昨日までの猛暑も曇りで少しだけやわらいだ。近所をカメラを持って散策する。街路樹からは、耳を聾するような蝉しぐれである。特に川原の桜並木で一番盛んな蝉しぐれを聞く。プラタナスの街路樹が葉を繁らせた。葉を落とし、枝を刈られたプラタナスは奇形な姿を現わすが、葉を繁らせると木陰が涼しい感じで街路樹にぴったりの木である。朝の9時ころはこの辺りを散策している人の姿もない。
一本の樹のしみじみと蝉鳴けり 山口 誓子
道端の田んぼで稲の花がみられるかと期待した。だがすでに出穂を終え、なかに実が入って、頭を垂れはじめた穂もある。季節が確実に進んでいることを知らされる。そういえば、きのうが立秋。緑の田んぼが黄金色に輝く日も近い。畦の草むらから、大きなコウロギが跳ねているのを見かけた。秋は暦の上だけのことではなく、静かに近づいていることを実感した。
稲みのりゆっくり曇る山の国 広瀬 直人
曇り空から小さな雨が一粒落ちてきた。見上げれば、槿の花が花を大きく開いていた。この花もまた秋の到来を予告する花である。先週あたりから、散歩コースのあちこちでこの花を見かけるようになった。
見上ぐれば雨一粒や花木槿 石田あき子
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