寒気が今日になって少し緩んだ。朝、少し
散歩コースを歩くと、冬ツバキが咲いてい
た。夏目漱石の教え子でもあった寺田寺彦
に寒気を詠んだ句がある。
しべりあの雪の奥から吹く風か 寅彦
すでに知られているように、日本へ来る寒
気、北極にたまった冷たい空気が吹きだし
て来るが、この時はまだ規模が小さく、寒
気核と呼ばれる。これがシベリアで-数十
℃の冷気を吸収して発達し、寒気団となっ
て日本に入ってくると言われている。理学
博士であった寺田寅彦ならではの句という
べきか。今では誰でもが知っている「天災
は忘れたころにやってくる」いう警句も寅
彦が言い出したものと言われている。