が正しく分析し、それに見合う工事方法を決めて工事を進めておれば、このような事態にならなかったはずであります。今回、高度な専門知識を持った方はどなただったのか、その方の指示を受けて設計を修正したのか、それとも、当初設計どおり何の疑問も持たずに工事を続けられたのかということについて、担当者の考えをお聞きしたいと思います。 また、予期せぬ出来事だったと言い張られるのか、それはもう通用しないと思うわけでございます。今回、だれが最初に工事のゴーサインを出したのかなど非常に問題点があると思います。
第二の質問として、あの場所は非常に水が多く出る場所だということから、再度設計を吟味されたとしたら、幾通りもの工事方法があるはずであります。どういう工事を実施したのか、その結果、なぜ工事ができないという事態になったのか、どの判断が間違っていたのか、明確にしていただきたいと思います。
第三は、今後の対策と見通しについて協議されたと思うのですが、その協議された内容が現場監督日誌などにどのように記載されているか、 読み上げていただきたいと思います。
第四は、今回の工事の遅れに関して、まさか補正予算が必要だと言われませんねと書いて準備をしていたんです。そうしたら補正予算が提案されているということがわかりました。これは明らかに関係業者が責任を持って工事をしなければならない問題であります。土質調査の結果を読み違えた本体工事関係者と落札した業者に全額負担を要求したのかどうか、その交渉経過と合意事項を説明していただきたいと思うわけでございます。
第五は本体工事も枡工事も契約書に欠陥があったのではなく、いずれの企業も調査に関して手抜きをして、高度な専門知識のある人が現場調査をしなかったことが最大の原因であると思わざるを得ないのであります。トラブルの責任について、 その真相はどうなのか、明らかにしていただきたいのです。
具体的に一つ目として、企業の側からどんな技術者が来て、どんな調査を行い、どんな報告をしたのか、同時に、その報告の一つ一つを市の管理責任者が検証できなかったことが問われていると思うのであります。監督者はどのような対応をされたのか、お聞きしたいと思います。
これらの理由から、請負業者に全額要求すべき事件であると思うわけでございます。同時に、二つ目に、市長を先頭に市が管理監督できなかったところに共同責任があったと思うのであります。
その点をなぜあいまいにするのか、原因を明らかにして、今後の対応を示さなければ正しい解決にはならないと思うわけでございます。
最後に、両者の責任が明らかになれば、市長みずからの処分、あるいは業者に対する責任の追及、それから損害の請求、また、現時点に至ってはその交渉を行わなければならない。その見解を再度お聞きしたいと思います。
私は、今回、質問するに当たりまして、土木工事に詳しい学校の先生とお会いをしました。また、土木調査事務所を開いておられる、いわゆる高度な専門知識を持つ技術者の方にもお会いをし、契約書を見ていただきながら、向日市の現状についていろいろお話をいたしました。その結果、契約書は何も間違っていないと、この契約どおりされれば、さきの本体工事ではH鋼を必ず見つけることができるし、それから、今回の水が出てくることもわかる。だから、その契約どおりやらなかったことが問題で、調査が手抜き調査だということをはっきり申しておられるわけです。その最大の問題は、高度な専門知識を有する人が来ていなかったという契約違反であります。にもかかわらず、向日市の工事の監督及び市長・管理者が、契約相手が契約を守っていなかったことに対して適切な管理・指導監督ができていなかったところに問題がありました。
同時に、一つ一つの工事の進行は市長、あるいは現場監督が承認して工事が進んでいったわけですから、そこにも大きな問題があったわけです。契約書を通じての問題点は、文書で提出しておりますので、反論があれば述べてください。答弁を求めます。
これだけ具体的に質問しているのにまともな答弁はなく、そのため、保守系議員を含む「市長辞職勧告決議」へと発展していったのです。
