
昨年11月に蒔いたエンドウ豆が芽を出して、春先は縮こまっていたが、このところの高温と水遣りで急に成長し、花をつけた。よく見ると、蝶々が羽を休めたような姿である。日本人に古くから愛されてきたのはソラマメであるらしい。豆の花といえば、ソラマメの花を指す。しかし、色はついていないが、エンドウ豆の花も形はソラマメとよく似ている。
豆咲いて田に沢蟹の甲かわく 田島 秩父
バランスのとれた食事に豆類の果す役割は大きい。エンドウ豆、ソラマメ、ヒヨコマメ、大豆などどの豆もおいしく大好きである。しかし、日々の食事の中で大豆類を取る比率は比較的小さい。納豆や豆腐などの加工食品はあるが、豆のスープ、サラダなど欧米人に比べる日本ではその消費量は少ないようだ。アンコなど糖を加えた菓子類は、けして食事のバランスをよくしない。
穀類から取るたんぱく質、豆類から取るたんぱく質はアミノ酸組成において両者を組み合わせることで理想てきな組成になる。伝統食では、世界中をみても穀類と豆類を組み合わせている。それに比較して日本人の食事は、米に頼りすぎて豆類が少ないのだ。豆で作るスープ、サラダなどの調理の幅を広げる必要がある。エンドウ豆の花を見ながらこんなことが思い浮かんだ。