常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

時の果実

2020年11月30日 | 日記
11月が終る。この年が終われば、70歳台という舞台の幕が降ろされる。この一年ほど、一日の時間を意識したことはないような気がする。果実が成熟するためには、花が咲いて受粉してから、200日という時間が必要である。根から吸い上げる水や養分に加えて、たっぷりと降りそそぐ日光を必要とする。人間に与えられた成熟の時間は、年単位で、果実の成熟と比べることはできないが、生きることは、果実の成熟と基本的には変わらない。コロナというパンデミックのなかで、朝の光を浴びながら花を愛で、鳥の声を聞き、風に吹かれる。そうして、私が得た果実は、平凡でいびつな姿の老いである。

見よ。太陽は11月のつめたきわかれにかがやく。 柳沢健
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