残暑がぶり返している。きのうの32℃に続いて、きょうは33℃の予報。朝からの気温の上昇具合をみると、34℃になってもおかしくない陽気だ。畑仕事を休み、いつもの散歩コースに秋の気配をみてみることにした。先ず目を引いたのが、庭先でぶらさがる瓢箪である。これは果肉に毒性があるため、熟したものを加工して、酒などの容器として利用する。プラスチックがあるため、瓢箪はあまり見かけないが、その形を愛でる人もいていまも栽培して容器を作る人もいるらしい。加工の仕方は蔕の部分に穴を開け、水に浸けて中身を腐らして取り出し、しっかり乾燥させ、漆などを塗って強度を持たせまた美しい仕上がりにして利用する。もう少したてば、この瓢箪の収穫時期も近いようだ。
ススキが穂を出していた。一名尾花とも言われているススキは、出穂するとまもなく花をつける。近くに寄ってみるとなるほど花が咲いている。高原一面に穂が出て風に吹かれる様はまさに秋の風情だが、穂が出たばかりの赤みがかったのもなぜかいとおしく思える。秋の七草のひとつでもある。
をりとりてはらりとおもきすすきかな 飯田 蛇笏
青空をバックにして咲くコスモスも可憐である。一重咲きのピンクの花が、もっともこの繊細な葉に似合っていて好きである。カメラを向けると恥らうように風に揺れていた。高原に咲き乱れるコスモス畑の先ぶれのように咲いていた。この花もまた秋のシンボルであるが、人に淋しい感情を起こさせる。
コスモスの花あそびおる虚空かな 高浜 虚子
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」稲の実りに秋を感じる。先週あたりはまだすっくと立っていた稲穂だがもうこんなに重たそうに穂を垂れ下げている。田にはまだ水がたっぷりと張ってある。蛙の合唱もいつの間にか聞こえなくなっている。
散歩道の桜の木の下に何か固まっている花のようなものが見えた。近寄って見ると、大きく開いたキノコだ。少しクリームがかって採集したことないキノコだが、手に余るほどの株がふたつ。香りもよく状態も良好なので採って持ち帰る。図鑑を調べると、ハナビラタケで食用とあった。さっそく妻が豆腐汁にしてくれたので食べてみるとうまい。ことしの初物のキノコだ。秋の訪れとともにキノコにめぐり合えたのは望外の喜びである。
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