ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

今年3月31日で閉館になる「由布院美術館」。懐かしい小学校のような建物ともお別れ。

2012-01-29 | アート
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湯布院の町の中央部にある「由布院美術館」。
ここは、放浪の詩人画家、佐藤渓(さとうけい)の作品を所蔵し、展示する美術館です。

佐藤渓は、大正7年(1918)に広島県に生まれ、28歳から本格的に詩や絵画の制作に専念。全国各地を放浪しながら、作品を描き、昭和35年(1960)に湯布院で42歳の若さで亡くなりました。

この美術館は、彼の作品を多数所蔵。繊細かつ大胆、無邪気かつ妖艶、明朗かつ暗鬱とも言うべき、独特の世界観を表現した絵画は、見る人の心に何かを訴えるもの。

今年、開館20周年を迎えるのですが、残念ながら3月31日をもって閉館することに。
湯布院のアートのひとつの拠点が、惜しまれつつ姿を消します。


「由布院美術館」は、佐藤渓の作品と共に、多くの人を惹きつけたのが、木造の小学校のような展示スペースです。

「なんか懐かしい感じがするよねぇー」とミモロ。校庭を思わせる中庭には、古いポストの姿も。


中庭をグルリと囲むようにある展示スペースも開放的な造り。

どこからも、湯布院の自然が間近に感じられるようになっています。

「あ、由布岳が見える!」2階の喫茶スペースの窓からは、雄大な由布岳の姿が。


「もっとよく見えるところがあるんだよ」とミモロは、敷地内の小さな山の上に登ります。


「ほらね!よく見えるでしょ…」
確かに、いっそう大きく見えますね。そこからは、湯布院ののどかな田園風景も一望。


「あ、万華鏡も見なくっちゃ…」とミモロは、常設展示されている、いろいろな万華鏡を見に展示室へ。

万華鏡は、19世紀初頭にスコットランドで発明され、日本には、1819年には伝わっていたそう。


内側に鏡を貼った筒を覗くと、中に入った色とりどりの小さなチップが、筒を回転させるたびに、さまざまな模様となって見えてきます。

次々に変化する模様は、まさに動くアート。決して2度と同じものを見ることがない移ろいの芸術です。


ミモロも展示されている万華鏡を覗きます。「わーキレイ…」
筒を回すと次々に形が変わる万華鏡の世界に、もう夢中。「わー、スゴーイ、ワー」と声を上げながら覗くミモロ。

いろいろな種類の万華鏡を次々にトライ。そのたびに「わー、スゴーイ、ワー」と声を。

「なんか別世界にいるみたいだった…フー」。あまりに万華鏡を見すぎたのか、ちょっとミモロはボーっとしています。ミモロ、しっかり!大丈夫・・・・。

「ちょっとここで休憩しよう…」とミモロは、テラスの椅子に座って、中庭に渡る風や温かな陽光を浴びつつひと休み。

「3月末で、ここは閉館になっちゃうんだね…」と、ちょっと寂しそうにポツリ。

20年に渡り、湯布院にアートの風を吹かせた「由布院美術館」。
閉館の理由は、湯布院の霧とか。温暖の差が激しく、また盆地の温泉地のため、湿気が多く、作品への影響がはなはだしいそう。所蔵する佐藤渓の作品は、姉妹館である「別府聴潮閣」に展示される計画だそうです。


「次に湯布院に来ても、もう、ここには入れないんだねぇー」と、美術館を後にする前に、もう一度振り返り、木造の小学校のような建物をグルリと見渡すミモロです。

「さようなら…バイバイ…どうもありがとう…」ミモロは、小さな声で、お別れを…。

閉館まで、残り2か月。その間に湯布院を訪れる機会があったら、ぜひ、ここに。

今後、この建物やスペースが、どのように使われるかは、まだ検討中だそうです。

*「由布院美術館」の詳しい情報は、ホームページから。どうぞ…。



コメント (2)
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