秋から冬へ、山にはそれぞれの楽しみが
ある。秋山の魅力が紅葉の賑わいから、
静寂への移り変わりだとするなら、冬山
は空の表情の多彩さに魅せられる。寒波
が降りてきて、今日、水晶山は薄い雪化
粧をした。空を走る雪雲が、ふんわりと
淡雪を降らし、その雲が去ったあとに、
わずかな青空をのぞかせ、さっと日差し
が、雪景色を照らしだす。地形のため
か、肌を刺すような冷たい風が吹き抜け
る。
水晶山は天童と東根の境界にある668m
の低山だが、2時間ほどの山歩きも飽き
ることがない。
今年最後の山行である。寒波が来て、今
年もも終わろうする季節になって、山の
会の人たちの山への意欲は衰えを知らな
い。参加者は増えていく気配だ。うれし
い限りである。
六角堂からの急登は、ゆっくり登って1
時間ほどで頂上に着く。頂上には、杉の
木に囲まれた水晶山神社があり、ここに
も修験道の信仰が行われていたことが物
語られている。
頂上の少し手前には見晴らし台があり、
麓の集落や周囲の山々が見渡せられる。
今日は雪雲で山々の展望はない。しかし
薄化粧ののような、里山の雪景色は魅力
に満ち溢れている。