明日は、京都にいるひとに誘われて、
「精華大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」を聴きにいこうと、
たのしみにしているというのに・・・・。
ところで、
1月10日の毎日新聞夕刊の社会面に、
「上野千鶴子さんの講演を東京都が拒否した」
という記事が載っていた。
全国版の社会面トップニュースだ。
毎日新聞はすべて署名記事なので、
だれが書いたかがすぐわかる。
この記事を書かれた五味香織さんは、
岐阜支局が初任地のすぐれた記者で
市民運動や裁判でとてもお世話になった。
名古屋本社社会部に転勤された後も、
ミニコミを送ったり、親しくしていた。
去年、東京本社社会部に転勤されたと聞き、
署名記事をなつかしく読んだ。
わたしが経験しただけでも、行政がし意的に、
講師選定や意に添わぬひとを排除するということは、
地方や水面下ではたくさんあると思う。
とはいえ、なかなか表面化しにくく、
事実関係がつかみにくい問題を
地道な取材で、多くのひとに見える問題として
記事にされた五味さんと、
泣き寝入りしなかった、であろう
国分寺市のみなさんに拍手を送りたい。
つれあいの父の葬儀やなんやかやで
バタバタしてて、遅れてしまったけれど、
以下に10日の記事を紹介します。
(2006年1月10日毎日新聞夕刊より)
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上野千鶴子さんの講演
都「女性学の権威」と拒否 見解合わないを理由に
東京都国分寺市が、都の委託で計画していた人権学習の講座で、上野千鶴子・東大大学院教授(社会学)を講師に招こうとしたところ、都教育庁が「ジェンダー・フリーに対する都の見解に合わない」と委託を拒否していたことが分かった。都は一昨年8月、「ジェンダー・フリー」の用語や概念を使わない方針を打ち出したが、上野教授は「私はむしろジェンダー・フリーの用語を使うことは避けている。都の委託拒否は見識不足だ」と批判している。
講座は文部科学省が昨年度から始めた「人権教育推進のための調査研究事業」の一環。同省の委託を受けた都道府県教委が、区市町村教委に再委託している。
国分寺市は昨年3月、都に概要の内諾を得たうえで、市民を交えた準備会をつくり、高齢者福祉や子育てなどを題材に計12回の連続講座を企画した。上野教授には、人権意識をテーマに初回の基調講演を依頼しようと同7月、市が都に講師料の相談をした。しかし都が難色を示し、事実上、講師の変更を迫られたという。
このため同市は同8月、委託の申請を取り下げ、講座そのものも中止となった。
都教育庁生涯学習スポーツ部は「上野さんは女性学の権威。講演で『ジェンダー・フリー』の言葉や概念に触れる可能性があり、都の委託事業に認められない」と説明する。また、一昨年8月、都教委は「(ジェンダー・フリーは)男らしさや女らしさをすべて否定する意味で用いられていることがある」として、「男女平等教育を推進する上で使用しないこと」との見解をまとめていた。
一方、女性学とは社会や学問のあり方を女性の視点でとらえ直す研究分野だ。上野教授は「学問的な見地から、私は『ジェンダー・フリー』という言葉の使用は避けている。また『女性学の権威だから』という理由だとすれば、女性学を『偏った学問』と判定したことになり許せない」と憤る。
同市や開催準備に加わってきた市民らは「講演のテーマはジェンダー・フリーではなく、人権問題だった。人権を学ぶ機会なのに都の意に沿う内容しか認められないのはおかしい」と反発している。 【五味香織】
(なお、記事中の「ジェンダーフリー」の用語解説は、
一部誤解をまねく表現があったので、省略しました。)
「ジェンダーフリー」については、
以下の「ジェンダーとメディア・ブログ」が詳しいので、
ぜひお読みになってください。
ジェンダーとメディア・ブログ10.11付け記事
上野千鶴子氏「ジェンダーフリー」発言記録
「わたしはむしろジェンダーフリーという用語を使うのは
避けている。都の委託拒否は見識不足」、
「『女性学の権威だから』という理由だとすれば、
女性学を『偏った学問』と判定したことになり許せない」
と憤る上野さんに、「ケンカを売った」のは、
ほかならぬ東京都だ。
この問題が、石原都知事の足元で、
今後どんな展開を見せるか目がはなせない。
東京都に抗議署名を!/研究者がよびかけ(1/24)
明日の上野さんの「ケンカの仕方」の話は、
聞き漏らさないように、ちゃんとメモしてこなくっちゃ(笑)。
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最後まで、読んでくださってありがとう。
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