ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

商売繁盛なら、恵比寿さまにお願い!祇園の街が賑わう「京都ゑびす神社」の「十日ゑびす」

2012-01-12 | 京都
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「1月って、京都は、ホント、いろいろな祭事があるんだね。もう毎日、忙しくて…」とミモロ。
七草粥の次は、8日から11日ごろまで、京都の人たちが、「えべっさん」と呼ぶ、祇園の「京都ゑびす神社」で、「十日ゑびす」が行われます。

いつもギリギリに滑り込むミモロは、「今回は、早めに行こう!」と、8日の夜に出かけました。
その夜は、露店は、ほとんど開店前の状態でしたが、すでに鳥居から、長い行列が、道に20mほど続いています。「うわーすごい…もうこんなにいっぱい…でも中の様子を、ちょっと見に行こう」と、ミモロは、境内の中へ。もちろん中も人が大勢…。

「わーいろいろカワイイものがあるよー」と、お参りをあきらめ、駆け寄ったのは、お飾り売り場です。

千両箱、小判、鯛、宝船、恵比寿様や大黒様のお面などなど、おめでたい品々が種類豊富に並んでいます。

「お飾り?どこに飾るの?」とミモロは、近くを見回します。
社務所の一角で、巫女さんが、葉がいっぱい茂った笹を、求める人たちに渡しています。
この笹は、祭壇でお祓いを済ませたもの、そこに自分の望む願いが叶うように、いろいろなお飾りをつけるんです。

さて、恵比寿神は、弥生時代に祀られた海の神様のひとつ。海からやってきた見慣れぬものを「戎(えびす)」と呼び、畏敬の念を抱きつつ、祀り、海の神として豊漁と海難除けを願ったそう。




また、もともと恵比寿神が祀られたのは、海産物が集まる海辺の町や港。
「福男」で有名な大阪の「今宮戎神社」や、兵庫の「西宮神社」も、海に近い場所にあります。

時代と共に、海沿いの町には、海産物の市が盛んに立つことに。
さまざまな品が商われる、そんな市場の繁栄を願い、えびす様が海の守り神だけでなく、商売繁盛の神様として、崇められるようになってゆきます。

さて、京都のお正月の風物詩のひとつ。この「十日ゑびす」は、商売繁盛を願う町衆の大切な祭事。この「京都ゑびす神社」は、約800年前、建仁寺の建立にあたり、開祖の栄西禅師が、その鎮守として造られたそう。
ご祭神は、もちろん、事代主命(ことしろぬしのみこと=恵比寿様)を筆頭に、大国主命と少彦名命(すくなひこなのみこと)。

ちなみに、笹に、宝物を吊すスタイルは、この神社のお札のスタイルから、発展したものだそう。
笹は、松竹梅の竹であり、常に緑を保ち、弾力があることから、商売の変わらぬ繁盛と、苦難をも跳ね返す力の象徴となりました。



売店では、笹飾りのほかにも、熊手などにも、さまざまな飾りを盛った、りっぱな飾りが。


「すごーい、いっぱい飾りが付いてる…でも、なかなかいいお値段…」
確かに、笹飾りの笹も1本3000円だし、飾りもひとつ500円~1000円くらいして、いくつか飾ると、かなりのお値段に。
ミモロのおこずかいでは、とても買えないレベルです。そこで本殿の横から、ちょっとお参りをするだけに。

お参りを済ませ、神社の裏の道に抜けようと、歩きだしたミモロ。突然のドンドンという音にピックリ…
「あれ、お参りした人が、神社を叩いてる…何してるんだろ?」

近くの方に伺うと「えびす様は、ご高齢で耳が遠いので、大きな音を出して、気づいて頂いているんですよ」と。「えーそんなお年寄りに、いろいろお願いして、いいのかなぁ?」と、えびす様を気遣うミモロでした。


境内には、夜遅くまで、人の姿が絶えません。赤と白の提灯が、夜の闇に浮かぶ上には、満月が。
東山に上る丸い月も、商売繁盛を願う人たちを、見守っているようでした。

*「京都ゑびす神社」の詳しい情報は、ホームページから、ご覧ください。
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