山登りを続けていて、体幹やそのバランスに関心が向いている。筋肉の衰えは、歩き続けることでカバーできるが、バランス感覚の衰えは、意識する必要がありそうだ。年齢とともに、体幹のバランスが衰えていく、ということを先ず意識することが大切である。以前は大丈夫だったという意識が先行して、急坂をを速足で下りて、転倒してしまってからでは遅い。まして、それで怪我でもしようものなら、取り返しのつかないことになる。よく聞く話に、家のなかで躓いて、骨折する人も多い。これも、体幹のバランスが衰えていることの現われだ。
秋風やころばぬさきの杖を突き 久保田万太郎
万太郎は年老いてからも、磨かれた容貌で、風格があった。杖を突くなどというのは、彼の美意識に反していただろう。転ばぬ先の杖、などという諺で、そこの折り合いをつけたかったと想像できる。
片足立ち、というのが一番簡単で、いつでもできるバランス感覚の維持法である。片足1分づつ、バランスが取れるようになったら、そこにつま先立ちを追加する。やってみると意外に難しい。これも空き時間に、テレビを見ながら、いつでもできるのがうれしい。仰向けに寝ながら、両足を直角に立てて、脚で尻を持ち上げるのも有効らしい。寝る前の数分間とで、身体のバランス感覚をとり戻せるのならうれしい。