みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

売られる脱北女性/脱北者の現実を描いた映画『クロッシング』=4月公開

2010-02-11 18:49:20 | ジェンダー/上野千鶴子
伊豆・下田の野水仙の花つき球根は一袋500円。

 
水仙の球根はけっこう高いので、お値打ちな買い物だったのですが、
これから花が咲く球根の方は、一袋なんと10球入りで300円。
   

   
暖かいところに自生している水仙なので、
雪が積もらないところのほうがよいと思い、と玄関の横に植えました。

今朝からは、雪ではなくて雨が降っています。
明日も雨。
植物にとっては、あたたかい恵みの雨。
冬枯れだった庭も、一雨ごとにみどりが濃くなっていくようです。

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今朝の朝日新聞の一面に「売られる脱北女性」の記事が載っていました。
9面にも関連の記事。
北朝鮮の社会の混乱や深刻な貧困の犠牲者は女性たち。
こころがいたみます。

「7万8千円で妻を買いました」 脱北、売られ中国人妻
2010年2月11日 朝日新聞

 売られる脱北女性
年収ほぼゼロ 誘われ泳ぎ中国へ

 深刻な食糧難をはじめとする経済・社会の混乱が続く北朝鮮から、中国へと逃れてくる女性たちがいる。国境警備の目を盗み、命がけの思いで国境の川を渡ってきた彼女らは、売買の対象になっているという。北朝鮮国境に近い中国吉林省のある農村を訪ねた。
 「私は6千元(約7万8千円)で妻を買いました」
 農業を営む朝鮮族の40代の男性がぽつりと語った。
 「夫はよくしてくれます。毎日腹いっぱいお米が食べられて幸せです」
 横に座っていた30代の女性がうつむいたまま話した。国境を越えてやって来た、いわゆる脱北者だ。
 北朝鮮のある町に住んでいたこの女性は、父母を亡くして独りで農業をしていた。肉や魚はおろか、米さえめったにありつけない。トウモロコシの粉と白菜を煮たものを食べ、時にはトウモロコシの芯まで食べた。収穫物を国に納める農地のほか自家用の耕作地もあったが、栄養不足で力が出ず作物を育てられない。年間の現金収入はほとんどなかった。
 昨年4月、生産性向上と称して国民に過酷な労働を課す「150日戦闘」が始まった。休むことが許されず、農作業の合間は草で縄をなった。週末に集会が開かれ、村の幹部は働きの悪い村民を厳しく批判した。鉄鋼の生産を伸ばすためとして、くわや鍋を供出させられた。肥料に使うために干していた大便まで取り上げられた。
 7月上旬、市場に出かけた時、見知らぬ40代の女性が声をかけ、暮らしぶりを尋ねてきた。「金も服もない」と答えると、「中国はいいよ。いい男性のところへ嫁げる」。費用は一切要らないと言った。
 1週間後の深夜、この仲介業者とともに山を越え、国境を流れる図們江(朝鮮名・豆満江)に来た。幅が20メートルほどある川に飛び込み、懸命に水をかき分けた。警備兵に見つかれば撃ち殺されるかもしれない。恐怖に震えた。
 対岸に着くと、待っていた中国側の仲介業者の車でどこかへ連れて行かれた。しばらくして今の夫を紹介された。
 家事を担い、農作業を手伝う。飢える心配はなくなった。だが、不法滞在なので正式な結婚はできず、警察に見つかれば強制送還される。おびえる日々が続いている。(瀋陽=西村大輔)
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(9面)
中朝国境人身売買、仲介業者が暗躍 国境警備隊も結託
2010年2月11日 朝日新聞

困窮つけ込む人買い 
警備兵結託 行き先は売春

 北朝鮮と中国の国境地帯で、脱北者の人身売買が行われている。「人販子(レンファンツー)」と呼ばれる仲介業者が暗躍し、一部の国境警備部隊員とも結託している実態が、関係者の証言で明らかになった。北朝鮮の厳しい経済情勢を背景に、売買は勢いを増している。
 年間40~50人の脱北者の人身売買にかかわっているという中国の国境警備部隊関係者が重い口を開き、最近手がけた事例を語った。
 昨年11月のある未明。中朝国境を隔てる図們江(朝鮮名・豆満江)の中国側の岸にいた彼は「バシャ、バシャ」と川を渡ってくる人影を見守っていた。脱北した10代と20代の数人の女性だった。粗末な服で寒さに震えていた。
 中国の朝鮮族の仲介業者が来ていた。簡単な肉料理を差し出すと、彼女らはむさぼるように食べた。用意した服に着替え、車に乗せられた。行き先は中国南部の入浴施設。仕事は売春だ。
 その1カ月前。
 仲介業者から連絡があった。「18~25歳の女を数人ほしいと依頼主が言ってきた。手伝ってくれないか」
 彼は別の隊員を通じ、日ごろ連絡を取り合う北朝鮮の国境警備部隊員に伝えた。川幅が狭ければ対岸と話すのは難しくない。釣り人や農民に変装し、川岸で情報交換することもある。
 北朝鮮の隊員から用件を聞いた北朝鮮側の仲介業者は、間もなく若い女性らを「調達」した。北朝鮮では「満足に食べられるならただ働きでいい」という希望者は、いくらでもいるのだという。
 この件にかかわる中朝双方の警備部隊員がそろって当直となる日、脱北を決行した。部隊の管轄区域で、人目につかず川の浅い地点を選んだ。女性らは安全に川を渡った。中国の仲介業者は、女性らの顔写真を撮り身分証を偽造。「中国人売春婦」としての第二の人生へ送り出した。
 関係者によると、ホステスや売春婦、中国人の妻になる場合、中国の仲介業者は依頼主から脱北者1人あたり6千~7千元(約7万8千~9万1千円)を受け取る。このうち4千元(約5万2千円)を中国の警備部隊関係者に支払う。その中から1千元(約1万3千円)が、協力した北朝鮮の隊員に渡る。たばこの箱に詰めて手渡すことが多い。
 中国当局の関係筋によると、2009年の中国への脱北者は約2万5千~3万人。4割は中国にとどまるが、6割はベトナムやモンゴルなどさらに別の国へ渡り、大半はやはり売春婦や妻になる。
 中国の仲介業者は少なくとも約150人いるとみられ、ほとんどが朝鮮族だ。北朝鮮に人脈があり、言葉の壁がない。そのうちの一人はこう語った。「北朝鮮が貧しければ貧しいほど、乱れれば乱れるほど収入になる」
     ◇
 人身売買に関する2009年の米国務省報告書によると、脱北者は中国と国境を接する北朝鮮北部の咸鏡北道からが多く、8割が人身売買の犠牲者になっている。強制的に売春させられたり、中国人の妻になったりする女性が多い。妻を不要だと感じた夫が、別の男性に「転売」することも起きている。一方、脱北に失敗した者は収容所に送られ、強制労働や拷問、レイプなどの虐待を受けているという。報告書は、人身売買根絶への取り組みで評価した4分類のうち、北朝鮮を最低ランクの17カ国の一つに数えている。(瀋陽=西村大輔)
(2010年2月11日 朝日新聞)


脱北者の現実を描いた衝撃的な映画が、韓国で評判になっているそうです。

脱北者の苛酷な現実描く 映画「クロッシング」
4月から日本上映へ…韓国で100万人動員(2010.2.10 民団新聞)


この韓国映画「クロッシング」が、日本でも4月に公開されることになりました。
東京・澁谷のユーロスペースでの公開だそうですが、機会があれば見てみたいと思っています。

脱北者の現実を描いた映画『クロッシング』 女性脱北者が「空腹よりも親を亡くしたときがつらかった」と涙
シネマトゥデイ - ‎2010年1月29日

‎[シネマトゥデイ映画ニュース] 29日、脱北者の現実を描いた映画『クロッシング』の記者会見が韓国文化院で行われ、キム・テギュン監督、北朝鮮難民救援基金理事長の加藤博氏、そして脱北者の女性キム・ジョングムさんが登場した。

映画『クロッシング』
 「北朝鮮からの脱出、脱北者」を通じて、命を奪う者と命を奪われし者の悲しみを描いた本作。キム・テギュン監督と作家のイ・ユジンが企画・製作に4年の歳月を費やした衝撃作である。「ロケ費など予算が非常にかかりますから、本作のような映画を韓国で作るのは容易なことではありません。市民もそれほど感心を持っていないため、投資家を集めるのに苦労しました」とキム・テギュン監督。
 さらに「中国とモンゴルでロケをしたんですが、これらの国は北朝鮮と友好国なので、北朝鮮を刺激する映画を作るのは大変危険でした。韓国国内で撮影しても政治的にいろいろな立場の人があれこれと言ってくるので、極秘に撮影を進めました」と完成までの苦労を語る。
 この日は韓国在住で、10歳のときに脱北した女性キム・ジョングムさんも来場。本作について「脱北の詳細の違いはありますが、同じようなつらさを感じて涙が出てきました」とコメントし、これまで一番つらかった体験を聞かれると「その質問が一番つらいです。ひもじいことや空腹なんて何ともない。親を亡くした瞬間が一番つらかった」と声を振り絞るように話すも、思わず涙がほおを伝った。
 マスコミに配られた資料には1989年生まれと記されていたキム・ジョングムさんだが、実際は1986年生まれだ。加藤氏は「北朝鮮から脱北するためには、中国の交通機関を使わなくてはなりません。その途中で捕まる可能性もあるため、カムフラージュが必要。そのために生年月日を意図的に変えて、できるだけ子どもに見せかけなければいけなかったんです」と壮絶な脱北の裏話を明かした。ちなみに現在キム・ジョングムさんは、本当の年齢を明かしても問題ないとのことだった。
 映画『クロッシング』は、映画『オオカミの誘惑』『百万長者の初恋』のキム・テギュン監督が、生きるために北朝鮮から中国へ渡った父子の悲劇を描いた人間ドラマ。100人近い脱北者への取材を基に北朝鮮の現実に根ざした骨太なストーリーに仕上げ、第81回アカデミー賞外国語映画部門賞の韓国代表作品に選ばれた。
映画『クロッシング』は4月17日よりユーロスペースにて公開)


毎日新聞記事
韓国映画:「クロッシング」4月に日本公開 脱北者や北朝鮮の今を描く/東京
毎日新聞 2010年2月7日

 北朝鮮から国外に脱出した脱北者を描いた韓国映画「クロッシング」が日本で公開されることが決まった。試写会と記者会見が新宿区内であり、制作したキム・テギュン監督は「上映を機に、日本の人たちにもっと、脱北者や北朝鮮の現状に関心を持ってもらえれば」としている。映画は4月から、渋谷区のユーロスペースで上映される。
 映画は、病気に苦しむ妻の薬を入手するため脱北する男性が主人公。帰国できなくなった男性を捜し、11歳の1人息子も母親の死後、脱北を試みる姿を描いた。10歳のころ脱北し、現在は韓国に住む女性も会見に出席し、「自分たちが体験した悲しみや苦しみが映画でも感じられた」と感想を語った。
 また、脱北者支援に取り組む北朝鮮難民救援基金の加藤博理事長は会見で、「日本にも現在、約180人の脱北者がいる。過去の物語ではなく、現在進行形の話として見てほしい」と話した。【曽田拓】



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