公園のカエデの木が色づき始めた。もう少し赤が強くなればもっと見事になるはづだ。カエデは紅葉する樹木の代表で、紅葉にモミジの名が与えられたもの、ここからきているのではないか。山の見事な赤の紅葉は、その多くがカエデの仲間である。紅葉は一般に外気温が6℃から7℃に下がって、10日ぐらいで色づき始め、3週間ぐらいで見ごろになる。
カエデの紅葉が人気があるのは、春の桜に通じたものがある。京都の嵐山などで貴族たちが紅葉狩りに出かける風習が生まれ、木の下で酒宴も開かれた。その風習が江戸で庶民の間に広がって人気が出た。そして紅葉には、もう一つ桜に似た特徴がある。見ごろのなった紅葉は、桜と同じように、風などで一晩のうちにはかなく散ってしまう。木の下に一面の紅葉が散り敷き、裸になったヶエデを見ると、人々は秋の儚さを感じたであろう。
紅葉渓単線かくもさびしきか 石塚 友二