
秋の日はときに幸せな気分にしてくれる。趣味の仲間とつながるSNS。そこから聞こえてくる心の声。菊の花を見ながら、さまざまなことが心を去来する。
石垣りんの詩に、人生の真実を見るような気がする。
幻の花 石垣りん
庭に
今年の菊が咲いた。
子供のとき、
季節は目の前に
ひとつしか展開しなかった。
今は見える
去年の菊。
おととしの菊。
十年前の菊。
遠くから
まぼろしの花たちがあらわれ
ことしの花を
連れ去ろうとしているのが見える。
ああこの菊も!
そうして別れる
私もまた何かの手にひかれて。 (詩集『表札など』)
明日、蕎麦打ち。何年ぶりのことだろう。老人たちの集い「いきいきサロン」で新そばを手打ちでふるまう。この季節になると、尾花沢の蕎麦畑から、新そば粉を取り寄せ、知人を集めてそばを打つのが定年後の趣味であった。家に人が集まって、新そばを堪能した。しかし、そのイベントも次第に間遠になり、そば打ちの道具は物置の隅埋もれてしまった。地域のイベントで、拙い技術を披露できるのはありがたいことである。