熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

弁理士研修

2014-12-02 17:40:16 | Weblog
弁理士会と横浜弁護士会の合同研修に参加してきました。

会場は、関内駅近くの神奈川中小企業センタービルです。

今回の研修は、第一部「知的財産訴訟の前提としての民法・民事訴訟法の知識」、第二部「新たに成立した特定農林水産物等の名称の保護に関する法律ー地域団体商標制度との比較をを含めてー」です。

「知的財産訴訟の前提としての民法・民事訴訟法の知識」は、司法試験の受験勉強と大学院での勉強で基礎的知識は獲得していますので、復習というところでしょうか。

参考になったのは、「新たに成立した特定農林水産物等の名称の保護に関する法律ー地域団体商標制度との比較をを含めてー」ですね。

この法律については不勉強なため全く知識がありませんでしたが、地域団対商標と重なる部分が多くありますね。

この法律の主幹官庁は、農水省ですが、問題が多い法律ですね。

地域団体商標との調整規定もその一つですが、この法律の調整規定は一般的なもので、先出願・登録商標と類似する名称は登録が拒絶され(この類似範囲が商標法と同じになるかは不明です)、登録となった名称の効力は先出願・登録商標に及ばないという常識的なものです。

問題となるのは、商標法に新たに入る規定(第二十六条三項)です。

「商標権の効力は、次に掲げる行為には及ばない。ただし、その行為が不正競争の目的でされない場合に限る。

一 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律第三条第一項の規定する地理的表示を付する行為

二 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律第三条第一項の規定により商品又は商品の包装に地理的表示を付したものを譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為

三 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律第三条第一項の規定により商品に関する送り状に地理的表示を付して展示する行為

つまり、登録商標との先後願を問わず、商標権の効力が及ばないというものです。

明らかに不平等な調整規定ですね。

登録するか拒絶するかも学識経験者の会議結果を参考に農水大臣が決定するという密室審査ですね。

しかも異議申し立てに類似するの規定(意見書の提出)もあるのですが、意見書提出の結果を通知する規定がない。

何もかも密室で行うというものです。

この表示と地域団体商標との類似を判断するのですが、類似するか否かの基準が不明確なので、地域団体商標の価値が大きく低下することが予想されますね。

これでは地域団体商標を出願しようという人がいなくなるのでは?

弁理士会の意見を聞きたいですね。







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