ブックオフまで、歩数にして往復3000歩程度。書棚で本を探しながら、一日9000歩のウォーキング目標をこなすには持って来いの存在だ。古書店を歩くのが若いころの趣味であったから、現代版の古書店には色んな発見がある。文庫も、一般書も100円~200円の棚が結構広くもうけられている。そのコーナーから堀り出しものを得るのは、昔の古書店の100円コーナーとは一味違った満足感がある。
昨日、選んだ2冊。ブルーメンソールの『毎日の暮らしが輝く52の習慣』200円、と文庫、平野啓一郎『ある男』。こちらは100円コーナーでなく550円。以前、読書関係の本で、ハウツーものは読むな、と教えられてきた。だが、老いとつきあうようになって『ウォーキングの科学』、『呼吸の科学』や精神科医の樺沢紫苑の『ストレスフリー』などを読むようになって、高齢者の読書には、ハウツーのような本から、貴重の情報を得る事できる読み方も必要な気がしてきた。
『52の習慣』には「音楽を聞く」という一項がある。プラトンの名言が紹介されている。「音楽は道徳律である。宇宙に魂を、心に翼を、想像力に飛ぶ力を、そして人生のあらゆることに魅力と華やぎを与えてきうれる。そして、睡眠に入る短時間、ユーチューブに登録しておいたクラシックのなかから、耳慣れたモーツァルトのメロディを聞いてみた。言われるとおり、心にやすらぎが訪れる。テレビのチャンネルを探していたら、「こころのメロディ」というのがあった。「富士の山」や「仰げば尊し」に続いて、テナー歌手の「さとうきび畑」が流れてきた。沖縄の摩文仁の丘に広がるさとうきび畑を吹き抜ける風を歌ったものだ。そこでは鉄の雨が降り、まだ死体が葬られることなくさとうきびの畑に埋まっていた。この歌を聞いていると、なぜか涙が止まらなくなった。