熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

中国特許

2012-01-31 13:21:44 | Weblog
弁理士会員研修「如何に中国で強い特許を取得するか」を受講してきました。

講師は、日中の弁理士資格を有する方です。

中国の知財環境、明細書翻訳と誤訳対策、権利行使を考慮した明細書作成、中間処理のノウハウ、ソフトウエア関連発明の留意事項、中国実用新案制度の活用、中国特許法の概要についての説明がありました。

日本と共通する内容についてだけでなく、中国特許特有の内容について実務的な観点からの説明がありましたので、参考になりました。

特許出願件数で世界第2位に躍り出た中国ですが、講演者の話によると、中国では国家の司令が絶対的なので、企業自らが特許出願件数を増加させたと考えるのは間違いだということでした。

つまり、国家が出願件数の目標を設定すれば、予算が付き、指示された部門の責任者は出願件数の目標を達成することを第一に考えて行動するということだそうです。
日本とはかなり違いますね。

もっとも日本の企業でも同じような事が行われています。
経営者が特許出願件数の増加を年度目標に掲げて、開発部門と知財部門が、この目標を受けた場合、往々にして似たようなことが起こりますね。

開発部門、知財部門の責任者は、出願件数目標値達成のために様々な施策を展開します。
この施策の一つが発明者個人の出願件数目標値(いわゆるノルマ)、知財担当者の担当する部門の出願件数目標値の設定です。

この目標値達成の成否は、人事考課に直結していますので、必死に出願件数目標値を達成しようとします。
そのため価値の低い発明も出願されることになり、出願経費の無駄遣いが発生しますが、特許意識の高揚のためと割り切って行なっている企業も多いでしょうね。

中国も同じような目的を持っているのかもわかりません。

何れにしても中国の特許活動については目が離せませんね。




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コメント
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