常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

禿岳

2016年10月01日 | 登山


秋雨前線の停滞でぐずついた天気が続いていたが、昨日からの秋晴れ。絶好の登山日和となった。禿岳は、最上町と宮城県の境界にある花立峠から登る山だ。峠から右に登れば小柴山、左に行くと禿岳である。気温が下がって、山は秋の装いをし始めていた。禿岳の標高は1262m、それほど高くない山であるが、頂上付近では紅葉が始まっていた。

登山口は最上町の花立峠。約2.5キロの道程である。登山口の標高が800mだから、高度差は460mである。一部急坂があるが、全体としては快い疲労の山歩きである。風もなく、強い日差しで登りは汗をかくほどの気温であった。参加者は6名、前会長から登山口まで送迎していただいた。



紅葉が季節を物語る。高い山に冷気が降りて、霜や梅雨にあたると、木々の葉は紅く、黄に色づいていく。つい先週まで、深い緑に覆われていた山は、一転して秋の装いになる。山行の楽しみは、こうした季節の移り変わりのなかに身を置くことである。

青空の押し移りゐる紅葉かな 松藤 夏山



秋の山のもう一つのシンボルはキノコである。食すことのできないツキヨダケが出盛りであった。枯れた立ち木の姿も見えないほどにこのキノコが出ていた。食用に本格的なキノコはこれからだ。スギ林にスギヒラタケが白く萌えていた。登山道でキノコを確認したり、以前の山行でマイタケに遭遇した思い出話をしながら登っていくものまたこの季節の楽しみである。



尾根筋に出ると、宮城県の鬼頭ゴルフ場や放牧場が見える。刈り取り前の田の黄金色と芝のグリーンが鮮やかに生えている。周囲の山もくっきりと見える。秋の高気圧が湿気を払って、見通しがすこぶるいい。登山歴の一番ながいs会長も、「長年山登りをしているが、遠い山がこれほどくっきり見えるのは珍しい」と語っていた。それほど、好天気の恵まれた山行であった。



山頂からは360℃の景観がすばらしい。特に北側の神室山系が指呼の間である。右の方に目を転ずると紅葉した虎毛山、そして栗駒山がその存在感を主張する。登山口から頂上までの所要時間は約2時間半(休憩を含めて)、まずまずのペースで登ってことになる。頂上は爽やかな秋風に吹かれながら、弁当を開く。

土曜だというのに入山者は少ない。登山口で岩手から来た2名、新庄から1名と我々の3組だけであった。正午近くになって少しづつ登山者が増えてきた。名古屋から来た男性に出会った。栗駒山を登って、この山に来たという。「昨年、御岳山の爆発に出会いましてね。」と話す。静かな東北の山は、あの恐ろしい体験の癒しになるのであろうか。
コメント
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