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「由布院 玉の湯」の美味しい夕食を満喫したミモロ。翌日の目覚めも爽やかに!
昨夜頂いた、コラーゲンたっぷりのスッポン鍋で、心なしか毛並もしっとり。
朝食前に、旅館の近所の散策に出かけます。
「あ、由布岳が見える!」
湯布院は盆地にあり、周囲は、ぐるりと山が囲みます。その中でも、一際高く聳えるのが、標高1583mの由布岳。地元では、神様が降りる山として、昔から崇めらており、町の至る所から、その山を仰ぎ見ることができます。
頂き付近は、うっすらと雪をかぶり、その姿は、いっそう神々しいものに。
旅館を出発したミモロは、そばを流れる小さな川沿いの小道を歩くことに。
途中、「あ、水鳥が遊んでるー」「あ、なんか魚がいるー」と、ちょっと歩いては、立ち止まり、観察。そしてまた歩いては、観察。ちっとも先に進みません。
清らかな水が流れる川には、クレソンなども茂っています。
川には、下に降り、向こう岸に渡るための階段なども。
いつまでも、じっと川の流れを見つめる様子に、さぁ、そろそろ先に進みましょミモロ。と声を。
「はーい。もっとほかのものも見なくちゃ!」とミモロは、木の「ほたるみはし」を渡り、さらにお散歩を続けます。
冬枯れの景色もなかなか素敵。昼間は、観光客で賑わう町も、朝は、人影もまばらで、空気も澄んでいて、本当にお散歩には、ピッタリ。
やがて、ミモロが歩く道は、雑木林の茂みの中に。
この先にあるのは、湯布院の名所のひとつ「金鱗湖(きんりんこ)」です。
「わーキレイ!湖がピカピカ輝いているー」と、その景色にしばし見惚れるミモロです。
「金鱗湖」は、周囲400m、水深2mほどの小さな湖。
「湖」といっても、水深が5m以下なので、実は、地理的には「池」の部類に。昔は、由布岳の麓にあるので、「岳下の池」と言われていたそう。明治に儒学者の毛利空桑が、池の魚の鱗が、夕日に照らされ金色に輝いたことから、「金鱗湖」と名付けたとか。
大昔は、湯布院盆地全体が、ひとつの大きな湖で、「金鱗湖」は、その名残りとも。
湖の底からは、温泉と冷たい水が湧き出て、冬には、外気との温度差により、湖面から霧が立ち上る幻想的な景色が見られます。
ミモロが、訪れた朝も、湖面には、うっすらと霧が。なんとも素敵な季節限定の景色です。
雲に隠れていた朝日が姿を現すと、湖は、キラキラと輝き、その美しさに、しばし言葉を失うミモロです。
「はじめてこの景色を見たんですか」と声を掛けてくださったのは、毎日、この湖を眺めているという方。湯布院の自然が好きで、退職後、この町に住んでいられるそう。
「この景色は、冬の朝が、一番キレイに見えますよ。今日は、いい日に来ましたね。もうすこし時間が立つと、この霧は、消えてしまいます」と。「ホント、見られて幸せ!」と感激しきり。
*旅のポイント:「金鱗湖」の朝霧を見るなら、冬の12月から2月の朝に。10時を過ぎると、ほとんど消えてしまうそう。朝食前に出掛けましょう。湯布院に滞在する観光客が動き出す前の時間が、本来ののどかな雰囲気が味わえる時間帯。寒いですが、散歩する価値は十分です。
湯布院の魅力は、温泉だけでなく、この自然の豊かさ。由布岳などの周囲の雄大な自然に抱かれた町は、田畑が広がり、小川が流れる田園の風情が残っています。
近年、湯布院が全国的に有名になるに従い、多くの外部資本の店や旅館などが、進出し、湯布院の魅力である「のどかな自然風景」の保存が危ぶまれています。さまざまな町の規制は、あるものの、その景色には、やはり変化が避けられません。
湯布院の町づくりに貢献した「由布院 玉の湯」の会長の溝口薫平さんや、「亀の井 別荘」の中谷健太郎さんなど、多くの地元の方たちが、湯布院の自然を守ることに心を砕いていらっしゃいます。観光地としての発展とそれに伴う自然破壊。相反するものの協調は、どこの観光地でも抱える課題です。そして、今、湯布院のこの課題は、代替わりした若き人たちの肩に。
「湯布院にとって、のどかな自然の風景は、財産。それが失われたら町の魅力は失われてしまう」と、以前、溝口さんにインタビューしたときに伺った言葉が、胸に迫ります。
一度失われたら、再生が困難な自然。神様が与えてくださったものと、人間の作り出しすもの。そのバランスをどう保つか、湯布院という町だけでなく、日本全体、いいえ地球規模で、今、真剣に突きつけられている人間への大きな課題なのでは。
「いつまでも、こんな美しい自然が見られますように…」ミモロは、朝日に向かって手を合わせます。