芋といえば北海道のジャガイモ、九州のサツマイモをすぐ思いだすが、日本人の生活にいちばん馴染んできたのは里芋である。わが家の畑はニラに始り、ズッキーニから夏のオクラ、秋の枝豆の後里芋の収穫を目指している。昨年試しに栽培した里芋が、不出来であったがその少量の芋があまりに美味だったので、今年は十分収穫できるように本数を増やした。
茎の成長は見たところ順調である。土寄せと雨のないときは水遣りを続けている。葉に特徴がある。茎が成長すると新しく出てくる葉も大きくなる。風に吹かれて裏がえる様子は、里芋ならではのものである。
芋の葉に日はとどまりて海遠し 角川 源義
中秋の名月には、収穫した里芋を皮のついたまま茹でて栗やススキを供えたので芋名月と呼ばれる。お祭り重箱には里芋の煮しめがつきものだし、山形では川原に鍋を持って出かけ、牛肉と一緒に煮る薯煮が有名である。さらにお正月の雑煮には、子がたくさんできるというので縁起物として里芋が入れられた。
今日、立秋。里芋は地下でひそかに小芋を育む季節になった。だが、それは暦の上の話で、畑には暑い日ざしが降りそそぎ、里芋の葉は如雨露からの水を待っている。
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