アンコール登山というべきか、番外とな
る登山を年末の29日に設定した。しかも
折からの寒波。剣岳では、吹雪かれて下
山できない人が、雪洞でビバークしなが
ら天候の回復と救援ヘリを待っていると
いう悪条件だ。しかし、この山は里山、
登山道にもさほどの危険はない。メンバー
から中止という声も聞こえてこない。未
明には、雪が降りしきっていたが、出発
の8時半頃には明るさが増し、風も凪いで
小康状態となった。
東黒森山は、白鷹丘陵の一郭、畑谷大沼の
上の山だ。標高766m、雪のない季節は、
市民の憩いの場として、人が集まる。登山
口から頂上まで、約1.5㌔、歩行時間一時
間弱の散策コースである。積雪は50㌢強、
ラッセルをしながらの登頂は、約倍の時間
を要した。今シーズン初めてのカンジキを
履いてのラッセル。雪の上が既に懐かしい。
寒気のなかで、天候も目まぐるしく変わる。
小やみになった雪だが、風通りのよい場所
では強風が吹き抜け、木に着いた雪を勢い
よく飛ばす。一瞬ホワイトアウトのような
状態になる。ほどなくして青空が見え、山
頂では大沼など見晴らしも堪能できた。一
年のしめくくりの登山としては、参加メン
バーにとっても記念すべきものとなった。
白さもて魅惑す朝の雪嶺は 相馬 遷子
Bill Evans, 'Round Midnight