常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

夏の雲

2014年08月03日 | 雲の名


きょう、山形地方は夕立の予報である。東のそらにかかる積雲は1時現在で発達を続けている。ものの本によれば、各地で呼ばれる積乱雲に、和名がつけられていた。江戸で坂東太郎、大阪で丹波太郎。播磨では岩雲と呼ばれ、九州で比古太郎。江戸では川の名が、九州では山の名が取られているのも面白い。

「坂東太郎」について、幸田露伴は「夏の日などのみゆる恐ろしげなる雲なり。夕立雨の今や来たらんといふやうなる時、天の半を一面に蔽ひて、十万の大兵野を占めたる如く動かすべくもあらぬさまに黒みわたり・・・」と書いている。山形に現れた積乱雲は、水蒸気の供給が少ないのか、上の方が千切れて中空に流れた。

積乱雲は公的な呼び名であるが、これにもいろいろな呼び名がある。大むくむく雲、夕立雲、かなとこ雲、かさほこ雲、太郎雲、いたち雲、雷雲、入道雲、岩雲。などなど、いずれにしてもこの雲が現れてか夕立になるまでの間には、青空と雲の峰が音もなく立ち上がっていく静かな時間がある。

しづかさや湖水の底のくものみね 一茶


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